NVIDIA,DirectX 10&OpenGL&CUDA対応のゲーム開発ツールを公開
NVIDIA SDK 10のブラウザ。コードだけでなく,ホワイトペーパーやイメージ動画も用意されているとのこと
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NVIDIAは,ゲーム開発ツールのスイート「NVIDIA Developer Toolkit」の最新版を公開した。米国時間2007年3月8日9:00AMから,「GDC 2007」会場でその一部が配布されるほか,フルバージョンはNVIDIAのデベロッパ向けサイトで無償公開される予定だ。
NVIDIA Developer Toolkitは,以下に挙げる六つのツールやライブラリ,サンプルなどをまとめたものとなる。- NVIDIA SDK 10:「DirectX 10」あるいは「OpenGL」に対応したコードサンプル。「CUDA」のサンプルも
- NVIDIA Texture Tools:テクスチャ関連の作業を行うためのライブラリやプラグイン群。CUDAによるGPUアクセラレーションを利用し,従来の10倍の速度でテクスチャの圧縮/伸張が可能
- NVIDIA PerfKit 5:GPUアプリケーションのデバッグ,プロファイリングを行えるツール。「Windows Vista」およびDirectX 10対応
- NVIDIA FX Composer 2:。HLSL,Cg,COLLADA FXでDirectX 10とOpenGLをサポートする開発環境
- NVIDIA ShaderPerf 2:シェーダ最適化ツール
- NVIDIA Shader Library:100種類以上のシェーダ効果からなるライブラリ
左から順に,NVIDIA PerfKit 5,NVIDIA FX Composer 2,NVIDIA Shader Libraryのイメージ。NVIDIA Shader Libraryは,3月8日時点ではどこかで見たようなものが多いが,今後最新世代のものが増えてくれば面白そうだ
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NVIDIAのリリースによると,CrytekやRockstar San Diegoなどからの支持を得ているとのこと。いずれにせよ,DirectX 10(というよりむしろ,プログラマブルシェーダ4.0)世代の開発環境が用意されたことは,歓迎すべきだろう。最新世代の仕様を取り入れたゲームタイトルの開発に,弾みがつくのを期待したい。(佐々山薫郁)
***** 以下,リリースより *****
NVIDIA、世界最先端のゲーム開発プラットフォームを発表
NVIDIA(r) GeForce(r)グラフィックス・プロセッサを用い、DirectX 10に対応の大作ゲーム制作をサポート
Microsoft DirectX 10の登場によって、ゲーム開発業界は現在、過去最大規模の過渡期の最中にあります。開発コミュニティがDirectX 10へといち早く移行できるよう支援するため、NVIDIA(エヌビディア)コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO:ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は米国時間3月7日、高度なゲーム開発を実現する最新かつ究極のプラットフォームを発表しました。
プラットフォームの中核となる新しい開発スイートは、DirectX 10による最先端PCゲームの制作と最適化で開発者を支援します。この新しいNVIDIA Developer Toolkitは、本物と錯覚してしまうグラフィックスや物理的リアリズムを備えたゲームの制作を行う開発者の時間とコストを節約します。これに加え、同プラットフォームには、NVIDIA GeForce(r) 8シリーズ・グラフィックスカード、NVIDIA nForce(r) 680マザーボード、DirectX 10が搭載されています。これは世界最先端のゲーム開発プラットフォームであり、PCゲームのリアリズムに対する消費者の期待を凌駕する画期的な次世代コンテンツの制作を可能にします。
有益なコードサンプル、先進のシェーダ、パフォーマンスチューニング等を提供する新しいNVIDIA Developer Toolkitによって、開発者は、Microsoft DirectX 10対応ゲームをこれまで以上に容易に制作することができます。このツールキットは、パフォーマンスの大幅な向上をもたらすとともに、ゲームの開発と最適化を行う開発者の作業時間を節約します。
NVIDIAは現在、サンフランシスコで開催中のGame Developers Conference(GDC)で、開発プラットフォーム全体のデモと一部コンポーネントの無償配布を行っています(北ホール、ブース番号:5134)。最新ツールは、developer.nvidia.comからダウンロードすることができます。
NVIDIA Developer Toolkitには、以下が含まれます。
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* SDK 10:最新GPUに対応した、DirectX 10、OpenGL、CUDAによる全く新しいコードサンプルです。 * テクスチャ・ツール:テクスチャによる作業を行うための強力なライブラリとプラグインです。DirectX 10にも対応し、CUDAのGPUアクセラレーションによって、これまでと比べて約10倍の高速化が図られています。 * PerfKit 5:Windows VistaとDirectX 10でGPUアプリケーションのデバッグ/プロファイリングを行うための強力なツールです。シェーダのedit-and-continue機能、レンダーステートの変更、カスタマイズ可能なグラフ/カウンタ等に対応しています。 * ShaderPerf 2:最新ドライバに対応し、シェーダのパフォーマンスに関する詳細な情報を提供します。 * FX Composer 2:クロスプラットフォームでのシェーダ・オーサリングに対応した世界トップクラスの開発環境です。HLSL、Cg、COLLADA FXでDirectX 10とOpenGLをサポートします。 * シェーダ・ライブラリ:世界最大のGPUシェーダ・コレクションとして、100種類以上のシェーダ効果を搭載し、外部のサブミッションにも対応しています。
Crytekの社長であるセヴァ・イェルリ氏は、次のように述べています。「当社では、パフォーマンスの分析、最適化、シェーダ、テストを行う際、NVIDIAの開発ツールを頻繁に使用しています。同社の開発ツールのおかげで、私たちはCrysisの制作に伴う時間とコストを大幅に節約することができました。圧倒的なデバッグ機能、可視化機能、プロファイリング機能によって、これらツールはすべての開発チームにとって欠かせない製品となっています。さらに、NVIDIAがこれらを無償で提供していることも大きな驚きです。」
Rockstar San Diegoの技術ディレクターであるマーク・ロビンソン氏は、次のように述べています。「NVIDIAの開発ツールは、業界でも最高レベルにあります。私自身もFX Composerを定期的に使用し、シェーダの迅速なプロトタイピングを行っています。また、SDKによって新たな手法を考え出し、PerfKitによって詳細なパフォーマンス分析とデバッグを行っています。」
NVIDIAは現在、SDK 10、テクスチャ・ツール、シェーダ・ライブラリ、ShaderPerfをはじめ、いくつかの最新ツールをGDCで配布しています。その他のツールについては、GDC終了後に公開される予定です。また、開発者の皆様は、3月8日(木)の9時より、NVIDIAの開発技術に関する詳細なセッションに参加することができます(西ホール、Room 3018)。NVIDIAのセッションに関する詳細は、http://developer.nvidia.com/object/gdc-2007.htmlをご覧ください。
NVIDIAによる開発プラットフォームに関する詳細は、http://developer.nvidia.com/page/home.htmlをご覧ください。
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