ファーストステップガイド

2016/05/25 22:34

2.まず動かしてみよう

 格闘ゲームの楽しさにはいろいろだが,なかでも大きな割合を占めるものに,「動かす」ことそのものの楽しさがある。画面の中のキャラクターを自分の手足のように動かし,ど派手な連続技を自由自在に決めていく上級者達。その姿を見て格闘ゲームを始めたという人も少なくはないだろう。
 この章では,こうした華麗な動きを身に付けるための操作技術について解説していく。本作には基本操作やゲームシステムを分かりやすく学べるTUTORIALモードが用意されているので,まずはこれらを一つ一つクリアするところから始めていこう。

MAIN MENUのBATTLE→DOJOから,さまざまな練習用モードを選択できる。TUTORIALモードでは本作の基本となる遊び方,COMBOモードでは連続技,MISSIONモードは実戦向けテクニックが伝授される。TRAININGモードは,自由な設定で好きに練習できるモードだ
GUILTY GEAR Xrd -REVELATOR-
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まずはTUTORIALモードでキャラクターの動かし方など基礎を覚えよう。アクションゲーム感覚で楽しみながら直感的に動かせばクリアーできるので、初心者でもすぐに覚えられるはずだ
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TUTORIALモードを終えたら,次はCOMBOモードで必殺技の出し方や,連続技のつなぎ方を学ぼう。連続技は,PAUSE MENUの項目のサンプル再生でCPUがお手本を見せてくれるので,つなぎ方が分からない場合は参考にしよう。全部クリアーできなくともできるところまでチャレンジだ

 なお,このとき意識しておきたいのは,アーケードスティックやゲームパッドを正しい握りで持つこと。変なクセが付いてしまうとあとから矯正するのは大変なので,ここでしっかり基本を身に付けておきたい。

→2.1. アーケードスティックの置き方と持ち方
→2.2. ゲームパッドで格闘ゲーム

 また格闘ゲームの操作には,入力に際してなんらかのコツが必要になる場合もある。何度やってもうまくいかない場合は,なにかを見逃しているか,そもそも入力方法が間違っている可能性も高い。考え方一つで道が開ける場合もあるので,何が悪いのかをきちんと考えてみることも大切だ。

→2.3. コマンドはパーツ単位で覚える

 こうした操作技術は,格闘ゲームの基本にして極意である。手に覚え込ませた操作感と正確なコマンド入力は思考をクリアにし,あらゆる状況に冷静に対処する力を与えてくれる。さらにここで習得した操作技術は,本作のみならず,あらゆる格闘ゲームをプレイするうえでの財産として活かすことができる。格闘ゲーム初挑戦の人は,いきなり難しい操作をやろうとしても身につきにくい。“もうちょっとで出来そう”な範囲を重点的に練習して,一歩一歩前に進んでいってほしい。

2.1. アーケードスティックの置き方と持ち方

 アーケードスティックの置き方やレバーの持ち方次第で,操作のしやすさは大きく変わる。ここでは代表的なプレイスタイルについてメリットデメリットを紹介していくので,操作方法で悩んでいる人は参考にしてほしい。なお,どのスタイルが良いかは好みの問題なので一概に言いにくいが,今から格闘ゲームを始める人には,「膝置き / つまみ持ち」スタイルをオススメしておこう。場所を選ばずプレイでき,かつ2D / 3Dを問わず,さまざまな格闘ゲームに対応できるのがその理由だ。

アーケードスティックの置き方
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机置き
アーケードスティックの位置を固定できるので,アーケード筐体でのプレイに慣れた人に向く。ただし机と椅子の高さがちゃんと合っていないと,手首に負担がかかってしまいがちだ。正しい姿勢になるよう調整しておこう。
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膝置き
椅子に座るか地面にあぐらをかき,太ももにアーケードスティックを乗せてプレイするスタイル。姿勢によって角度が変化してしまう欠点はあるものの,慣れれば場所を選ばずプレイできる。
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床置き
アーケードスティックを床に直接設置し,座り込んで操作するスタイル。膝置きと同様どんな場所でもプレイできるが,モニターの位置が高いと画面が遠くなってしまう。

代表的なレバーの持ち方
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かぶせ持ち
レバーボールの直上から人差し指と中指をかぶせ,第一関節と親指で固定する持ち方。とくに左右方向への入力が楽で,また入力方向を把握しやすいため,必殺技コマンドを練習しやすいのが利点。代わりに,28といった上下方向への入力には,支点(手首)の位置を動かす必要がある。
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つまみ持ち
人差し指と親指を使って,レバーボールを横からつまむ持ち方。指先の微細な動きをレバーに伝えられるので,同方向の連続入力といった素早く細かな操作が可能だ。ただしニュートラルから19に入れる操作は,レバーを人差し指と親指の2点で支持する必要があるためやや難度が高い。
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ワイン持ち
中指と薬指の間にレバーをはさみ,レバーボールを下から握る持ち方(正確にはブランデーグラスの持ち方に近い)。手首の力を伝えやすく,8方向それぞれを正確に入力できるのが利点だ。一方素早い入力が難しく,とくに66といった同方向への連続入力でミスが起きやすい。

