制作者と作家陣が歌い,ボーカリストが演奏する前代未聞のイベント「バンドやろうぜ! Dream Match Cover GIG 2024 Ragna-Rock」レポート
2024年8月23日,東京・渋谷のSpotify O-EAST(オーイースト)にて,アニプレックスのスマホアプリ「バンドやろうぜ!」(iOS / Android。※2019年にサービス終了)のイベント「バンドやろうぜ! Dream Match Cover GIG 2024 Ragna-Rock」が開催された。本稿ではイベントの模様に加え,終演後に行った全出演キャストへのインタビューをお届けする。
「神々(制作者)の黄昏-ラグナロック-」の本当の意味とは……!?
この記事を書き始めるにあたり,本イベントがどのような流れで行われたかをまず説明しよう。
「バンドやろうぜ!」(以下,「バンやろ」)は2019年のサービス終了後から現在まで,1〜2年に一度の絶妙なタイミングでライブやイベントなどを行ってきた。そのたびに「普段はいったいどこに……?」と思うほど多数のファンが集結し,大きな盛り上がりを見せている。2024年1月には,ブシロードのボーイズバンドプロジェクト「アルゴナビス」との対バンライブを行ったことも記憶に新しい。
そこから間もない2月のある日,「『バンやろ』が夏にスペシャルイベントを行う」との知らせが届く。それは「楽曲を創り出した神々の黄昏(ラグナロック)」と題され,発表された出演者は楽曲制作に関わる面々だった。そのため,この時点ではトークイベントだと思った人が多かった。
しかし,追加発表で何人ものミュージシャンが名を連ね「トークイベントではなく演奏も聴けるのかも?」と感じるファンが増えていった。イベントの直前にはスタジオでリハーサルが行われたとの告知もあり,今度は「どの曲をやってくれるのだろう」と,イベントへの期待がますます高まっていったのである。
当日会場に着いてみると,1階は完全にオールスタンディングとなっており,またしても「普段はいったいどこに……」と思うほど多数のファンでびっしりと埋め尽くされていた。なお,この時点では筆者もイベントの詳細を聞いていなかったため「今日はすごく盛り上がりそうだな」などと呑気に考えていたのだった。
そして,ついにラグナロックの幕が開く。オープニングは「バンやろ」ファンにはすっかりお馴染みのインストナンバー「Sure Shot」の生演奏から始まった。
ギターは「ドリームマッチ デュエル・ギグ2018 春∞宴[炎] SHUN-EN」でリアルバンド「Fairy April」のギター/七瀬一真として演奏を行ったイイダケイスケ氏,ベースは同じくリアルバンドのベース/徳田吉宗として演奏&数々の楽曲の制作にも関わった古川貴浩氏,キーボードは「Cure2tron」楽曲の作編曲などに携わった千葉“naotyu-”直樹氏,同じくキーボードを担当するロックバンド「PENGUIN RESEARCH」の柴﨑洋輔氏,そしてドラムはリアルバンド「OSIRIS」のドラム/小金井 進役を務めるバタヤン氏だ。
ところが,演奏しているのは彼らだけではなかった。「バンやろ」音楽制作ディレクターの安谷屋光生氏がギターを,プロデューサーの足立和紀氏がベースを弾いていたのだ。実は出演者情報にある,アダニー(安谷屋光生氏)とダチピー(足立和紀氏)は彼らのことなのである。
何というファーストインパクト,制作陣まで演奏するなどまったく予想していなかったのだが!? 各楽曲の演奏を担当したメンバーは記事末のセットリストに記載している。
“ダチピー”こと「バンやろ」プロデューサー 足立和紀氏 |
“アダニー”こと「バンやろ」音楽制作ディレクター 安谷屋光生氏 |
フロア中が驚きと喜びの大歓声に包まれるなか,「スリルを頂戴」(Fairy April)がスタートした。楽曲を制作した草野華余子氏が自らメインボーカルを務め,パンチのある歌声で観客を圧倒する。合わせて「Cure2tron」メンバーとしてCVとリアルバンドでもユキホ役を担当する声優の湯浅かえでさんも登場して華を添えた。制作陣が演奏するのも驚きだが,作曲者の歌まで聴けるとは何というサプライズだろう。
