[E3 2006#012]新たに先住民勢力が追加される拡張パック「Age of Empires III:The WarChiefs」
日本でも人気の高いRTSシリーズ最新作「Age of Empires III」(以下,AoE3)の拡張パック「Age of Empires III: The WarChiefs」(以下,AoE3:WC)が,Microsoftが構えるGames for Windowsブース内で展示されていた。 アイコンなど細かい部分は未完成であったものの,展示されていたのはプレイアブルなバージョン。新たに追加される文明はもちろん,新しいキャンペーンの一部など,一通りの要素はすでに楽しめる内容であった。
さて,もともとアメリカ大陸をめぐる争いをテーマにしていたAoE3だが,新大陸の利権を争うヨーロッパ列強諸国が主要な国家勢力群として設定されており,サブ要素的な扱いで「アメリカ先住民族」が登場していたのは周知の通り。 だが,今回発表されているAoE3:WCでは,そのアメリカ先住民族(ネイティブ・アメリカン)にフォーカス。これまでのサブ要素的な扱いから,プレイヤーが選択可能な主要勢力へと見事な(?)転身を遂げており,既存の文明国家とは一線を画す,まったく新しいプレイスタイルをもたらす新勢力としてゲームに盛り込まれている。 拡張パックで新たに追加されるアメリカ先住民族勢力は,イロコイ族,スー族の二つを含めた全3勢力。同作のプロデューサーであるWally Wachi氏の説明によれば,イロコイは西洋的な文明力をも内包した先住民族勢力とのことで,もう一方のスー族は,鉄砲や大砲といった文明的な兵器を持たない代わりに,人口の上限を上げるために必要な「家」を建てなくても良いなど,遊牧民族としての特徴を備える勢力になるという。ぱっと見の印象では,先住民族は早期Rushからの攻撃を得意とする,いわゆる「速攻型」の勢力という印象だが,家を建てなくても良いなどといった文明特性が,AoE3の戦略の中にどのようなプレイスタイルをもたらしてくれるのか,非常に興味深いところだろう。三つめの勢力に関しては,現時点ではまだ発表できないとの話だったのだが,やはり先住民族からチョイスされるだろうとのことであった。
ちなみにアメリカ先住民族は,上記で書かれた要素以外にも,ユニークな特徴を多数備えた勢力になる。中でもとくに特徴的なのは,キャンプファイヤー(教会の代わり)の周りで町人を“踊らせる”ことで,さまざまな恩恵を得られるという文明特性だろう。 これは前作「Age of Mythology」のゴッドパワーをやや彷彿とさせる仕様なのだが,あちらは「信仰値」という明確な資源が加算される形だったのに対して,アメリカ先住民族の“踊り”は,何かが溜まるというわけではなく,純粋に“踊り”にアサインする人数が多ければ多いほど,得られる恩恵にブーストがかかるという内容になっている。 ちなみに踊りによって得られる恩恵で目立つ効果を上げると,
- ユニットの移動速度アップ
- Travoisという建物を建設する特殊ユニットの無料生産
(Covered Wagonの通常施設版のようなユニット)
- XPの入手速度アップ
- 人口上限のアップ
- WarChief(探索者の先住民版)の能力アップ
などが挙げられる。これらの項目は,キャンプファイヤー上のコマンドから自由に切り替えられるようになっており,その効果は,踊る人の数に比例する形で上昇していく。 例えば,人口上限のアップを選択した状態で踊る人の数を増やしていくと,最大で25人の人口枠を増やせる(最大200人のところを225人にできる)し,WarChiefの能力アップにいたっては,通常Fortress Ageの時点で1000弱のヒットポイントしかないWarChiefの能力を,ヒットポイント7000を超えるバケモノ戦士に変貌させられるなど,かなりエキセントリックな効果が目立つ印象だ。 もちろん,目に見える効果を得るのにはそれ相応の人数の町人をアサインしないといけないため,実戦でどこまで実用的かは分からない。しかし話を聞く限りだと,開発元のEnsemble Studiosとしては,資源を溜め込んだあとに人口リミットを増やして戦う戦術などが,一般的に有効な利用方法になると考えているようである。
また余談だが,西欧諸国では,自国の首都から援軍/援助物資を送るという位置づけとなっている「ホームシティ」システムは,先住民族に関しては,ホームグラウンドがそのままアメリカ大陸にあるため,「評議会」という若干違う扱いになっている。要するに,部族内の各部門の長の権限あるいは呪力(?)でもって,ホームシティカードの効果が発動されるというわけだ。 先住民族勢力に用意されるホームシティカードは,まだ調整中とのことで,今バージョンではあまり用意されていなかった。熊や狼などといった動物を召喚するモノなど,やはり一風変わったカードが用意されるようだ。
本作のサブタイトルにもなっているWarChiefについても軽く説明したい。WarChiefとは,ほかの国家でいう「Explorer」に当たるユニット。中立の動物を飼い慣らすという特殊能力を持つほか,周囲の味方ユニットに対して支援効果を与えるという特殊能力が設定されている。 WarChiefが与える支援効果は,使用する勢力になって異なるようで,スー族のWarChiefは移動速度アップ,イロコイ族のWarChiefはヒットポイントをアップさせる効果を持つという。ぱっと見イロコイ族の効果のほうが強そうに感じなくもないが,スー族の効果のほうも,見た目的には20%前後は移動速度が上昇している雰囲気。実戦という意味では,スー族のほうが使い勝手が良い場合が多いかもしれない。 いずれにせよ,まだ調整段階とのことなので,具体的な効果は今後変わっていくかも,とのことであった。
最後に,AoE3:WCで用意されるシングルキャンペーンについてだが,シナリオ的には先住民側に立ったストーリーが展開されるとのことで,英国をはじめとした西欧国家の侵略を食い止めるなどのミッションが全部で15ほど用意されるという。ストーリーライン的には,どちらかといえば史実をかなり意識した内容になっているようで,アメリカの歴史に詳しい人であれば,かなり楽しめるハズだとのことであった。 発売は今秋を予定しており,価格は未定。本作は,国内でも人気の高いRTSシリーズなだけに,今後の情報には注目していきたい。(TAITAI)
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マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III:ザ ウォーチーフ |
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マイクロソフト エイジ オブ エンパイア III |
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