・精緻なレバー操作を会得するコツ

 アーケードスティックでの操作に慣れていない人は,腕や体全体でレバーを動かしてしまいがちだが,こうした操作方法はレバーの入力方向を体感しにくく,また余計な力がかかるために疲れやすい。
 そこで,かぶせ持ちなら手首,つまみ持ちなら小指,ワイン持ちなら手の甲といったように,“左手のどこかを天板に固定する”ことを意識してみよう。固定した部位を支点にして操作すれば,より小さな動きで操作できるため疲れにくい。さらに操作時の左手のポジションから,入力方向を体感できるようになり,入力ミスも自覚しやすくなってくるはずだ。

 また手持ちのアーケードスティックを触ってみると分かるが,レバーをゆっくり倒していくと,途中でカチッというクリック感を感じるはずだ。入力はこの時点で行われるので,本来それ以上レバーを倒す必要はないということになる。つまり,操作時にレバーが外枠に当たる感覚があった場合は,それは余計な力が入ってしまっていると理解しよう。もちろん素早い入力が必要な場合などはそうも言っていられないが,できるだけ外枠に触れないように操作することを意識してプレイすると,精緻かつ疲れにくい操作を会得できるハズだ。ぜひお試しあれ。

つまみ持ちでの例。小指から手の側面を支点にして,左手の位置を固定。この状態から手首と指の動きだけで操作することを意識してみよう
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2.2. ゲームパッドで格闘ゲーム

 格闘ゲームはアーケードスティックを使ってプレイするのが主流だが,もちろんゲームパッドで遊べるようにできている。事実,世界的な格闘ゲームトーナメントで活躍する選手の中にも,ゲームパッドを愛用しているプレイヤーは少なくない。むしろ方向キーをボタンのように操作できるため,とくに同方向の連続入力などはレバーよりも正確かつ素早く入力できるメリットがある。ほとんどの操作を親指だけで行うため,複雑なコマンド入力時に疲れやすい面はあるものの,慣れてしまえばレバー操作と遜色ない入力精度を実現できるはずだ。

PlayStation 4標準のDualShock 4を使い,41236を入力してみた。格闘ゲームでパッドを使うときは,このように2の最上部付近に,角度を付けた状態で親指の関節を乗せるといい
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 格闘ゲームをゲームパッドで遊ぶうえでネックとなるのは,方向キーよりもむしろボタン入力のほうだろう。格闘ゲームではボタン同時押しを多用するうえ,方向キー操作の妨げとなる[L1][L2]ボタンがどうしても使いにくいなど,同時に押せるボタンが物理的に制限されているゲームパッドは,ボタン配置をよく考えておかなければならない。
 GGXrdのキーコンフィグは,もともと用意された操作にパッドのボタンを割り振るようになっているため,同時押しの組み合わせを自由に設定することはできない。そこで,ほかのボタンと同時押しする機会が多いHSを[R1]に,代わりにDを[○]に配置することをオススメしたい。[R1]は[□],[△],[×]との同時押しがやりやすいため,投げ仕込みを入力しやすくなる,というわけだ。

デフォルトのボタン配置では,主にロマンキャンセルに使われるP+K+Sが[L1]に割り振られている。対戦中多用する操作なので,左手での操作に自信がない人は,右手で押せる[R2]などに配置し直すといいだろう。挑発やSP必殺技は別の同時押しボタンなどに変えてもOKだ
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2.3. コマンドはパーツ単位で覚える

 格闘ゲームの操作で最初の課題となるのが必殺技コマンドの入力だ。これにはコツがあって,それを意識して練習すれば上達はかなり早まる。それはコマンドをいくつかのパターンに分けて覚えることだ。
 本作にはキャラクターごとにさまざまなコマンド技が存在するが,いずれの技も基本パターンの組み合わせでできている。比較的長いコマンド入力が求められる覚醒必殺技――例えば632146も,632146に分解できる。2141236なら21441236だ。
 つまり,基本パターンをパーツとして手に覚え込ませれば,ほとんどの技はこの組み合わせで出せるようになる。以下に本作のコマンド入力における基本パターンと,その入力のコツをまとめたので,苦手な必殺技コマンドがある人は参考にしてほしい。

