セガとColorful Paletteは2024年4月13日,
「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」 (
iOS /
Android 以下,プロセカ)初の世界大会となる
「プロジェクトセカイ World Championship 2024 Spring powered by ヴァイスシュヴァルツ」 を開催した。
本大会はタレント部門と総合部門の2部門で開催され,タレント部門では社築チームとsasakure.UKチームが競い,sasakure.UKチームが勝利。そして,総合部門では世界中から総勢25名の猛者が集い,しのぎを削った結果,韓国の「STK選手」が優勝した。
今回大会後に,集まった選手たちとそのプレイを一番間近で見守り,大会の進行を支えていた,MCの
百花繚乱 さん,アシスタントMCの
廣瀬大介 さん,実況の
柴田将平 さん,解説の
社築 さんに話を聞く機会を得た。大会の感想や印象に残った点などを聞いているので,最後まで目を通してほしい。
左から,百花繚乱 さん,廣瀬大介 さん,柴田将平 さん,社築 さん
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2023/04/18 11:00
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プロセカへ真摯に向かい合うプレイヤーたち その思いを届けたい
4Gamer:
まずは大会を終えての感想からお願いします。
百花繚乱さん:
シンプルに熱かったです! 青春を駆け抜けているような,その一瞬を一緒に楽しんでるような,そんな時間でした。大会中は応援することしかできませんが,とにかく刺激的でしたね。
廣瀬大介さん(以下,廣瀬さん):
今までは配信を見ている側だったので,柴田さんの熱い実況や社さんの解説が生で聞けると思っていなくてテンションが上がりました。出場されていた選手たちも,カメラに映っていないところですごく仲良しなんですよ。それが可愛らしくて個人的に和みましたし,試合ではすごく刺激をもらいました。本当に充実した1日でした。
柴田将平さん(以下,柴田さん):
1年ぶりの大きな大会でしたが,特に印象を受けたのが,参加している選手たちのレベルがかなり上がっていることでした。
あとは,選手たちから,プロセカ愛,ボカロ愛,初音ミクへの愛というものを感じたことですね。初期の大会から活躍し続けているHPS選手が今回もファイナルに残っている姿や海外選手の大会を楽しんでいる姿を見ると,本当に「プロセカ」が大好きなんだなというものも感じました。
社築さん(以下,社さん):
まず,タレント部門で出場していた側からの感想なんですが,過去のインタビューで,「タレント部門やバラエティ部門みたいなものをやりたい」と言ったことがあるんです。それが実現して,またやらせてもらえたのがとても嬉しかったです。
しかも今回はにじさんじから5人のバーチャルライバーを招いての大会だったので,すごく楽しかったですし,いい経験を与えてもらったと思います。
大会ってどれだけカジュアルなものでも,選手として出る人は滅茶苦茶緊張するんですよね。2年前に出た大会では,私自身緊張しすぎてボロボロの状態で,ドーラに声を掛けてもらって,何とか気を保っていたというくらい情けない状態でした。今回は大将としていいところを見せられたと思うので,リベンジできたなと思っています。
解説の立場としては,課題楽曲のレベルというのが年々上がってきていることが印象的でした。今回はMASTERの32が一番低い楽曲レベルという内容になっていて,最初は「大丈夫なのかな」と思っていたんです。ただ蓋を開けてみると,プレイヤーの実力がそれ以上に上がってきていて,大会全体のレベルが引き上げられてきていることを感じました。
これまでの大会なら楽曲のレベルが上ってしまうと,大差がつくようなこともありましたが,今回の大会はそういう光景がまったくなく,選手たちがどれだけ「プロセカ」というゲームを愛して日々取り組んできたのか伝わってきました。その姿を見ていると,私自身もこみ上げてくるものがありましたね。
4Gamer:
大会の試合の中で,特に印象的だった試合や曲などがあればぜひお聞きしたいのですが。
廣瀬さん:
僕は準々決勝のEブロックで,かんぱり選手とリリィ選手が同スコアで迎えた延長戦ですね。最後の最後まで2人がずっとオールパーフェクトを続けていたのがめちゃめちゃ熱かったです。
最後の方でリリィ選手にグレートが出てしまって,僕も「うわぁ!」って思わず声が出ちゃいましたし,視聴者の皆さんも同じ気持ちだったと思います。この一体感って生じゃないと味わえないんですよね。
柴田さん:
そうなんですよ。やっぱり有観客でやりたいですよね。
百花繚乱さん:
やりたい!
