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[インタビュー]クラスターが考えるメタバースとは。ユーザーがモノを作り出す先にある未来と,clusterが目指す場所。CEO加藤直人氏と青海亮太氏に話を聞いた
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印刷2024/06/18 20:00

インタビュー

[インタビュー]クラスターが考えるメタバースとは。ユーザーがモノを作り出す先にある未来と,clusterが目指す場所。CEO加藤直人氏と青海亮太氏に話を聞いた

 メタバースと言われて「こういうものだ」と説明できる人は,そう多くないだろう。筆者自身,メタバースを正確に紹介する言葉を持ち合わせていない。これまであったオンラインゲームとは何が違うのか,どういったモノがメタバースなのか,それを構成する要素はなんなのか。

 そんな疑問をメタバース「cluster」PC / iOS / Android)を運営するクラスターのCEO 加藤直人氏とプロダクトマネージャーである青海亮太氏にぶつけてみた。「cluster」が目指すメタバースの未来とはなんなのか,どうすればそこに辿り着くのか,そして4月末に行われたゲームコンテスト「clusterゲーム革命前夜」や,今後のプロジェクトなど,興味深い話を聞いてきたので,ぜひ目を通してほしい。

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クラスターCEO加藤直人氏
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クラスタープロダクトマネージャー青海亮太氏

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 さっそくなのですが,メタバースは定義がまだ定まりきっておらず,あやふやな印象があります。「クラスターが考えるメタバース」というものを教えてもらいたいなと。

加藤直人氏(以下,加藤氏):
 僕自身,メタバースはいろんな定義があるよと言ってるんですけど,メタバースを無理に定義する必要はないと思っています。ざっくりと「SFの世界やフィクションの世界で語られてきた人間の夢」くらいの,ボンヤリとした,曖昧なコンセンサスくらいでいいのかなと。
 その中で,シンプルにメタバースの定義を考えるのであれば「コンピュータが描く世界で生活できるようになる」ですかね。

 そこからクラスターが考えるメタバースには,もう少し狭い意味を持たせています。それは「ユーザーが遊ぶコンテンツを作る世界」です。プロのクリエイターや企業ではなく,一般のユーザーがコンテンツを作ることで,新たなクリエイティビティが生まれる。そんな場がメタバースなんじゃないかって思っていますし,我々が実現したい世界です。

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青海亮太氏(以下,青海氏):
 言いたいことは加藤さんが言ってくださったのですが,少し違う切り口からお話しします。

 私はもともとゲーム開発などに携わってきましたが,メタバースという言葉に対して,「今のMMOといったオンラインゲームと何が違うのか」「結局はMMOじゃん」と言われることがあるんです。

 でも,それでいいと私は思っています。MMOでもユーザーがコンテンツを作り上げることはありますが,メタバースはそれを次の段階へもっともっと広げたものだと考えています。

 ルールも何もなく,ユーザーが自分たちでルールを含めてゼロイチで物や世界,遊びを作っていく,誰でも作り手,クリエイターになれる。メタバースはそういう世界なんだろうなと思います。

4Gamer:
 ユーザー自身がコンテンツを作り上げる。つまり,UGC(User Generated Content/ユーザーによって作られたコンテンツ)こそがメタバースを考えるうえで一番重要だということですね。

青海氏:
 そうです。こういうテクノロジー分野って,映画や小説,アニメなどの創作の世界で描かれているものが,現実になっていることが多いんですよね。
 個人向けPCが出て,インターネットや無線技術が発達し,スマホが登場して,VRやAIも進化していく。ITテクノロジーの進化によってどんどん世の中が変わっていって,これからは現実とバーチャル空間の世界が融合していきます。

 そういう時代が確実にくると考えていて,それに一刻も早く携わりたいと思って,ゲーム業界から,こっちの世界にポンっと飛び込んできました。既存のゲームという縛られた空間ではなく,ものすごく夢が広がっている世界だなと。

加藤氏:
 「MMOじゃん」とよく言われますし,メタバースに利用されるテクノロジーというのは,ゲーム分野で培われてきたものなんですが,それとは別にメタバースで一番大きいものは「インターネット的」文化なんです。

