2025年は「金」「緑」「橙」！　“1年のラッキーカラー”でゲーム業界の今年を見つめ直し，来年の機運を読み解く

　よいお年をー，なこの時節。ゲーム業界の2024年を見つめ直すと，どんな年だったのか？　また2025年はどんな年になるのか？　運気の観点から“ラッキーカラー”で読み解いてみることにした。

　占者は，「占い　ゲーム好き」で検索したら見つかったときからの縁。レトロゲーム好きな占い師VTuber「マオ・シルフィーユ」さん。

そもそも「ラッキーカラー」って？

4Gamer：
　ほええ。ラッキーカラーの根拠ってそういう感じで。

マオ・シルフィーユ：
　西洋占術だと火・水・風・地の4元素なので，またちょっと変わりますけども，要はそれらのエネルギーを色に見立てているんです。

4Gamer：
　となると赤は火。青は水。緑は木。黄は……黄は？

マオ・シルフィーユ：
　土ですね。よく「黄金の大地」と呼ばれていたように，地に根ざしたものは黄色や金色の要素で例えられてきました。黒なら夜や闇，あとは影とか。白は逆に光などです。
　こうした事象から，世の中の吉兆が見いだされてきたわけです。


4Gamer：
　ラッキーカラーは全何色とか決まってるんですか。

マオ・シルフィーユ：
　大きく分けると陰陽五行の5色に集約されます。ただ，そこからいくらでも細区分できるため，色の数に決まりはありません。

4Gamer：
　ラッキーカラーにも「おみくじ」のように，良い要素だけではなく，悪い要素も含まれているんでしょうか。

マオ・シルフィーユ：
　はい。以前もお話ししましたが，例えば赤は情熱を意味するものの，いきすぎれば火傷しちゃう，みたいな作用も考えられます。
　ですから，もしラッキーカラーがピンクでも，部屋中をピンク一色にしたところで運気が上がるかというと，そうでもないわけです。

4Gamer：
　今年は赤が1位，青が2位などの順位もある？

マオ・シルフィーユ：
　ありますね。例えば2023年は緑が主役でしたが，2024年は青と緑のうち，運気的には青色のほうがちょっと強めでした。

4Gamer：
　ラッキーカラーって占う人ごとに変わるんでしょうか。

マオ・シルフィーユ：
　変わります。大別すればこちらも陰陽五行の5色に集約されますが，そこに干支を組み合わせるだけでも，5×12＝60通りになります。さらに，十二支と組み合わせて年月日などを表す十干や，方位などで考える風水も加味すれば，それだけで結果は無数に枝分かれします。
　あとは占う人だけでなく，占われる側も十人十色です。仮に「世の中的には赤の年」でも，その人の生年月日などを加味すれば，全員が全員，赤色で運気を呼び込めるとは限りません。

4Gamer：
　なんでしょう。厄年的な？

マオ・シルフィーユ：
　そうですねー。

4Gamer：
　つまるところ，どの要素をどれだけ組み合わせて，無数にある答えからどれを提示するのかが，占者の腕前なんですね。

マオ・シルフィーユ：
　そういうことです！


4Gamer：
　ラッキーカラーはどうやって取り込めばいいんでしょう。

マオ・シルフィーユ：
　取り込み方は正直なところ哲学的な話であって，科学的な解釈は難しいのですが，分かりやすい代表例は食べ物ですね。
　あとは財布などの身につけるもの，カーテンなどの家に置くものなどです。スマホの待ち受け画像で験を担ぐ人もけっこういますし，女性ならネイルにラッキーカラーを取り込む人もよくいます。

4Gamer：
　ゲーマー的にはスマホカバーやコントローラとかですかね。

マオ・シルフィーユ：
　あとはゲームハードですね。なんなら「黒の年にダークファンタジーをやる」だったり「白の年に大空を飛べるゲームをやる」だったりとか，そういうことでも多少は影響があると考えられています。