とてつもなくパワフルな演奏に熱狂したあとは,湯浅さんがメインボーカルの「メガメガトロン」(Cure2tron)へ。今度は一転,会場中がハッピー&キュートな空気に包まれる。
草野華余子氏 |
湯浅かえでさん |
古川貴浩氏 |
イイダケイスケ氏 |
千葉“naotyu-”直樹氏 |
バタヤン氏 |
会場全員で声を揃え「バンドやろうぜ! ラグナロック!」とコールしたMCを挟み,再び草野氏のボーカルで「雨音Valentine」(Fairy April),湯浅さん歌唱の「ショコラモード」(Cure2tron)が披露された。
メディアミックスのライブながら光り物のないフロアも“バンドのライブらしさ”に効果をもたらし,もはや観客も覚悟を決めたのか「今日は体力の限りを尽くす!」といった様相を見せる。これまでにないメンバー構成のため“「Fairy April」と「Cure2tron」のメンバーが一緒に演奏している!”という見方ができる喜びもあり,「バンやろ」の“IF”としてはこの上なくアツいステージだと感じた。
次の展開では,引き続きバタヤン氏がドラムを担当,演奏者としてアダニー氏,ダチピー氏,柴﨑氏が登場した。さらに堀江晶太氏と大塚剛毅氏がステージに呼ばれ,何と大塚氏のメインボーカルで「Voice」(OSIRIS)が始まった。さすがに大塚氏はトークゲストだろうと思っていたのに,普段はアーティスト活動をしていないクリエイターまで歌うとは……! 観客は爆発するような勢いでわき,あちこちでフロアが咲いている。
ここまでくると,次に堀江晶太氏のボーカルで「Bystander」(BLAST)が始まったとき,「そりゃこっちも作曲者が歌いますよね!」という気持ちと,「OSIRIS」同様「まさか今日聴けるとは……」という想いが同時にわき上がり,ジェットコースターのごとく情緒が揺さぶられる。堀江氏は自身のバンド(PENGUIN RESEARCH)ではベースを担当しているが,「バンやろ」の現場ではギターを弾くのも見どころの1つだ。
堀江晶太氏 |
大塚剛毅氏 |
2回目のMCでは,堀江氏が書いた(!)という台本で,緊張する大塚氏と飄々とした堀江氏による絶妙なかけあいに会場が笑いに包まれる。再び演奏になると,緊張した面持ちから一転,大塚氏の熱唱で聴かせる「Re:Incarnation」(OSIRIS)でヘドバンの大波が起きた。
「OSIRIS」の楽曲はほぼすべて大塚氏が制作しており,デモも大塚氏が歌唱していると聞く。もう1人の高良 京とも言われる大塚氏の高い熱量が伝わり,観客も熱いコールでそれに応えた。そして,堀江氏が「まさか自分が歌うとは思わなかったが,うれしく不思議な気持ち」と話す「songwriter」(BLAST)へ。どこかスモーキーな堀江氏の歌声が楽曲に一匙のビターな味わいを加え,得も言われぬ情緒が溢れていた。
次に,アダニー氏たっての希望という“ギターバトル”の時間へ。ギターはイイダ氏と堀江氏,アダニー氏に加え,リアルバンド「OSIRIS」のギターでレイ・セファート役の瑠氏,さらに「BLAST」で東雲大和のCVとリアルバンドのボーカルを務める声優の生田鷹司さんがスペシャルサポーターとして登場,熱い演奏を聴かせる。ベースはリアルバンド「OSIRIS」のベース/来栖真琴役のカゴメ氏が担当し,懐かしのオープニング曲にのせて激しいギター合戦が繰り広げられた。
瑠氏 |
カゴメ氏 |
ここからは後半戦へ。ステージにはスペシャルサポーターとして生田さんとともに名を連ねていた「OSIRIS」で高良 京のCVとリアルバンドのボーカルを務める声優の小林正典さんが登場した。「ついに『OSIRIS』の本家ボーカルが!」と思いきや,小林さんがギターを手にし,瑠氏がステージの中央に進んでいく。もう何度目か分からないざわめきと歓声が上がるなか,瑠氏のメインボーカルによる「Cross Wish」(OSIRIS)が披露された。
「いやいやそんなことある!?」という衝撃に加え,これまでの「OSIRIS」のライブではコーラスのみに徹していた瑠氏の見事な歌声に,会場中がまたしても驚きに包まれた。サプライズオブサプライズ,ここまでくると(良い意味で)体力もゴリゴリに削られてしまう……!