 「インターネット的」という言葉は2000年代前半に糸井重里さんが作った言葉なんですが,例えば,TikTokとかYouTubeで,個人が作った映像コンテンツが大量にあり,それが普通に面白い。個人が作ったコンテンツが無数にあふれることでロングテールの状況が生まれるんです。

 ゲーム業界のテクノロジーとインターネット的カルチャーが結びついて,次世代を作っていくというのがメタバースだと思います。なので「MMOじゃん」と言われると,インターネット的という意味では違う。

 ほかにも「インディーゲームとは違うの?」と言われることもありますが,インディーゲームクリエイターも僕はプロ寄りだと思っています。

 僕が考えているのは,それこそプロから見ると,「ゲーム」と呼ぶと怒られちゃうようなコンテンツが大量に出てくる未来です。TikTokやYouTubeで動画文化が成熟していったように,3DCG技術を使ったゲームコンテンツが無数に作られるようになる。

 そしてそれが,「コンピュータの中で生活する」っていうメタバースに辿り着く,一番メインストリームなんじゃないかって考えています。

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4Gamer:
 なるほど。少しわかったような気がします。業界の人間でもない,何者でもない,一般の人がたくさんのゲームコンテンツを作る状況を作り上げようとしているのですね。

青海氏:
 「インターネット的にゲームコンテンツを作れる」というのが,我々が出した答えになりますね。
 何千万円,何百億円かけたTV番組や映画よりも素人が作ったYouTubeやTikTokの動画の方が面白いと感じることがあるように,素人が作ったゲームが面白いということもあると思うんです。我々が目指しているのは,TikTokのように手軽にゲームを作って公開できるような形です。

4Gamer:
 これまでのお話を聞いて,というよりもその前から漠然と感じていたことなんですが,clusterはゲームではなく,プラットフォームだと思ったのですが,その認識であっていますか?

加藤氏:
 その認識で問題ないです。プラットフォームという言い方をするとちょっと意識が高くなっちゃうので僕はあまり使わなくなっているんですが,誰かがクリエイティブな活動をして,そこに人が集まる場所をプラットフォームと定義するのであれば,僕らはプラットフォームを目指していることになりますね。

 ただ,その言葉もちょっとしっくり来ていないというか。僕らは「ちゃんとしたゲームを作ってもらう」ことを目標としているのではなく,言い方は悪いですけど雑でカオスなゲームを,気軽に作って公開できるようなカルチャーを支える土台を作っているんです。

4Gamer:
 見えてきました。「ゲームを作る」というクリエイティブのハードルをとことん下げたいということですね。

加藤氏:
 そうです。さらに言えば「ゲーム」に拘らず「コンテンツ」を作れればなんでもいいと思っています。

 ただ,ゲームというフォーマットがあれば,クリエイターにとっての切り口として分かりやすいんです。
 ゲームは「誰かを楽しませる」という目標が分かりやすく設定されているので,何かを作りやすい。そうやってクリエイティビティを発揮していった先に,ゲームだけにとどまらず,生活全部を包み込むような世界に拡張すると思っていて,それが僕らの目指すメタバースなんです。

青海氏:
 加えて言うと,日本人はゲーム・エンタメ・遊びに関するセンスや企画力が本当に高いので,その分野で勝負をするべきだと思ったんです。
 みなさんが想像している以上に,日本人って遊び心がものすごくあるぞと!

 ITテクノロジーやゲームの分野でも海外に押されてきている中で,このメタバース領域で日本が勝たないとまずいなという話を加藤とよくするんです。我々がメタバースの日本代表であるという気概を持って取り組んでいます。

4Gamer:
 メタバースで最重要なものは「UGC」であるというのは理解しました。しかし一方でコンテンツを作るというのは,やはりハードルが高いことじゃないですか。知識も技術も必要ですし,100人のユーザーがいれば数人がコンテンツを作ればいいほうかなと。

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加藤氏:
 素晴らしい指摘です。まさしくその通りで,メタバースが世の中に広がっていく中で何がネックになるのか,と聞かれると「コンテンツを作るハードルです」って即答しています。

