正式サービス開始後1か月が経った「モンスターハンター フロンティア オンライン」のプレイレポート第2弾を掲載
「モンスターハンター」シリーズの人気の高さによって,今年前半から何かと注目されていた「モンスターハンター フロンティア オンライン」。正式サービス開始から1か月が経過した現在,いったいどうなっているだろうか
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7月5日,カプコンのオンラインアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」(以下,MHF)が,待望の正式サービスを開始した。30日間1400円(税込)という月額課金を採用しているが,ハンターランク(以下,HR)が2までであれば,期間制限なしで無料体験できるトライアルコースが用意されている。 本作のゲーム内容については,「こちら」のクローズドβテストのプレイレポートや,「こちら」の広告特集に詳しいので,併せてチェックしてほしい。
MHFでは,6月21日に開始されたオープンβテストが,アクセス集中によるネットワーク障害の発生により一時中断された。その後,臨時で3日間の“テクニカルテスト”が実施されたあと,6月28日に再度オープンβテストが開始されたのだが,このとき再びアクセス集中により,臨時メンテナンスに突入。一つの世界(サーバー)が三つに分割されるという解決策が取られた。 結果,オープンβテストおよび正式サービスの開始が,当初の予定からほぼ1週間遅れたということは,プレイヤーの記憶に新しいところだ。もちろんカプコンの不手際といえばそのとおりなのだが,累計370万本の販売本数を誇るモンスターハンターシリーズの人気と,それに伴うMHFへの注目度の高さが引き起こした事態ともいえるだろう。カプコンの対応においても,テスト開始ごとに臨時メンテナンスに突入してしまったことや,アクセス集中回避において,キャラクターの移動ができないサーバー分割という対応策を取らざるを得なかったことは残念だが,トラブルが発生したときの対応は素早いものだったと思う。 なお,7月25日にサービスを一時停止して実施されたリファインアップデート直後こそ,アクセスが集中して一時的にログインしにくい状況になったものの,正式サービス以後は,問題なくプレイできている。 今回は,正式サービス開始から1か月が経過し,リファインアップデートを経た,MHFの“今”をレポートしよう。
■サーバーのキャパシティは2万5000人×3 ■同時接続者数は約5万5000人といったところか
MHFでは8月15日現在,3サーバーが稼動しており,どれだけのプレイヤーがゲームにログインしているか,ほぼリアルタイムの数字で確認できるようになっている。いずれも最大収容人数は2万5000人となっており,時間帯やサーバーによって異なるが,同時接続者数は,全体で約5万5000人を突破しているようだ。月額課金タイプのゲームで正式サービス開始の次の関門となる,1か月というチケットの更新時期を過ぎても,常ににぎわっているという印象を受けた。 各サーバーは独立しており,一つのキャラクターでサーバー間を移動できない。また現在は,一つのサーバーにつき一体のキャラクターのみ作成/削除が可能で,キャラクターを追加作成できる機能は実装予定になっているものの,時期は未定だ。 各サーバーはそれぞれ,「自由区」(HR問わず),「修練区」(HR16〜30推奨),「入門区」(HR15以下推奨)と,クエストクリアやアイテム入手など特定の目的を任意に設定して対象者を募る「求人区」で構成されている。各区は1000人ごとのワールドに分かれ,さらに100人ごとのランド,その下に最大30人(求人区は最大4人)を収容できる五つの「ドンドルマの街」という構成で,実際に一緒にクエストを楽しめるのは,同じドンドルマの街にいるプレイヤー同士ということになる。 ちなみに,正式サービス開始時は修練区および入門区に,対象となるHRに応じた入場制限が設けられていたが,リファインアップデート時に撤廃されており,各区とも誰でも利用可能となった。 以前は連日ピークタイムとなる9:00PM過ぎあたりから,入門区以外は満員かそれに近い状態となってしまう場合が多く,加えて先述したとおり一つの街に30人しか入れないという仕様もあって,一度ログアウトしてしまったら,再び同じワールド/ランドに戻るには1時間以上待たなければならないというケースも少なからず起きていた。フレンド登録したプレイヤーや所属する「猟団」(ギルドに相当)メンバーがいるランドなどにジャンプ可能なシステムがあっても,事実上機能しない場合も多かった。しかし,リファインアップデートでサーバー全体の収容人数増加,区ごとのHRによる入場制限を撤廃した結果,そうした状況がかなり改善され,現在は快適にプレイできる状態となっている。 ただ,収容人数100人のランドで収容人数30人のドンドルマの街が五つあるという仕様には疑問符が付く。例えば,参加者が90人以上いてにぎわっているランドに入っても,定員いっぱいのドンドルマの街が三つ(30人×3)で,残りのドンドルマの街は数人しかいないという状況をよく見かける。多くのプレイヤー達とさまざまなクエストを楽しみたいというプレイヤーにとっては,定員いっぱいのドンドルマの街が空くのを待つか,ランド/ワールドを移動するしかない。参加メンバーが4人に限定されている求人区はともかく,ほかの区においては,一つの街にもっと多くのプレイヤーが入れるようにするか,ランドから直接クエストに臨めるようにするなど,なんらかの改善を施してほしいところだ。
上段:一つのサーバーは四つの区で構成され,それぞれ最大1000人収容のワールド,最大100人収容のランド,最大30人収容のドンドルマの街に分かれる。7月11日のアップデートで,画面左上部にゲーム内の季節と昼夜が表示されるようになった
下段:クエストは最大4人が参加可能。MHFはMO形式のシステムを採用しているため,フィールド内でクエストメンバー以外のハンターと出会うことはない
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■MHFで初登場となる新フィールド「樹海」と ■新モンスター「ヒプノック」「ヴォルガノス」の実態は?