次の「Fairy April」と「Cure2tron」のターンでは,「Swing Night」(Cure2tron),「WHIZ」(Fairy April),「廻々ストーリー」(Cure2tron),「secret lovesick」(Fairy April)の4曲を投下,女性ボーカルならではの華やかな躍動感でフロアをわかせる。草野氏と湯浅さんの仲良しなMCも大変微笑ましかったのだが,草野氏が明かした「実は『Fairy April』のために描いた楽曲があと2つある」という爆弾発言にも,会場は大いに盛り上がった。
本編ラストは「BLAST」と「OSIRIS」の時間だ。何と昨年のライブ(「ドリームマッチ デュエル・ギグ2023 RAVEN/ADVENT」)で突如発表された新曲「YATSUATARI」(BLAST),そして「Beyond the Limit」(OSIRIS)が披露された。どちらも本家の演奏とはかなり異なる印象だが,作り手が歌うからこそ込められる想いが形になり,この上ない感動が生まれていた。
そして締めくくりは「BLASTY」(BLAST)。1つの区切りの寂しさをアッパーなサウンドで聴かせる本曲は,「きっとまた会える」という希望に溢れている。会場はこれ以上ないほど盛り上がり,熱すぎる空気に包まれたまま,キャストたちはステージをあとにした。
観客の拍手に応え,アンコールの時間へ。「バンやろ」のアンコールはその本気度が見どころなのだが,ここで投下されたのが草野氏と小林さんによるツインボーカルの「Frontier」(OSIRIS&Fairy April)だった。これもまた,きっと誰も予想していなかったとびきりのサプライズだ。
最高の時間はまだ続き,次に演奏されたのは「One Night Carnival」。全出演者15名がステージに集結,演奏していないキャストはダンスで楽曲を盛り上げ,観客から大喝采を浴びた。
ラストのラスト,このイカれた一夜(※褒め言葉である)を締めくくったのは,本家・生田さんの歌唱による「BUREIKO TIME」(BLAST)だった。「バンやろ」きってのお祭りナンバーで,キャストも観客も全員でタオルをぶん回す。大熱狂のステージとフロアを観ながら,いつかまたこの光景が観られるといいなと思った。
だがしかし「バンやろ」のことだ。次もまたきっと,我々を大いに驚かせるプレゼントを用意してくれるに違いない。アプリのサービス終了から5年,まだまだ「『バンドやろうぜ!』は死なへんで! 」である。きっとまだまだ,忘れられない思い出を一緒に作ってくれるはずだ。
全出演者に突撃インタビュー!
ここからは,ステージを終えた出演者たちへの突撃インタビューの模様をお送りする。タイミングの良いキャストから順に話を聞いていったため,人によって発言の長さが異なるのをご了承いただきたい。まるでスポーツの試合後インタビューのような,ホヤホヤの雰囲気を楽しんでもらえれば幸いだ。
4Gamer:
ではさっそく「OSIRIS」メンバーから話を聞いていきたいと思います! 本日はお疲れさまでした。スペシャルサポーターとはいえ,まさか小林さんが本編で歌わないとは思いませんでした。
小林正典さん(以下,小林さん):
楽しかったです(笑)。初のギター演奏は緊張しましたが,きっと皆さんが驚いてくれるだろうなって。瑠ちゃんが歌ったのもそうですが,このイベントならではの面白いところがたくさんありましたよね。そんなイベントに参加できてすごく光栄でした。
4Gamer:
ステキなステージでした。思い残すことやお話し足りないことはありませんか……?
