[E3 2006#015]間違いなくトップクラスの次世代RTS「Company of Heroes」
「Company of Heroes」のアドバンテージは,まさにその桁違いに優秀なグラフィックスにある。THQブースでプレイアブルバージョンが出展されていた,第二次世界大戦RTS「Company of Heroes」は,正直そのポテンシャルから比べると少々おとなしく思える展示であった。
“本物の兵士,本物の戦場,本物の戦争”。「Company of Heroes」は,この三つのキーワードを念頭に数年前から開発されている,強烈なインパクトのあるRTSである。Relic Entertainmentは,“RTSの画面は頭上から見た細々とした俯瞰図”という常識を,「Homeworld」ですでに一度破壊し,「Company of Heroes」で再び破壊しようと目論んでいるのだ。
兵士達の「5本の指の動き」まで描き込まれているというグラフィックスの緻密さは,もはや従来のRTSとは比較のしようもないだろう。リアルなのはグラフィックスだけではない。見た目,挙動,そのすべてに徹底した「リアル」を追求した結果,ありとあらゆるものを破壊可能にせざるを得なくなってしまったという。 破壊された建物は破片をまき散らし,また砲撃は地面に巨大な砲弾孔を穿つ。物理演算処理によって生まれた建物の残骸や砲弾孔は,兵士達の新たな遮蔽物として機能するようになる。
ゲームルールは,マップ上に点在する拠点を占領していくというもの。拠点に立っているポールのそばに一定時間兵士を配置しておけば,そこに自軍の旗が立って占領されるという仕組みだ。FPSの「バトルフィールド」を思い出すと分かりやすいだろう。 マップ上の拠点はそれぞれ,銃弾やら家やら何やらのアイコンで描かれている。これは燃料や弾薬,マンパワーなどを示しており,アイコンに対応したリソースが得られる。溜まったリソースは,施設の建設などに使用する。そう,「Company of Heroes」は第二次世界大戦RTSには珍しい,施設建設の要素があるのだ。 また,全体マップでは制圧範囲が色別で表されている。実演プレイでは,まずマップ上が赤(敵軍)と青(自軍)で半々に分かれた状態から,航空支援により敵エリアのど真ん中に空挺兵を投下。マップ上の前線付近の赤いエリアは分断され,もともと前線に控えていた兵士を空挺兵と合流させることで,マップ上のほとんどが青いエリアに変化した。
戦果を上げることで,「コマンドポイント」という数値が蓄積されていく。これは支援要請などに使用するポイントだが,支援には「infantry Company」「Airborn Company」「Armor Company」の3系統があり,まずはいずれかを選択。一度選ぶと,以後同一ゲーム中の変更はできなくなる。例えばAirborn Companyを選んだ場合,先ほど記述したような空挺兵コマンドなどが使用可能になるというわけだ。同様にinfantryなら歩兵の増員,Armorなら装甲車両などの増援を要請できるものと思われる。 なぜ3系統に分かれているのかというと,これは主にマルチプレイのためで,協力プレイのときに同盟勢力と異なるCompanyを選択することで,それぞれのウィークポイントを補えるというわけだ。
戦車の描き込み,衛生兵が負傷兵を抱えて救急テントへと運ぶ様子,爆発に対する付近の兵士達のリアクションなど,カメラを拡大したときの映像を見てRTSだと分かる人は,それこそゼロに近いだろう。物理演算による砲撃や爆撃の処理は,兵器も建物も現実世界と同様の破壊をもたらす。何もかもが破壊された後の光景は,本物の戦場の跡とほとんど同じになるというから驚きだ。
これらの“RTS離れした表現”を可能にする本作の「Essenceエンジン」は,現在のところDirectX 9対応だが,DirectX 10リリース後はそちらにも即座に対応できるという,まさに文字どおりの次世代エンジン。開発チームには「Warhammer 40,000: Dawn of War」「Homeworld 2」など,Relicの代表作を手がけた最精鋭が集結している。今年のE3はどうもRTSが大変元気なようだが,その中でも間違いなく筆頭タイトルの一本といえる本作。発売は2006年秋を予定しているとのことだ。(Kawamura)
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カンパニー オブ ヒーローズ |
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