 「VRのヘッドセットが普及しないと」とか,「コンピュータの処理速度が必要」とかもよく言われるんですけど,そのあたりは時間が経てば解決していくことだと思っていて,どちらかというとクリエイティビティのハードルの高さの方が問題なんです。
 なので,クラスターはコンテンツを作るハードルを下げるっていうことに全力を注いでいます。

4Gamer:
 具体的にどのような形でハードルを下げているのでしょうか。

加藤氏:
 コンテンツを作る方法をいくつか用意しています。
 クラスターはベースにUnityを使ってるんですけど,例えばワールドを作るのに,PC用ツールのクリエイターキットという,ちょっとPCのリテラシーが高い人向けの方法を用意しています。

 それとは別に,誰でもスマホで簡単にアイテムを置いていくだけでワールドを作れるような,ワールドクラフトというものを用意しています。
 アバターも0から作るのは難しいので,アバターメイカーというものを用意して,アクセサリーなどを組み合わせるだけで,アバターを作れます。
 そうした簡単に作れるサポートしていこうというのが,クラスターが頑張っているところですね。

4Gamer:
 知識や技術がなくても作れるようにしていると。

加藤氏:
 そうですね。例えば椅子というオブジェクトがあったとして,その椅子自体は誰か3DCGツールを使えるクリエイターが作るんですけど,その椅子をアレンジして置いていってワールドを作るクリエイターもいるというような,クリエイターの二重構造ができてきています。

 僕は一次生産者,二次生産者って呼んでいるんですけど,メタバースのクリエイター構造はそういう風になっていくんじゃないかと思っているんです。

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4Gamer:
 素材を作る人がいて,さらにそれでゲームを作る人がいるという形ですね。

加藤氏:
 さらに最近だと生成系AIが出てきているので,それを活用することも考えています。クラスターには産学連携によって設立された「メタバース研究所」があり,5人いるメンバーのうち4人はAI系の研究により,コンテンツを作るハードルをグンと下げようとしています。

 AI自体はクリエイターの活動を奪うものではなく,クリエイティビティをサポートするものだと思っているので,すごく時代の流れが良いなと感じています。

青海氏:
 作るハードルを下げるで言えば,コンシューマゲーム的な感覚を目指しているんです。例えば「どうぶつの森」では,家具を置いたり,洋服をデザインしたり,島の地形も造成します。

 思い返すとアレって何かを作るという感覚でやるのではなく,遊びの感覚でやってると思うんですよね。ユーザーからしたら,いつの間にか気がつかないうちに「つくる=遊び」になっていて。
 その遊び感覚で物を作るというのをクラスターにも取り込みたいと,それを今まさに開発している最中です。

4Gamer:
 なるほど。たしかに,どうぶつの森は「作る」ではなく「遊ぶ」に近い感覚かもしれない。

青海氏:
 以前,リブランディングをやっていますとお話したことがあるんですが,そうした作る体験のハードルをとにかく下げて,「遊び」感覚で作れるようにしたいよね,っていうのを今取り組んでいるところです。

加藤氏:
 どこまで直感的に作れるかというのは社内でよくディスカッションしていて,ゲームを作る自由度を上げれば上げるほど,何でも作れるようになるけど,作るのも難しくなっちゃうんです。

 クラスターがやっているアプローチは,フォーマットを用意して,ある程度のところまでポチポチとボタンを押すだけで作れちゃうようにすることなんです。

 例えば,剣戟のアクションゲームだったら,ある程度のところまでは簡単に作れて,気持ちいい体験を用意できる。そこからカスタマイズしていって,より表現が複雑なものを目指せるのが,理想なんじゃないかっていう話をしています。

 TikTokとかもそうですけど,フォーマットやテンプレートを真似することで,クリエイティブは始まると思っていて,それが提供できるようなプラットフォームになりたいなという気持ちで開発していますね。

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青海氏:
 公式でもテンプレを出していっていますが,ユーザーの間でテンプレ職人が生まれて,そこから広がっていく環境がすごく楽しいなと思っているんです。