小林さん:
(生田)鷹司くんも言ってましたが,もう1回ギター演奏に挑戦したいです! 次やったらもう少しできるようになると思うので,これを機にもっと頑張ってみたいですね。何年後になるかは分かりませんが(笑)。
4Gamer:
ありがとうございました! 続いては瑠さん,歌手デビュー(?)おめでとうございます!
瑠氏:
いやいや,デビューではないです(笑)。語彙力のない言い方になりますが,歌ってみて一番思ったのは「こんなに大変なのか,ボーカリストってすごいな」ということです。でもやってみたら,やっぱりギターとは違うステージの感覚がありましたね。こういう大きいところで歌うというのも,メンタル的に全然違いました。
4Gamer:
全観客が感じていたと思いますが,本当に歌声が魅力的で驚きました。以前,瑠さんが「OSIRIS」に加入した当時は「立って演奏したことがほとんどなかった」とおっしゃっていましたが,ついにここまで……と勝手に感慨深くなりました。
瑠氏:
そうでしたよね。でもそう言っていただけてうれしいです。あのころだったら絶対にできないし,今までがあるから今日のステージに立てたんだと思います!
4Gamer:
素晴らしかったです! 次にカゴメさん,今日はいかがでしたか。
カゴメ氏:
あー……楽しかったです(笑)。
4Gamer:
何かお伝えしたいメッセージがあればぜひ!
カゴメ氏:
「バンやろ」最高!
4Gamer:
ありがとうございました! 続きましては大塚さんお願いします。今日はてっきりトークで出演されると思っていたので本当に驚きました。
大塚剛毅氏(以下,大塚氏):
僕もびっくりしてます,いまだに(笑)。ものすごく大昔に人前で歌ったことはあるんですが,ここ最近はまったくなかったんです。人前に出ることすらないので,プレッシャーで眠れない日々を送っていました……。そんななか,前日に台本がきたんですよね。
4Gamer:
堀江さん作の台本ですね!
大塚氏:
そうなんです。今回,堀江さんには本当に助けられて……それが一番ありがたかったかもしれません(笑)。
4Gamer:
以前インタビューか何かで「OSIRIS」のデモは大塚さんご自身が歌っているとお聞きしていたので,ついに聴くことができて感無量でした。また機会があったら挑戦されますか?
大塚氏:
いやっ!? 今はもう考えられないです(笑)。でも本当に楽しかったなあ……!
4Gamer:
本当にお疲れさまでした。バタヤンさんは席を外しているので,次はアダニーこと安谷屋さんお願いします! 今日,イベントを終えてみた感想をお聞かせください。
アダニー氏:
はい! 楽しかったとか大変だったということよりも,とにかくうれしい気持ちでいっぱいです。僕はスタッフ側ですが,ここまで戦ってきた人たちとステージで同じ空気を吸って,同じ目線で演奏をできてうれしかったのが一番ですね。
4Gamer:
過去,ここまでガッツリ演奏で出演されたことってありませんでしたよね?
アダニー氏:
そうですね,以前はトークイベントで数曲くらいだったので。今日は10曲以上やりましたが,ここまでは初めてです。また機会があれば(笑)。
4Gamer:
ぜひぜひ! 続いては湯浅さんにお話をうかがいたいと思います。今日はとてもステキなステージでした! 感想をお願いします。
湯浅かえでさん(以下,湯浅さん):
あっ,じゃあnaotyu-(千葉“naotyu-”直樹)さんと一緒に「Cure2tron」チームで(笑)。「バンやろ」のイベント自体が久々だったので,みんなで集まれてひたすら楽しかったです。始まる前まではすごく緊張してたんですが,始まっちゃったら「あー楽しいー!」みたいな感じでしたね。
4Gamer:
印象的だったことはありますか?
