しかしながら,本作は格闘ゲームとして見た場合,なかなかに「骨のあるゲーム」である。アーケード版からの熟練のプレイヤーならいざしらず,その個性豊かなキャラクターに惹かれ,なんとなく手に取った人がいたとしたら,どこから手を付ければいいのか迷ってしまうことも想像に難くない。
ここでは,初めてギルティギアシリーズをプレイする人に向けた初心者指南――ファーストステップガイドをお届けする。ギルティギアシリーズが初プレイという人にも分かりやすく解説していくので,ぜひ参考にして欲しい。格闘ゲーム自体初という人は,用語集なんかも合せて参照しつつ,できれば頑張ってついてきてくれると幸いだ。
なお,本稿は以下の8つの章で構成されている。
1. 「GUILTY GEAR Xrd」とは(このページ)
2. まず動かしてみよう
3. キャラクターの選び方
4. 攻め方の基礎
5. 守り方の基礎
6. さらに上を目指すために
7. 上級者を目指す攻めの応用
8. 上級者を目指す守りの応用
章が進むに従って,徐々に高度な内容になっていくので,自分のレベルに見合ったところから読んでもらって構わない。例えばほかの格闘ゲームをプレイした事があり,大まかな基礎が分かっている人は,第3章あたりから読み進めるといい。また,単純に自分が気になるところだけをチェックしてもらってもいいだろう。 2. まず動かしてみよう
3. キャラクターの選び方
4. 攻め方の基礎
5. 守り方の基礎
6. さらに上を目指すために
7. 上級者を目指す攻めの応用
8. 上級者を目指す守りの応用
1.「GUILTY GEAR Xrd」とは
さて本題に入る前に,まず本作「GUILTY GEAR Xrd」(以下,GGXrd)がどんな格闘ゲームなのか,整理するところから始めよう。さまざまなタイプのものが存在する格闘ゲームだが,本作の基本はごくシンプルだ。基本的に1対1のゲームなので,途中でサポートキャラを呼び出したり,プレイ中に操作キャラがバトンタッチすることはない。ユーザーインタフェース(いわゆるゲージ類)も,初級レベルでは体力ゲージとテンションゲージさえ見ておけば問題ないようにできている。一方で,本作の格闘ゲームとしての立ち位置は,かなり極端なところにあると言っていい。''「ハイスピード」「起き攻め重視」「コンボゲー」''などなど,その在り方を形容する言葉はさまざまだが,筆者なりに本作の特徴をまとめると,以下の3つが挙げられるだろう。
1.1. 超個性派揃いのキャラクター達
無敵技とコマンド投げを併せ持つハードボイルドな主人公・ソル,髪の毛を変型させて戦う女性キャラクター・ミリア,本体と影を同時に操作しながら戦うザトー=ONE,2つの大剣を操り,ときに分離させて戦うポンチョ姿の褐色娘・ラムレザル。本作のキャラクター達は,マニアックな要素をふんだんに取り入れながら,唯一無二のセンスでまとめ上げられた個性派揃いだ。それは単なるビジュアルだけに止まらない。バトルスタイルについても同様で,それぞれのキャラクターが,ほかの格闘ゲームではあり得ないような尖った性能を持っている。その個性のぶつかり合い――相手の長所をいかに封じ込め,自分の長所を引き出すかという駆け引きが,まさに本作でしか味わえない“ギルティらしさ”を生み出している。
1.2. セルアニメと見まがうグラフィックス
本作の特徴はと聞かれたとき,誰もが真っ先に思いつくのは,そのグラフィックスの素晴らしさだろう。2D格闘ゲームのバトルシステムを踏襲しつつ,3Dグラフィックスを駆使した作品はこれまでにもあったが,セルアニメと見まがうビジュアルを実現した本作は,それらとも一線を画している。バトルシーンでは3Dグラフィックスを活かしたド派手な演出が展開され,家庭用独自のSTORYモードでは,本作の物語を,それこそアニメを見るように楽しめる。もちろん,ビジュアルの良さが格闘ゲームのすべてではないが,プレイのモチベーションを支える大きな要素の一つであるのは間違いない。いわゆる“キャラゲー”としても,本作はその新境地を切り拓く作品と言って過言ではない。
1.3. 爽快なガン攻めバトル
豊富な移動手段を駆使して相手に近付き,ガトリングコンビネーションで連係を組み立て,中段攻撃のダストアタックや強力な投げでガードを崩す。「GUILTY GEAR」シリーズのゲームデザインをシンプルに言い表すなら,ズバリ「攻めゲー」という言葉がピッタリと当てはまる。中でもあらゆる動作を中断して動き出せるゲームシステムであるロマンキャンセルは,シリーズのコアとなるシステムと言って過言ではない。そうした特徴は本作にもしっかりと受け継がれており,同時に更なる進化を遂げたものとなっている。 これを活用することで,創意工夫を凝らした戦術や連続技を生み出すことができ,高い自由度を活かして自分なりの戦い方を生み出せるのだ。それによって相手をねじ伏せる爽快感。それこそが,対戦格闘ゲームとしての本作の大きな魅力といえる。
接近手段や相手のガードを崩すための技が豊富に用意されているうえ,テンションゲージによって攻めれば攻めるほどより強力な行動が可能になる。この“攻めたもん勝ち”の爽快さが本作の魅力だ |
それまでの行動を強制的に中断するロマンキャンセル。工夫次第で攻守共に活用できるこのシステムは,格ゲー史的にも大きなインパクトを残し,以後の格闘ゲームに多大な影響を与えた。本作における同システムは,その正統進化形といえる |
冒頭にも述べたとおり,本作はなかなかに「骨のあるゲーム」である。もしかすると,最初に越えなければならないハードルは,ほかの格闘ゲームよりも高いかもしれない。しかしそれを越えた先には,めくるめく対戦ライフが待っている。というところで,さっそく次のステップに移っていこう。
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