コンシューマのモンスターハンターシリーズはオンライン対応ということもあり,期間限定の「配信クエスト」がおなじみだが,MHFでも正式サービス開始とともに「ギルドクエスト」「フロンティアクエスト」の配信がスタートしている。 ギルドクエストは,ギルドマスターから毎週異なるクエストをいくつか受けられるというもので,従来シリーズとほぼ同様となる。一方のフロンティアクエストは,MHFで追加された新要素を体験できるものが中心で,従来シリーズの経験者でも新鮮な気分を味わえるだろう。 これまでに提供されてきたクエスト群で気になるのは,やはりMHFで初登場となったフィールド「樹海」でのクエスト,新しい大型モンスター「ヒプノック」「ヴォルガノス」の狩猟クエストなどだろう。 樹海は,文字どおり木々が鬱蒼と生い茂るフィールドである。グラフィックスの違いを除けば,従来フィールドを飽きるほど行き来してきたプレイヤーなら,段差,一方通行,魚竜がいそうな湖,大型モンスターの巣になりそうな洞窟など,“これは”と思うポイントが随所に配置されている。しかし,現時点における樹海の最大の特徴は,採取/採掘が可能な素材にある。 武器/防具の強化に必要とされているにもかかわらず,オープンβテスト以前は入手方法が不明だった,「クレンザイト」「万年霜」といった新規の素材が配置されているのだ。これらの新規素材を入手するために,樹海を何度も探索しているプレイヤーも少なくない。
左:新フィールド「樹海」。従来の密林とは違って気温や湿度が低そうな印象を受けるが,今はまだクエストが少ないため,不明な点も多い 中央:樹海マップの中心に配置された洞窟。いかにも大型モンスターの巣といった雰囲気で,ダメージを負った大型モンスターが逃げ込むことも多い 右:樹海では,正式サービス開始前に入手方法が不明だったいくつかの新規素材が入手できる。ただし,フィールドの昼夜はクエストの種類によって固定となっており,採取/採掘できる素材の種類も異なる
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新モンスターのヒプノックは,HR11以上のハンターを対象とした大型モンスターである。イャンクックやゲリョスと同じく空を飛ぶ鳥竜種で,基本的な行動パターンもそれほど変わらない。ヒプノックの攻略難度が低めに設定されていたというのもあるが,MHF独自の大型モンスターの登場に期待していたプレイヤーの中には,肩透かしを食らった印象を受けた人もいるのではないだろうか。 ただしヒプノックは体力が非常に高いことに加え,催眠ブレス攻撃で頻繁にハンターを睡眠状態に陥れるため,睡眠無効スキルを持たないハンターが一人で討伐するのは困難だ。クエストメンバー全員で協力してヒプノックの体力を削り,時に睡眠状態となった仲間を蹴り起こしながら,一丸となって戦うといいだろう。 また8月8日からは,HR31以上を対象としたヒプノックの上位クエストが配信され,ヒプノック装備強化に必要とされる待望の上位素材が入手可能となったことも付け加えておこう。ちなみに上位クエストでは,ヒプノック本体が強化されているのはもちろんだが,随所に配置されたブルファンゴの処理をどうするかが攻略上のポイントとなる。
左:ヒプノックは,イャンクックやゲリョスと同じ鳥竜種である。行動パターンも似ているため,HR11以上のクエストメンバーが揃えば,攻略はそう難しくない 中央:ヒプノックの催眠攻撃。ターゲットを逸らしてくれたり,蹴り起こしてくれたりするメンバーがいない場合,耐性スキルがないと脅威となるだろう 右:ヒプノックから剥ぎ取った素材で生産可能な武器/防具は,8月8日からの上位クエスト配信によってようやく強化可能となった
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一方,8月8日に配信となったヴォルガノスだが,すでに先行レポートでも報じられているとおり,HR17以上を対象とした大型モンスターとしてはかなり手強い。種別と外見から,魚竜種のガノトトスに少々手を加えただけのものではないかという事前の予想を裏切り,まさにディアブロスやグラビモスを超える凶悪なモンスターとなっていた。 ヴォルガノスは,表皮が硬くダメージを与えづらいのに加えて,拡散を備えたブレス,プレイヤーキャラクターを追尾してくる腹滑り突進,剣士には予備動作が判別しにくいジャンププレスなど,さまざまな攻撃でハンター達を絶望に追いやっている。