湯浅さん:
今まではベースを弾くということで聴き込んだりしていたのが,今回はボーカル目線になっていたんです。MCでも言いましたが歌うのはオーディションぶりだったので,「「Cure2tron」の曲,難しいじゃないですか!」ってnaotyu-さんに言いました(笑)。あとは,あらためて「Swing Night」が好きだなって。歌ってみて五臓六腑に染み渡りましたね。
千葉“naotyu-”直樹氏:
こんなにたくさんステージに出続けたイベントは初めてでした。もちろん緊張もしたし怖かったけど,とても楽しく弾くことができて良かったです。あと,同じ作家仲間として大塚さんのことをものすごく尊敬します!(笑)
4Gamer:
ありがとうございました! 続いては,草野華余子さんとイイダケイスケさん,古川貴浩さんが談笑中なのでお話をうかがってみましょう。イベントを終えての感想をお願いします!
イイダケイスケ氏(以下,イイダ氏):
僕と古川さんは今回同じくらいの曲数を弾いたんですが,本当に楽しかったです。
古川貴浩氏(以下,古川氏):
久しぶりに会ったんですけど,もう(イイダ氏が)「春∞宴[炎]」のころから全然変わらない同じテンションなんですよね。
イイダ氏:
今日の本番中は,古川さんからすごく熱い視線を感じたので無視しました(笑)。
古川氏:
みんな無視するんだよ! バタヤンしか俺のこと見てくれなかった(笑)。
イイダ氏:
おっさんからくる指ハートきついんですよ! そこでテンションが下がりましたが,それ以外は最高でした(笑)。
古川氏:
「バンやろ」はとんでもない才能の持ち主が集まって,その才能をステージの上で炸裂させるんですよね。今日は自分で演奏しながらも,俯瞰で見ているような感覚でした。すごく面白かったし,ぜひまたやりたいです。武道館で!
イイダ氏:
武道館! 武道館!
草野華余子氏(以下,草野氏):
そうですよ。今のうちに言っておけば本当に実現するかもしれないからとりあえず言っておこう! 「Frontier」の歌詞の「コンパスはずっと東を指し」は武道館を指してることですから。バックストーリーに感動したので,これは絶対にMCで言って残そうと思ってました。
古川氏:
あと,僕は華余子さんが今日のイベントに出てくれたのが本当にうれしかった。
草野氏:
「バンやろ」のオタクだから「Fairy April」の出たイベントは絶対に観に行ってたし,自分が出るなんておこがましいと思って,出るなんて考えたこともなかった……!
古川氏:
(草野氏が作曲した)3曲は,全部頭から流して事細かく止めながら皆さんに説明してったんだよね。
草野氏:
そうそう,もうこの話だけでこのインタビュー終わっちゃうくらい語れる!(笑)
4Gamer:
できるだけ載せます! あらためまして草野さん,初の「バンやろ」イベントご出演でしたが全ファンを代表してお伝えします,本当に格好良かったです。
草野氏:
ありがとうございます! (「Fairy April」の歌を担当する)蒼井翔太くんの歌が好きな方にとって,私は性別も違うし声も全然違うのでなるべく自然に入れるよう,たくさん映像を見て研究したんです。今日はモチベーションを爆上げしてから来ました(笑)。
翔太くんにも「スリルを頂戴」じゃなくて「ブレスを頂戴」と言われるくらい難しい曲を自分で歌うわけなので,走り込みもしてきました! しっかり歌いきり,作家としての大義名分は果たせたんじゃないかなと思います。
4Gamer:
いや本当にステキでした。またご出演されるのを期待しています!
草野氏:
足立さんが最初に「2〜3曲くらい」とか軽い感じで言わなければこっちもそのつもりで準備するので……!
イイダ氏:
僕も今日はタンバリンの予定だったんですよ! 蓋を開けたらギターだったし。
草野氏:
私はMCまでやらされて……。あんまり目立ちたくないんですよ,しゃべらないほうがかっこいいでしょボーカルって。
古川氏:
無理無理(笑)。いつも野球中継とか観ながら……。
4Gamer:
それは書いても大丈夫なんでしょうか!?