 プログラムが得意な人,企画やグラフィック,サウンドが得意な人など,いろいろな人が得意なことを発揮して,それがどんどんと積み重なり化学反応が起きて面白いものができるといいなと。これも先ほどの話にでた「インターネット的」だからこそできることですね。

加藤氏:
 僕はメタバース系のサービスも大好きだし,オンラインゲームも大好きだし,クラフト系ゲームも大好きなんですけど,そういうのを触りながら,やっぱり難しいなと感じたことが2つあるんです。
 1つはやっぱり作るコストなんですよね。そしてもう1つ,作るコストが高いがゆえに,メタバースの価値がソーシャルの方に寄ってしまっていると感じたんですね。

 例えばMMORPGをやり続ける一番の理由は「コンテンツ」よりも「そこに友達がいるから」だと。clusterも現状そうなんですよ。

 もちろんコミュニティを否定するつもりはないですが,それだけだと最初に言ったような,世界が変わっていくようなメタバースを実現するには爆発力が足りないなと。ただのSNSになってしまうんです。

4Gamer:
 だからこそコンテンツクリエイターを生み出すような仕組みが必要というわけですね。

加藤氏:
 そうです。青海さんにプロダクトマネージャーとして,プロジェクトの推進役をやってもらっています。一番やりたいのは,コンテンツを中心としたクリエイターが主役になれるようなもの。
 その切り口としてゲームであり,ゲーム的な雰囲気を持ったものに生まれ変わることができないかと,そういう考えのもとで,clusterをよりアップデートできるようなプロジェクトを走らせています。

青海氏:
 私が取り組んでいるプロジェクトでは,体験以外にも世界観や背景設定なども作っていて,だいぶゲームっぽいなという印象を持ってもらえると思います。

4Gamer:
 メディアという立場からメタバースが難しいなと思うことが1つあって,それはメタバースをどう紹介するかなんですよね。例えばRPGだったら,こういうシステムがあって,こういうストーリーがあって,面白いみたいなことを言えるわけなんですけど,メタバースにはそれがないじゃないですか。

加藤氏:
 分かります。これはもう,ほぼすべてのメタバース系サービスが感じている難しさだと思います。現状だと面白さは「人がいるから」になると思うんですよね。そこに面白いコンテンツがあるからではないと。
 clusterは今そこ(面白いコンテンツがあるから)に変わっていってる最中なんです。

 実際のところ,すでにclusterには面白いコンテンツがいっぱいあるんですよ。もちろん,プロが作っているゲームと比べたら,チープなものなんですが,それでも面白い。さっき言ったように,雑でカオスなんですけど,めちゃくちゃ面白いっていうものがあるんです。我々が想像できないような面白いものが生まれてくるんです。

 そういうのをもっと押し出したいという気持ちがあって,「clusterゲーム革命前夜」というコンテストを開催したり,もうすぐオープン予定ですが,ゲームをテーマにした新ロビーを制作中,というのがありますね。

4Gamer:
 「clusterゲーム革命前夜」の話が出たので,それについて詳しく教えてください。

加藤氏:
 「clusterゲーム革命前夜」というのは,clusterで作られたゲームのコンテストです。
 先ほども言いましたが,何かを作るというときにゲームというフォーマットは優秀です。
 我々としてはゲームじゃないものもたくさん作ってほしいですけど,ゲームという言い方をすることによって,ユーザーが楽しめるようなもの,かつクリエイティビティが発展するようなものになるんじゃないか,という発想です。

 もう1つは,先ほど指摘していただいた,伝える難しさがあるよねってところですね。面白さをどう外に発信していくかというところで,ストリーマーの布団ちゃんを起用して,外に向けて配信しました。
 それで興味を持ってくれる人が出てくるのがすごく大事だなと。

4Gamer:
 コンテストへの応募はどのくらいあったのでしょうか。

加藤氏:
 今回のコンテストはまだ実験的なイベントで,ゲームとしてちゃんと遊べるものを投稿しないといけないという,少しハードルが高いものだったんですが,270くらいのワールドの応募がありましたね。