とはいえ,配信開始翌日の9日夜にはボチボチ討伐報告も上がって来ており,凄腕ハンター達の手によって攻略方法が広まる日もそう遠くないだろう。 また新モンスターではないが,一部で待望されていたシングルプレイ専用クエストの配信も始まった。第一弾は,従来のモンスターハンターシリーズでオフライン専用だった,モノブロス狩猟クエストをMHF用にアレンジしたものだ。最大4人のマルチプレイを前提とした通常クエストよりも難度は低めに設定されている。ディアブロス同様,咆哮による硬直中の突進,地中に潜り込んでからの突き上げに気をつけなければならないが,リオレイアを一人で討伐できるプレイヤーなら,討伐可能だろう。
左:溶岩から顔を覗かせ,キョロキョロとハンターを探す姿がどこか可愛らしいヴォルガノス。しかしその多彩な攻撃は凶悪の一言に尽きる 中央:ヴォルガノスは巨大な体躯と素早い動きでハンター達を翻弄する。ディアブロスやグラビモスを狩り慣れたプレイヤー達も,初めて見るヴォルガノスには苦戦している模様 右:シングルプレイ専用クエストの第一弾はモノブロス。今回は比較的簡単に討伐可能な難度だったが,自分の実力を試すために低難度から高難度まで揃うといいかもしれない
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■トライアルコースの内容変更と ■古龍迎撃戦の配信時間延長
古龍と呼ばれる大型モンスター群は,これまで期間限定配信クエストの中でも週末3日間限定,さらに砦防衛ともなると9:00PM〜0:00AMの1日3時間のみの登場だった。フルタイムプレイできるハンターと,そうでないハンターでは装備に差がつきがちだったが,古龍迎撃戦の配信期間延長と一部時間変更で,それが多少緩和されることに期待したい
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7月11日には,トライアルコースの変更が加えられている。もともとトライアルコースは,新規プレイヤーのために設けられた無料お試しコースで,HR2までのクエストすべてを任意に,HR3までのクエストならほかのハンターに同行するという形でプレイできた。しかし7月11日のアップデートをもって,「≪密林探索≫ 怪鳥のいななきを追って」「≪沼地探索≫ 赤き毒たちの統率者」「≪沼地探索≫ 猪突猛進」「≪沼地探索≫ 沼地の赤い狩人」の四つがプレイできなくなっている。 これが意味するところは,すなわちトライアルコースにおいて「イーオス」「ドスイーオス」「イャンクック」の討伐ができなくなったということである。とくにイャンクックはMHFで最初に出会うであろう,ザコモンスターと姿を異にする大型モンスターである。プレイヤーに人気が高いだけでなく,その攻略法は以降のゲームをプレイするにあたって基本となり,試しにMHFをプレイしてみたいという人にとっては大きなアピールとなる存在だっただけに,この処置は筆者としても残念である。機会があれば,この変更の意図をカプコンに聞いてみたいところだ。
一方,8月10日からの「古龍迎撃戦」は,従来の金土日の3日間の9:00PMから3時間限定で配信されていたが,期間の延長と変更が行われた。金曜と土曜は8:00PM〜翌日2:00AM,日曜と月曜は10:00AM〜4:00PMに配信されることになった。これは,古龍迎撃戦で得られる素材が最強クラスの武器/防具を強化するために必要となる場合があることを踏まえ,金土日にプレイ時間を確保できるとは限らないプレイヤー層への配慮といえるだろう。先述したHRによる入場制限の撤廃もそうだが,こうした現実に起きている問題やユーザーからの声に迅速に応えている姿勢は非常に評価できる。 PCオンラインゲームとしては,ピークタイムの同時接続者数がコンスタントに5万人を超えるという,久々のヒットタイトルとなったMHF。その対応にカプコンが大わらわになっている様子もうかがえるが,今後の動向をじっくりと見守っていきたいところである。(ライター:大陸新秩序)
ドスイーオスや人気の高いイャンクックのクエストが,トライアルコースでプレイできなくなったのは残念。この2種類の大型モンスターから剥ぎ取れる素材で,そこそこ有用な装備が生産できてしまったことも理由の一つかもしれない
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