元id SoftwareのゲームデザイナーであるJohn Romero（ジョン・ロメロ）氏が立ち上げた新しいゲーム開発会社Slipgate Ironworksが，オーストラリアのMicro Forteが制作したMMORPG開発ミドルウェア「BigWorld Technologies Suite」を採用することが明らかになった。
2006年夏に同社を旗揚げしたロメロ氏は，それがMMORPGであること以外，現在進行中のプロジェクトについてまったく公開していない。ただ今回，ミドルウェアを選定したことにより，開発への道筋は整ったと見て良いであろう。
BigWorld Technologies Suiteは，政府の援助を得たMicro Forteが2000年から開発を進めているゲームエンジンだ。フラッグシッププロダクトとして「Citizen Zero」というMMORPGが予定されていたが，これはつい最近，開発中止が発表されている。同社はすでに，ゲーム開発よりもBigWorld Technologies Suiteの販売拡大という方向に転換しており，ここ2年ほどはツール類の充実に力を注いできたようだ。その甲斐あってか，Cheyenne Mountain Entertainmentが開発中の「Stargate Worlds」がこのミドルウェアを利用することになった。
ロメロ氏は，ION Storm退社以来，Monkeystone Entertainmentを設立して携帯電話用のミニゲームを開発したり，Midway Entertainmentに招聘されて「Gauntlet: Seven Sorrows」のプロデューサーを務めるなどしているが，彼の新しい会社であるSlipgate Ironworksが作るMMORPGは，彼自身が久々にデザインを手がける渾身の作品となる予定だ。遠くない将来，少しずつ情報が公開されていくだろう。（奥谷海人）
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