 スポンサー賞やクラスターの賞の授賞式をやったんですけど,それもリアルの会場ではなく,すべてバーチャル空間上でやったんです。
 リアルの会場を貸し切らなくていいっていうメリットに加えて,授賞式が終わった後に,そこから受賞したゲームに遊びに行けるという,今までになかった形にできたと思います。

4Gamer:
 クラスター内でやっているので,直接そのゲームを遊ぶこともできるんですね。たしかにそれは面白いかもしれない。
 もう一つのゲームに特化したロビーというのはなんでしょうか。

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青海氏:
 これは今,開発中のものなんですが,「Cluster GAME PARK」という新しいエリアです。

 今まで,ゲームを作ることの話をしていましたが,これはそのゲームに触れる機会のハードルを下げようという試みで,ゲームを探しやすくしたり,ワールドに居合わせた人と遊びに行ったりと,そういうことができる場所を作りたいと思っていて。

 我々の方でレコメンドしてチョイスしたゲームを並べて,ゲームパークに来ると面白いゲームに出会えるという体験を作りたかったんです。今回は,我々のレコメンドに加えて,ユーザーのみなさんからお勧めいただいた作品を展示する機会も検討しています。

 これは現在のロビーと接続する形で設置されます。今までのロビーはコミュニケーションやソーシャル性が強かったんですが,ゲームパークはゲームならではの「遊び」を意識した空間で,様々なゲームに出会いやすくするっていうところに特化しています。

※画像は開発中のものです
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4Gamer:
 コンセプトはゲームをプレイしよう,ということですか。

青海氏:
 そうですね。みんながまだ見ぬゲームに出会える場所っていうところです。ユーザーみんなが作ったゲームがあれもこれもあるよ! と。

加藤氏:
 僕らは場を提供しているものとして,主人公はどこまで行ってもクリエイターさんだと思っているで,そのクリエイターさんのクリエイティビティに触れることができるポータルを作りたいなと。そこが今回一番意識したところです。

 cluster自体にロビーはありますけど,そのコンセプトは「バーチャル空間に最初に降り立った時の広がりを感じられる」だったんですよね。それと並立した形で存在するクリエイティビティに触れられる場所となっています。

※画像は開発中のものです
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青海氏:
 パッケージがずらっと並んだゲームショップみたいに,みんなのゲームが集まっているので,今日はどんなゲームが生まれているのだろう? とふらっと足を運んでもらいたいです。

 まずはゲームパークを公開して,ユーザーの反応だったリ,いろんな数字を取ったりして,今後の開発に生かしていきたいなという思いもあります。

4Gamer:
 クリエイティビティに直接触れられる場所ですか。たしかに面白そうですね。個人的には大人気のコンテンツが並ぶ一方で,ほんとに誰の目にも止まってなかったような,まだ誰も知らない面白いゲームが並んでるといいですね。

加藤氏:
 それはやりたいと思っています(笑)。
 人気のゲームはメニュー上のランキングに並ぶので,どちらかというとゲームパークは新しいクリエイティビティを発掘できて,驚けるような,楽しめるような体験ができる場所にしたいですね。

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4Gamer:
 これまでお話を聞いて,とにもかくにもクリエイティビティがあって,その結果としてコミュニティが生まれてくるという形を目指している。そしてそれらが発展して拡張していった先に,「コンピュータの中で生活する」ことに辿り着くと感じました。

加藤氏:
 そういうことです。メタバースと言うとVR機器が必要だったりとか,NFTがどうのって言われることもあるんですけど,重要なのはそこではないとずっと思っていて,やはり,UGCのカルチャーなんですよ。

 VRデバイスは没入感のグラデーションの1つでしかなくて,たしかにVRヘッドセットを使えば,それはすごく面白い体験ができるんですけど,そうじゃなくてもメタバースは体験できます。

 NFTに関しても,僕はブロックチェーン技術を否定しないですけど,投機筋の人が集まってきちゃって,まだちょっと早かったなと思っています。

 そうした技術も,もっと発展してきたら使われるようになるんでしょうけど,VRがあるから,NFTがあるからメタバースというわけじゃなくて,そことは関係ないところで,クリエイティビティの源泉が渦巻いているので,それを知ってもらいたいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。

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