草野氏:
大丈夫です。阪神タイガースが勝ったので! 阪神も勝ったし,ライブも盛り上がって念願のビールも飲めて最高の一日でした! あっ,あとこれは絶対に記事に残しておいてほしいんですが,MCでも言ったとおり,私は「Fairy April」用にあと2曲ストックを持ってます!
4Gamer:
しっかり書いておきます! いつか聞けるのを楽しみにしています。では次に,堀江さんと柴﨑さんにお話をうかがいます。本日はお疲れさまでした!
柴﨑洋輔氏(以下,柴﨑氏):
ありがとうございました! 僕は担当している「BLAST」だけでなく,これまで対バンしていた「OSIRIS」の楽曲を8年越しで弾けたのが新鮮でした。まだまだいろいろできる可能性があるコンテンツだなと感じましたね。
堀江晶太氏(以下,堀江氏):
観に来てくれた人がこれだけ「何が起きるか分からない」と思うイベントもないですよね。普通にやるライブとは違う驚きや喜びがあって,かなり面白いイベントになったんじゃないかと思います。
4Gamer:
堀江さんは「歌いたかった歌をついに」という想いもあったとおっしゃっていましたね。
堀江氏:
もともと作家業を選んだのも「自分は歌えない人間だ」と思っていたからなんです。だからまさか歌う日がくるとは……と思いましたが,やってみたら素晴らしい体験になりました。本当に「バンやろ」って予期せぬことが起きるなと(笑)。
柴﨑氏:
何年も一緒にバンドをやってますが,今日の「Bystander」の間奏部分で,晶太さんがこれまで史上一番の笑顔になってました!(笑)
堀江氏:
気持ち良かったですね。やってみて初めて分かったんですけど,ボーカルってステージ上で脈打つ熱量を担う瞬間があって,楽器では得られない何かがあったと思います。本番中,音楽ってすごく面白いんだなと実感した瞬間でしたね。
柴﨑氏:
やばかったです,あの笑顔。
堀江氏:
今回はステージの真ん中で歌うことができましたが,この知見をまた日常の作家業に生かしていけたらと思います。今日はありがとうございました!
4Gamer:
ありがとうございました,次の機会も期待しています! では続いて生田さん,ぜひお話を聞かせてください。
生田鷹司さん(以下,生田さん):
いや僕,今日は何もしてないです……! ギタリストとしてステージに出たのは今日が初めてで,すごく緊張しました。直前までギターを弾くだけのつもりだったので,リハの段階で「歌うんだ!」って気づいたんです(笑)。
4Gamer:
観ている方もめちゃくちゃ驚きました……! ここで足立さんがいらっしゃったのでお話に加わっていただきましょう。今日は“ダチピー”として初のステージ,いかがでしたか。
ダチピー氏:
僕のようなスタッフ側の人間が1000人クラスの会場で演奏することなんて絶対ないので,こんなすごい体験をさせていただいて本当にありがたかったです。僕は学生時代,アマチュアバンドをやってたんですが,当時の自分を供養できた気がします(笑)。
あのころの自分がいたからこそ「バンやろ」が生まれたと思っているし,「やって良かったな」という思い出がまた1つ増えました。本当に皆さんのおかげです。
4Gamer:
ファンの方も同様でしょうが,少なくとも足立さんや大塚さんはトークでご出演され,生田さんが歌う側だろうと思っていました。オープニングでベースを演奏する足立さんを見て度肝を抜かれましたね……。
ダチピー氏:
たまおさんにもそうですが,今回何をするか周りにはほとんど何も話していなかったんですよ。知らないで来た方が絶対驚くし楽しいだろうなと。「バンやろ」にしかできないことをやるのが楽しくて仕方ないし,周りを驚かせるのが好きなんでしょうね(笑)。
生田さん:
確かにそういうことばっかり! ここは絶対に踏み抜かないだろうなってところをブチ抜いてきますよね(笑)。
4Gamer:
本当ですね。ここで本日の功労者,バタヤンさんもいらっしゃいました。今回はバタヤンさんが唯一,全曲演奏されてましたよね……?