4Gamer：
　そう聞くと，色って究極的な視覚情報ですねえ。あらためて気付いたように見せかけて，とくに至った真理などはありませんが。

マオ・シルフィーユ：
　そうですね。だから人間は昔から，いろいろな事象を目にしたとき，最も分かりやすい色で例えてきたんだと思います。

「2024年」のラッキーカラーって？

4Gamer：
　水色のパッケージや，緑色のキャラクターが強かったんですね。

マオ・シルフィーユ：
　ついでに，今年は自然食が流行する年でもあったので，とくに健康食がキテました。トレンドはイコール女性の性質も強いので，女性が好きなものが流行していくとは総じて言われてきたことですが。

4Gamer：
　験担ぎも市場原理も，ロジカルでいて永遠のマジカルですし。
（「今年はやったもの」で検索しながら）「アサイーボール」食べたことない。「BeReal」荒い写真を撮るエモ系SNS。ご存じですか？

マオ・シルフィーユ：
　あー，なんかTVで見ました。若い子にはやってるやつですよね。


4Gamer：
　風や木の年というのは，自然豊かで牧歌的な意味でしたか。
　大自然の農園ゲームが熱い，とか直球だったのかなと。

マオ・シルフィーユ：
　見方としては，ガチガチに準備してきたものや，もともと根付いていた概念の再利用ほど，風に運ばれるようにして情報社会に浸透し，各所で新しいなにかを芽吹かせられる，といったものでした。

4Gamer：
　ゲームで例えると，「往年の名作のリメイク系」や「親しみある概念を用いた新規アプローチ」が強かったと。
　例はいくつも思い浮かびますが，答えは想像に委ねつつ。

マオ・シルフィーユ：
　そういう，長らく動きのなかったシリーズが帰ってくるとか，昔は人気だった要素がまたブームになるとかが分かりやすい例ですね。
　それと，今年は気のテーマが「勝意」であったため，対戦ゲームや格闘ゲームなどは時勢に乗りやすい年だったかと思います。


4Gamer：
　ちなみに2023年はどうだったんですか。

マオ・シルフィーユ：
　「未知の新しいものがヒットする年」とされました。とくに，下積みからはい上がってきた新しい人たちがドーンとくる時代と言われていて，インディーズ界隈からの成功が予想されていました。

4Gamer：
　あと，今はデジタル業界の観点で見てもらっていますが，違う業界，一例としては農業や飲食業界だと違う解釈になるんですかね。

マオ・シルフィーユ：
　なりますね。今年はとくにデジタル業界の機運でして，運気的にもメタバースなどの新たな概念が主役になりやすいと考えられていました。なので，そこから外れる業界はまた見方が異なっています。
　端的に，まずはラッキーカラーが先にあって，それを私たちに当てはめたていったらどうなるか。そういう見方と言えます。

「2025年」のラッキーカラーって？

4Gamer：
　では順に聞きますが，金色はどんな解釈になるのでしょう。

マオ・シルフィーユ：
　金は色的にも物質的にも，とくにエネルギーが強いとされています。昔は位の高い人たちが金の装飾を身につけていたように，伝統や権威の象徴でもあります。色としては，自分自身の意志を固めたい，自分を強く見せたい，あるいは戦いに赴くときなどに最適ですね。


4Gamer：
　伝統で強気に攻めるゲームが強いかもと。
　続いて，緑色はいかがでしょう。

マオ・シルフィーユ：
　緑は巳年にちなんだヘビの要素が強いです。ヘビは脱皮するたびに新しい体になることから，常に成長し続ける生き物と見られてきました。ですからラッキーカラー的にも，緑色を取り入れると常に成長できる，伸びていけるなどの運気を取り込めると言えます。
　ゲームで言えば，育成シミュレーションなどと相性がよさそうですね。そこに緑系の要素をちょっと足したりで。ほかにも会社や業界を成長させたいという意味で取り入れるのもいいかもしれません。