社さん:
有観客で歓声が上がると会場が揺れるんですよね。あれは本当に興奮するんで,ぜひもう1回やりたいです。
4Gamer:
タレント部門の1戦目もまったく同点の試合で思わず声が出る展開でしたし,それからも声が出てしまうような展開が多かった印象です。
百花繚乱さん:
タレント部門では,FB777選手が初めてこういう大会に出場するということもあって,長くやっている人にも新しい刺激があるというのは良かったですね。
柴田さん:
仕上げてましたね。社さんには戦いの前に社築チームが圧倒するんじゃないかと伝えていたんですけど,sasakure.UKチームの安定感がすごくてびっくりしました。
社さん:
そうなんですよ。みんなリズム感抜群だし,「音屋」ってすごいなって改めて思いました。じんさんとか信じられないくらいノーツのスピードが遅いのに精度は良かったですし。
廣瀬さん:
みなさん本当にすごかったです。でも社さんのチームもすごかったですよ。実はおとといの配信も見に行きました。
社さん:
本当ですか!? お恥ずかしいです……。
廣瀬さん:
いえいえ,そういう「プロセカ」愛がある方が集まってやってくださるのは,演者としてもすごく幸せを感じられるんです。
4Gamer:
今回は初の世界大会でしたが,それによる変化は何か感じましたか。
百花繚乱さん:
あまりに馴染みすぎていて,海外のプレイヤーっていう意識はなかったんですよね。
柴田さん:
確かに今回が初の世界大会ではあったんですが,前回から海外のプレイヤーも出ていたので,そこに意識が行くようなことはありませんでしたね。
百花繚乱さん:
ライバルではあったと思いますけど,みんなで友だちになれたっていうのが強く感じられました。壁がなかったというか。
社さん:
言語は違うんだけど,みんなで笑い合ったりポーズを取ったりして,言語を介さないコミュニケーションがとても楽しそうでした。ゲームもある意味言語を介さないコミュニケーションとも言えるので。
柴田さん:
基本的にゲームって人と人がつながるコンテンツなので,eスポーツや大会も人と人とがつながることが大事なんです。
これって,先ほどの有観客でやりたいという話に関連するんですが,大会やイベントを通じて,お客さんとして来た人同士が仲良くなったり,地方でネットでしかつながっていなかった人たちがより仲良くなったりするんですよ。
決勝大会を戦ったみなさんも仲良くなっていますが,そうしたつながりが増えることに価値があるんじゃないかなと感じましたね。
4Gamer:
プロセカとして大規模な大会の回数も重ねてきていますが,毎回レギュレーションや開催部門の増減など変化があります。今大会のことも踏まえて,次回以降の開催でなにか希望することなどがあればぜひお聞かせください。
百花繚乱さん:
これは,廣瀬さんとも盛り上がっていたんですが,選手の裏側を撮るカメラがほしいと思いました。
廣瀬さん:
それです。バックグラウンドに固定カメラを付けてほしいです。
百花繚乱さん:
控室でみなさんすごく盛り上がってるんですよね。「うおー!」「いけー!」「頑張れー!」って声を出して。
廣瀬さん:
そうなんです。こちらの士気も高まる感じがあってすごく良いんですよ。
社さん:
この選手のことを応援したいなっていう,スターみたいな人が生まれてくると,そこからどんどん応援する気持ちが高まってくるので,視聴者も増えるんじゃないかと思いますね。
百花繚乱さん:
スターは大事ですよね。そういう意味では本当に選手たちはみんな輝いていました。
柴田さん:
前回の女性部門では,お母さんで生後間もないお子さんがいる中で,お子さんが寝静まった後プロセカを練習して出場していた方もいらっしゃって,そういうドラマは実況としてしっかり伝えなきゃいけないって思ったところですし,今回ももうちょっと深く聞いておけばよかったなと思いましたね。