ダチピー氏:
今日一番(ステージに)出てた人だよね。進行表も,ほかの人は出入りがあるから指示が書き込まれてるけど,バタヤンだけ出ずっぱりだから省略されてた。
バタヤン氏:
寂しいから名前書いてくださいって言ったら,本番ではありました(笑)。いや,でも本当に楽しかったですね。リハのときだったかな。「Fairy April」とか「Cure2tron」の曲の決めのところで,ギターのイイダさんと変顔するっていう謎のグルーブが生まれてました。実は本番でもやってたんですよ。
4Gamer:
そうなんですか!?
バタヤン氏:
でもイイダさんはお客さんのほうを向かずこっち(ドラム側)を見てるから,僕の顔しかみんなに見えてないっていう(笑)。何人かの方は気づいていたと思います。
4Gamer:
いや,目がまったく足りませんでした……。ちなみに足立さん,今日のイベントを円盤化する予定は?
ダチピー氏:
一応,映像は録りましたけどね。収録チームには「今回は思い出用だからカメラも少しでいいです」と伝えたんですが,チームから「いや,『バンやろ』の現場は僕らにとっても思い出深いので,いくらでも録ります」と。今日来てみたら,「えっ,こんなに!?」というくらいガチな撮影になってました(笑)。
バタヤン氏:
ドラムのところにもカメラがあって,「今日って配信あったっけ?」と思ったんですよ。
4Gamer:
確かに今日は配信がなかったんですよね。これは観たい人も多いのでは……!
ダチピー氏:
生配信は自分がちゃんと演奏できるかとか,どう映るのだろうかとか分からなかったんで,怖くてできなかったですね(笑)。でも商品として出すとなっても,かなり音は直したいところが多いので……って考えちゃいますね(笑)。
生田さん:
俺も弾き直したいー!
バタヤン氏:
いや,「直す」ってなんですか!? ギターやベースはあとから音をかぶせたり直したりできますけど,ドラムはミスったらミスったままなんですよ!
ダチピー氏:
(笑)。でもそうですね,記録はしてあるのであとで見てみて「これは思い出だけではもったいないな」と思うことがあれば……。
4Gamer:
では,ファンの皆さんの「欲しい!」という声があれば,出るかもしれないし出ないかも知れないと。そして足立さん,今後「バンやろ」で何か予定されていることはありますでしょうか?
ダチピー氏:
あるかもしれないし,ないかもしれない……(笑)。
4Gamer:
ファンの皆さんはぜひ感想やご要望などを届けていただければと思います。皆さん,本日はありがとうございました!
「バンドやろうぜ! Dream Match Cover GIG 2024 Ragna-Rock」公演概要
◆開催日時
2024年8月23日(金)
◆開催場所
Spotify O-EAST(渋谷)
◆出演者
堀江晶太/大塚剛毅/古川貴浩/千葉"naotyu-"直樹/草野華余子/湯浅かえで/イイダケイスケ/バタヤン/柴崎洋輔/アダニー/ダチピー
スペシャルサポーター:生田鷹司,小林正典,瑠,カゴメ
◆セットリスト
Sure Shot
-Gt.イイダケイスケ,アダニー/Ba.古川貴浩,ダチピー/Key.柴﨑洋輔,naotyu-/Dr.バタヤン
スリルを頂戴(Fairy April)
メガメガトロン(Cure2tron)
雨音Valentine(Fairy April)
ショコラモード(Cure2tron)
-Vo.草野華余子,湯浅かえで/Gt.イイダケイスケ/Ba.古川貴浩/Key.naotyu-/Dr.バタヤン
Voice(OSIRIS)
Bystander(BLAST)
Re:Incarnation(OSIRIS)
songwriter(BLAST)
-Vo.大塚剛毅,堀江晶太/Gt.アダニー/Ba.ダチピー/Key. 柴﨑洋輔/Dr.バタヤン
ギターバトル
-Gt.堀江晶太,生田鷹司,瑠,イイダケイスケ,アダニー/Ba.カゴメ/Key.柴﨑洋輔/Dr.バタヤン
Cross Wish