4Gamer：
　既存のしがらみから脱却したゲームが成長しやすいかもと。

マオ・シルフィーユ：
　あとは昔の日本の占いにおける言葉遊びですが，水道の「蛇口」は水がジャブジャブ出るじゃないですか？　そんな蛇口の様子から“自分のよさをあふれ出させる色”といった見方も考えられます。


4Gamer：
　家の蛇口をキレイにするだけでもあやかれそうですね。
　最後に，橙色はどうでしょう。

マオ・シルフィーユ：
　来年は「なにかをはじめる準備」の機運が高まります。これは世に出す前の話で，挑戦や企画の基盤作りを指します。そのとき，周囲のエネルギーが自分に投資してくれる，といった考え方です。
　橙色は，大地を耕したときに見えてくる新鮮な赤茶色の土のように，悪くなったものを入れ替えて，新しいものを取り入れる色ともされます。なので新たな人脈作りや人集めを考えているのなら，オレンジ系のカラーを取り入れると強い後押しになってくれるかもです。

4Gamer：
　種まきの時勢だと。

マオ・シルフィーユ：
　はい。ちなみに長期プロジェクトなどであれば，来年は橙色を取り入れつつ，年をまたいで運気が変わったら，次のラッキーカラーを差し入れていていく，といったやり方でも運気は呼び込めます。


4Gamer：
　金と緑とオレンジを取り入れたもの。なんだろう。

マオ・シルフィーユ：
　なんでしょうねえ。

4Gamer：
　……「神龍とドラゴンボール」？

マオ・シルフィーユ：
　確かに（笑）。辰ではないですが，ヘビも鱗ですし。


4Gamer：
　そういえば，干支って世間的に「2月にもなると存在感が薄れる」のが通例ですが，我々は通年で影響下にあるんですよね？

マオ・シルフィーユ：
　そうです。日本人は季節の変わり目などで，縁起や施策を次々と乗り換えていくので，気付けば干支の縁起物を片付けちゃう方々もたくさんいますが，ちゃんと年をとおして影響があります。

4Gamer：
　あと，金・緑・橙のラッキーカラーは世界中でそうなんですか？

マオ・シルフィーユ：
　東洋占術の考えではそうです。もちろん西洋占術をはじめ，地域ごとの風習などで信じられているものは違いますけれどね。

4Gamer：
　私も「今日の占い」レベルですらあまり意識してこなかった身ですが，どうせならクソデカ長いものにふんわり巻いてもらってタダ乗りだけはしておこうと考え直したところなので，来年は世の中をラッキーカラーでも見られればと思います。覚えてたら。

マオ・シルフィーユ：
　ぜひぜひ。


　ゲーム市場はセールスの結果やバイラルの情報で，プロダクトにどのような狙いがあったのかを分析できる（できないこともある）。
　また，ゲーム開発者のなかにはラッキーカラーの発想などなく，すべては努力や追求で成果につなげたと言える人もいるだろう。

　ゆえに今回は「今年売れたゲームにラッキーカラーが使われていた例」などを安易に出すのは控えた次第である。

　個人的にも，ラッキーカラーを取り入れることで，それが目に見えるなにかにつながる，などと即物的には考えられない。ただ，個性重視と叫ばれる時代にあっては，着たり包んだりには使わずとも，自分をフワッと巻いてくれる長いものが1本くらいはあってもいいと思った。

　果たして，今年のラッキーカラーが分かりやすく的中している例はあるのか。来年のラッキーカラーを完璧に使いこなす例は出てくるのか。真面目に数分ほど考え込むのも悪くないが，今は年末年始だ。愉快な小話を目にしたと思って，こたつに入りながらそのうち忘れてしまうくらいでいいとしよう。そしてそのうち，あともう一歩だけ，なにかに頼りたくなったときに，思い出すくらいでちょうどいい。