[E3 2007#30]単体起動できる拡張パック「Company of Heroes:Opposing Fronts」
スタンドアローンでも遊べてしまううえに,“オリジナル”よりコンテンツは豊富。2006年にリリースされて高い評価を受けたRTS「Company of Heroes」の“拡張パック”「Company of Heroes: Opposing Fronts」(以下,CoHOF)は,続編とすらいえそうなほどサービス精神旺盛な内容だ。
CoHOFでプレイヤーは,イギリス軍によるフランスの都市カン奪回作戦,そしてCompany of Heroesシリーズで初めて,パンツァーエリートを擁したドイツ軍によるマーケット・ガーデン作戦をプレイすることになる。 説明してくれたRelic Entertainmentのリードデザイナー,Josh Mosqueira氏によると,イギリス軍は非常にディフェンシブな軍隊になっており,前作のアメリカ軍,あるいは今作のドイツ軍と比べても移動速度が非常に遅く,「周囲を警戒しながら進んでいる」かのように表現されているという。
このとき,ここに将校(Lieutenant)ユニットを合わせると移動速度を上昇させ,モラルの低下も防げる。また,歩兵の移動速度の遅さをカバーするため,イギリス軍には「より前線に近い場所へとベースを移動させる」能力が与えられている。 そのほか,イギリス軍歩兵はアップグレードが豊富で,スナイパーやマシンガンナーへの転身も可能だ。発砲速度を上げるアップグレードなんてのもある。さらに,トレンチを掘って防御力を上げることで,タンクなどの攻撃にも我慢強く対峙できるようになる。攻める側からすると,一度イギリス軍に占領された場所を奪い返すのには苦労しそうな感じだ。
空挺ドクトリンを持つイギリス軍であれば,プレイヤーは強力な歩兵ユニットであるコマンドーも招来できる。 登場の仕方はかなり派手で,「巨大なグライダーが指定地域に墜落するとともに,コマンドー達が中から銃を撃ちながら出てくる」という仕掛けになっていた。
対するドイツ軍パンツァーエリートは,トレンチやバンカーのような防御施設は設置できない,攻撃専門の軍隊として描かれている。もちろん,まったく無防備というわけではなく,ハーフタンクに複数のユニットを載せるなど,車両を使った特性が持たされている。とくに,ゲームの後半に生産できるようになるヤークトパンツァーは,その丸みを帯びた形状ゆえ,敵による攻撃の直撃を受けにくくなる。ゲームのデモでも,チャーチルIVの砲弾がヤークトパンツァーの車体に当たるも,爆発せずそれていく様子が描かれていた。
CoHOFで特筆できるのは,オリジナルのCompany of Heroesしか持っていないプレイヤーとの対戦が可能なこと。遊びのオプションはずいぶんと増えるだろう。
(画面に映る)激しい雨など,CoHOFの特徴を説明してくれたJosh Mosqueira氏
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グラフィックスも強化され,DirectX 10に対応したマルチシャドウや水面の表現などに進化が見られる。臨場感を高める激しい雨など,天候表現も追加された。 前出のMosqueira氏いわく,「DirectX 10に対応するからといって,DirectX 9世代に留まるWindows XPユーザーを見捨てるようなことはしない」とのことなので,“Windows XP使い”のプレイヤーは一安心といったところだろう。
リリースはヨーロッパで9月末,北米で10月中が予定されており,2007年末に向け,また一つ楽しみが加わった。(ライター:奥谷海人)
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