-Vo.瑠/Gt.小林正典,大塚剛毅 ,アダニー/Ba.カゴメ/Key.柴﨑洋輔/Dr.バタヤン
Swing Night(Cure2 tron)
WHIZ(Fairy April)
廻々ストーリー(Cure2tron)
secret lovesick(Fairy April)
-Vo.草野華余子,湯浅かえで/Gt.イイダケイスケ/Ba.古川貴浩/Key.naotyu-/Dr.バタヤン
YATSUATARI(BLAST)
Beyond the Limit(OSIRIS)
「BLAST」Y(BLAST)
-Vo.堀江翔太,大塚剛毅/Gt.アダニー/Ba.ダチピー/Key. 柴﨑洋輔/Dr.バタヤン
〜アンコール〜
Frontier(「OSIRIS」&「Fairy April」)
-Vo.小林正典,草野華余子/Gt.瑠,イイダケイスケ,大塚剛毅/Ba.カゴメ/Key.柴﨑洋輔/Dr.バタヤン
One Night Carnival(cover)
-Vo.湯浅かえで/Gt.イイダケイスケ/Ba.古川貴浩/Key.naotyu-/Dr.バタヤン/and ALL CAST
BUREIKO TIME(BLAST)
-Vo.生田鷹司/Gt.堀江晶太,アダニー/Ba.ダチピー/Key.柴﨑洋輔/Dr.バタヤン/and ALL CAST
「バンドやろうぜ!」ドリームマッチ デュエル・ギグ2018 春∞宴[炎] SHUN-ENライブレポート。蒼井翔太さん&生田鷹司さんの独占コメントもお届け
アニプレックスとソニー・ミュージックが贈る「青春」×「バンド」リズムゲームアプリ「バンドやろうぜ!」を配信するBANYARO PROJECTは,2018年4月1日に片柳アリーナにて,ライブ「ドリームマッチ デュエル・ギグ2018 春∞宴[炎] SHUN-EN」を行った。そのライブをレポートするとともに,蒼井翔太さん&生田鷹司さんの独占コメントお届けする。
ファイナルライブは膝をついてでも歌いきりたかった。「デュエル・ギグ!vol.3」CDリリース記念「バンドやろうぜ!」対談企画・OSIRIS編
アニプレックスとソニー・ミュージックが贈る,青春×バンドリズムゲームアプリ「バンドやろうぜ!」の最新アルバムCD「デュエル・ギグ!vol.3」「DUEL GIG RIVALS」「DUEL GIG EXTRA」の3タイトルが,2018年11月21日に同時発売されます。4Gamerでは,楽曲制作に携わったスタッフとOSIRISのボーカル・高良 京役の小林正典氏に,本作の思い出やCDの聴きどころを聞きました。
「バンやろ」は人生の変革期にあった作品――「デュエル・ギグ!vol.3」CDリリース記念「バンドやろうぜ!」対談企画・Cure2tron編
アニプレックスとソニー・ミュージックが贈る,青春×バンドリズムゲームアプリ「バンドやろうぜ!」の最新アルバムCD3タイトルが,2018年11月21日に同時発売されます。4Gamerでは,楽曲制作に携わったスタッフとCure2tronのボーカル・マイリー役の黒沢ともよ氏に本作の思い出やCDの聴きどころを聞きました。
絶望のなかの光,忘れられない想いが込められた1曲とは? 「デュエル・ギグ!vol.3」CDリリース記念「バンドやろうぜ!」対談企画・BLAST編
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“Fairy April星”の住人たちが曲を作り上げてきた!? 「デュエル・ギグ!vol.3」CDリリース記念「バンドやろうぜ!」対談企画・Fairy April編
アニプレックスとソニー・ミュージックが贈る,青春×バンドリズムゲームアプリ「バンドやろうぜ!」の最新アルバムCDが2018年11月21日に発売されます。その発売を記念して,楽曲制作に携わったスタッフとFairy Aprilのボーカル・鳳 葵陽役の蒼井翔太氏に本作の思い出やCDの聴きどころを聞きました。
(C)BANYARO PROJECT
(C)BANYARO PROJECT