[COMPUTEX 2006#09]地上デジタルチューナー付きGeForce 7600 GSが日本で発売予定
Evertopブース。民族衣装を着て迎えてくれているのがPark氏
|
Evertopという耳慣れない名前の韓国メーカーが,地上デジタルチューナー搭載のグラフィックスカードを,COMPUTEX TAIPEI 2006のHall 1で展示していた。
ブースにあったのは,GeForce 7600 GSを搭載する「GeForce 7600GS DMB V7」。話を聞かせてくれた,同社CEOのSammy Park氏によれば,「DMB」は「Digital Media Broadcasting」の略とのこと。地上デジタルチューナーを搭載する製品には,DMBのモデル名を付記するという。
GeForce 7600GS DMB V7。室内アンテナ付きだ。HDMIには非対応だが,付属のコンポーネントケーブルを利用すれば,テレビへの高解像度出力もできる
|
搭載するのは地上デジタルチューナーだけなので,録画はもちろん不可能。とはいえ,地上デジタルチューナーをグラフィックスカード上に用意していれば,普段高解像度でゲームをプレイしている,まさにそのPCディスプレイで,地上デジタル放送を見られるわけで,この点は大いに評価していいだろう。1280×1024ドットクラスなら720p(1280×720ドット)をクリアできるから,視聴するだけなら,「ハイビジョン」「HDTV」などといわれる高解像度テレビが不要になる。ゲーム関連以外にはなかなか思い切って投資しづらいヘビーゲーマーにとって,大きなメリットとなり得るだろう。
チップクーラーはZalman Tech製
|
カードを見てみると,地上デジタルチューナー部はグラフィックスカード本体に“合体”しており,カード長はやや長くなっている一方,占有スロットは1本のみ。チューナーユニットは,台湾のほか,日本,韓国,欧州,北米市場に対応したものが用意されており,出荷時に,各国のテレビ放送システムに合わせて選択して搭載される仕様だ。
カード上にはUSBポートが実装されており,ケーブルでマザーボードと接続することで,チャンネル切り替えや音量調整など,テレビ視聴プログラムを制御できるとのこと。アンテナ端子はブラケット側ではなく,チューナー部に用意されているため,室内/外部アンテナを接続するには,アンテナケーブルをPC内で引き回す必要がある。この点は改良の余地ありだ。
世界初のDMB搭載グラフィックスカードとアピールする看板
|
Park氏は「デジタルチューナー搭載によるコストアップは数十ドル」と力説。「世界初の地上デジタルチューナー搭載グラフィックスカード」として訴求していく方針だ。 カードの動作クロックはコア400MHz,メモリ800MHz相当。グラフィックスメモリ容量は256MBとなる。北米では2006年6月中に発売予定となっており,店頭価格は140ドル前後になるとのことだった。気になる国内展開については,すでにアスクが販売代理店に決まっており,現在は販売企画中とのことだった。
国内販売が実現すれば,リテール(チャネル)市場向けグラフィックスカードに地上デジタルチューナーを搭載する実績ができることになり,ゲームの合間に地上デジタル放送を見るようなことが,今後は一般化するかもしれない。 とはいえ,一般的な自作PCで地上デジタル放送を録画ができるようになるまでには,もうちょっと時間がかかりそうだ。グラフィックスカードとテレビの関係については,今後も注意深く動向を見守っていくことにしよう。
なお,Evertopではこのほか,GeForce 7600 GTを搭載した「GeForce 7600GT DMB」と,GeForce 7900 GTを搭載した「GeForce 7900GT DMB」もリリース予定とのこと。北米では,前者が240ドル前後で6月中,後者は300ドル前後で7月から,店頭に並ぶ予定だそうだ。(トライゼット 西川善司)
|
|
|