今回も保護者の方がどんな思いでお子さんを舞台に送り出しているのか,そういう部分にフォーカスすると,選手に深みが出ますし,大会にも深みが出ると思うんです。
4Gamer:
実は試合を観戦している時,たまたま保護者の方と一緒に観戦していたのですが,お子さんのプレイを祈りながら見ている姿を見て,保護者の方も特別な思いでこの場にいらっしゃるのだなと感じていました。
柴田さん:
部活動みたいな感覚なんですよね。もともと僕はテレビ局の時代に高校サッカーを取材していましたが,応援してくれる人の気持ちは特に伝えなきゃいけないなと思っていました。
それをこういったゲームの大会に取り入れているのは,僕くらいだと思っているので,お話を聞いて実況・解説の中で伝えられればいいなといつも思っていますね。
4Gamer:
では最後になりますが,選手たちの活躍を見て次回の大会までに達成したい目標があれば聞かせてください。実は百花繚乱さん,柴田さん,社さんの3名は,昨年のチャンピオンシップで同じ質問をさせてもらっているので,そちらが達成できたのかも合わせてお願いします。
百花繚乱さん:
昨年の目標で僕は「娘に勝つ!」と言ってましたが,子どもの成長が早くて全然追いつけなかったです(笑)。僕もうまくなったつもりなんですが,「お父さんまだその難度なの?」とマウントを取られ,1年が経過しました。
4Gamer:
では今年も「娘に勝つ!」のが目標でしょうか。
百花繚乱さん:
超えていきたいですね。超えていきたいんですけど,逆にこの景色を見てほしいなという気持ちにもなりました。プロセカはみんなとつながって楽しいよということを感じてもらいたいですね。これが僕の目標かもしれません。
4Gamer:
柴田さんは昨年「eスポーツキャスターとしてのレベルアップ」と「大人になる」という2つの目標を掲げていらっしゃいました。
柴田さん:
ある程度大人になったんじゃないかなとは思っています。次の目標を掲げるとすれば「もっと取材しよう」ということです。例えば,今日も決勝前のインターバルで選手たちに話を聞かなきゃいけなかったなという反省があります。それを伝えることで,「選手の皆頑張れ!」と見てる人も思うし,プロセカだけじゃなくプレイヤーを好きになるきっかけになると思うんです。
4Gamer:
ありがとうございます。社さんは昨年「32レベルの楽曲をすべてこなせるようになりたい」「選手を引き立たせる解説をしたい」と,選手としての腕前と解説のスキルアップを掲げていました。
社さん:
現状の32レベルはすべてフルコンボできるようにはなったんですが,33レベルの「ゴーストルール」のフルコンボが達成できてないんですよね。「ゴーストルール」は,昔32レベルの楽曲だったので,勝ち逃げされたようで悔しくて,まだまだだなと思っています。
解説については,多分一生満足することはないですね。「これ言っておけば良かったな」とか,「こうしておけば良かったな」といろいろ思うところはあります。ただ,良い解説ができて満足していたら多分一生成長することはないと思うので,満足しないのもいいことなのかと。
今回大きなトラブルなどはありませんでしたが,柴田さんにはつなぎのトークでいつも助けてもらっているので,その辺も磨きたいなといつも思っています。
百花繚乱さん:
これ以上うまくなるんですか。
社さん:
解説が専門の仕事というわけじゃないですが,それでもこのチャンピオンシップの解説の仕事は本当に楽しいので,それに応えられるような実力をつけたいですね。
4Gamer:
これからも成長し続ける柴田,社コンビに期待しています。では最後に廣瀬さんの目標をお願いします。
廣瀬さん:
僕はまたこうしてプロセカの大会に参加したいですね。毎回アシスタントMCは変わっていますが,またこの4人で参加できるように,呼んでいただけるように頑張っていこうと思います。
4Gamer:
本日はありがとうございました。