本作では,コマンドの一部を省略できるシステム――いわゆる“簡易コマンド”は極一部のコマンドにしか採用されていない。そのため,コマンドは表記どおりにきちんと入力しよう。練習中,同じ箇所で失敗してしまうようなら,画面右端に表示される入力履歴をチェックしてみよう。いずれかの方向が欠けているなど,失敗の原因を特定できる
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コマンド レバーでのコツ 方向キーでのコツ
236 レバーを2に入れたあと,レバーを下側に沿わせつつ6まで持っていく。失敗するときは,6までレバーを上げられていないか,きっちり3を経由していないかだ。なお623コマンドに化ける場合は,レバーを2ではなく1から始めると良い。 親指の関節で2を押さえてから,6目がけて親指の腹を押し込む。親指を宙に浮かさないように意識しよう。
└ このパーツが含まれるコマンド:2362362363214
214 236の逆パターンだが,左手の構造上,レバーが1で止まりやすい。2から4に向かって,レバーを引っ張るイメージで操作しよう。 親指の関節で2を押さえてから,4に向けて関節を滑らせる。こちらも,親指を宙に浮かさないように意識するといい。
623 623を分割して考えるのがコツ。6に入れたあとに力を抜けば,レバーが自然にニュートラルへと戻る。そこから236を出すつもりで,レバー外枠下側をこするように入力する。 レバーと同様,623の入力を分けて考える。親指の腹で6を押したら方向キーから指を離し,続けて236を入力するつもりで操作しよう。
41236

63214
236と同様,レバーのガイドに沿いながら,4から6まで持っていく。素早く入力すると斜めや最後の横方向に入らないことが多いので,入力履歴をチェックしてみよう。なお,斜め方向は1ヶ所だけ省略可能だ。 親指の間接部分を滑らせて41と入力したあと,236を入力する。63214の場合は,親指の腹で63を入力し,残りは214のように親指の関節を滑らせること。なお,斜め方向は1ヶ所だけ省略可能だ。
└ このパーツが含まれるコマンド:6321462363214
96 いわゆる低空ダッシュコマンド。9でジャンプし,レバーを離してからすぐに6を入力する。最初の9を正確に入れることと,レバーを弾くように入力するのがポイントだ。 親指の指先で9を入力し,すぐに6を入力すればOK。66と同様,2連打で出せるので,レバーよりも簡単だ。
2147 214の技をジャンプ直後に出すためのコマンド。普通に214を入力し,そのまま7までレバーを持っていく。レバー入力が一つ多い分,ボタン入力を一瞬遅らせるのがコツだ。 基本的な考え方はレバー入力と同じ。最後の7まで方向キーから指を浮かせず,一気に入力するよう心がけよう。
62393 ジャンプ直後に623の技を出したい場合に必要なコマンド。623693と分割して考えると出しやすい。 レバーと同じく,623693と分割して考える。非常に素早い入力が必要なので,最初はできなくても良い。徐々に慣れていこう。

・キャンセルって何?

 連続技や連係を組み立てるうえで必須となる“キャンセル”。ここでは,2D格闘ゲームの基礎テクニックであるキャンセルについて,その概念を改めておさらいしておこう。
 格闘ゲームにおけるキャンセルとは,「実行中の行動を中断し,別の動作に移る」現象と,それを利用したテクニックの総称。中でも代表的なのが“必殺技キャンセル”で,これは通常技ヒット後の硬直時間――攻撃のスキを必殺技で上書きできることを利用したものだ。これによって通常技から必殺技を連続ヒットさせられるのだ。

キャラクターの攻撃動作は,概ね“予備動作→攻撃→硬直”という順に状態が遷移する。必殺技キャンセルは,この硬直部分を必殺技によってキャンセルすることで,“予備動作→攻撃→予備動作→攻撃”という流れを作り出す。最初の攻撃がヒットしていた場合は連続ヒットし,ガードされていても割り込まれない連係となりやすい
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 一般的にキャンセルというと必殺技キャンセルを指す事が多いが,格闘ゲームにはそのほかにもさまざまなキャンセルが存在している。“連打キャンセル”は,立ちPやしゃがみP,ジャンプPといった小技に使われるキャンセルで,同じ技を連打するだけで前の攻撃の硬直がキャンセルされて連続ヒットする仕組み。“ジャンプキャンセル”は,必殺技の代わりにジャンプによって硬直をキャンセルするものだ。
 また通常技から通常技が出せるガトリングコンビネーションも,広義にはキャンセルの一種と言え,さらに本作ならではの“ロマンキャンセル”は,ゲージを消費することであらゆる行動をあらゆるタイミングでキャンセルできてしまう(もちろん制限はある)。

 単位時間当たりの攻撃密度を技術によって上昇させられるキャンセルという概念の発見によって,2D格闘ゲームのゲームデザインは飛躍的に進歩を遂げた。以後,さまざまなタイトルがそのシステムを洗練させてきた先に,今の格闘ゲームがある。そしてロマンキャンセルは,その進化の到達点の一つと言って過言ではなく,これをめぐる駆け引きが,さまざまな名勝負を生み出してきた。名前どおり,まさにロマンにあふれたゲームシステムといえるだろう。

応用範囲の広いキャンセル行動だが,可能なタイミングは技ごとに細かく設定されている。そのため慣れないうちはボタンを連打してしまいがちだが,できれば狙ったタイミングでキャンセルできるようにしておきたい。攻撃がヒットしたタイミングでボタンを押していくのがポイントだ
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