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石丸伸二氏は暗号資産による「金融包摂」に期待を寄せる。「ReHacQSP 不透明な未来:金融の知識を武器に人生を切り拓く」をレポート[WebX]
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印刷2024/08/30 17:22

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石丸伸二氏は暗号資産による「金融包摂」に期待を寄せる。「ReHacQSP 不透明な未来:金融の知識を武器に人生を切り拓く」をレポート[WebX]

 Web3カンファレンス「WebX2024」の2日目(2024年8月29日),ReHacQとWebXのコラボセッション「ReHacQSP 不透明な未来:金融の知識を武器に人生を切り拓く」が行われた。

 東京都知事選への出馬が記憶に新しい前安芸高田市長の石丸伸二氏と,高千穂大学の商学部教授である内田 稔氏が登壇し,ビジネス動画メディア「ReHacQ」を運営するtonariの代表取締役社長である高橋弘樹氏がモデレーターを務めた。

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 石丸氏と内田氏は三菱UFJ銀行のアナリストとして同じチームで10年弱働いた経験があり,高橋氏は「石丸氏がサラリーマン時代どんな人だったのか聞きたい」とブッキングの意図を説明した。

 内田氏は,石丸氏の先輩として働くなかで「石丸氏が政治家に向いている」と感じる機会が何回もあったそうだ。とくに前日のマーケットについて解説する朝会で,具体的な情報ではなく「仕事への向き合い方」のようなメッセージの発信が多かったことが印象的だったという。石丸氏は「言われてみれば変わっていたかもしれないが,自分のなかでは自然なことだった」と述懐した。

 また内田氏は「石丸氏のレポートはぜい肉がすべて削ぎ落とされていて直すところがなかった」と述べ,「最近の演説動画がそのままレポートになっているような感じ」だと振り返った。高橋氏が「サラリーマンとしての石丸氏の評価」について聞くと,内田氏は「石丸氏の主張は常に『ド正論』なので,それをすごいと思う人と,苦々しく思う人に分かれていたのではないか」と答えた。

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石丸伸二氏
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内田 稔氏

 石丸氏と内田氏は共に為替を専門としており,石丸氏は「6月のReHacQの番組での内田氏のドル円予想が当たった」ことに触れる。今後の見通しについて聞かれた内田氏は「日米の金利差は縮小するのでドル安円高が基本的な見方だが,アメリカの大統領選挙があるので円安の可能性がないわけではない。アメリカよりも日銀が鍵となるだろう」と応じた。

 為替の話題がしばらく続いたあと,高橋氏は「Web3への興味」について両氏に質問した。内田氏は「投資としても興味はあるが,金融包摂という観点で重要だと思っている」と回答。金融包摂とは,金融インフラを広めていく取り組みだ。世界には銀行口座を持っていない人が10億人以上いて,暗号資産にはその状況を改善するポテンシャルがあるという。

 また,投資対象として見たときの暗号資産は「少し怖い」と内田氏は分析する。為替なら購買力平価,株なら株価収益率によって割高割安をバリュー判断できるが,暗号資産は需給のみで価格が決まるのでボラティリティが高いそうだ。そして資産を保全するという観点では,ハッキングに対する取引所のセキュリティに課題があるとのこと。

 石丸氏も「金融包摂の観点でめちゃくちゃ期待していたし,今も期待している」と暗号資産を評価する。2019年にFacebook(現Meta)が暗号資産「リブラ」の構想を発表した際には,「これが社会を良くする」とレポートを書いたことがあり,発展途上国の金融インフラを整えるだけでなく,先進国においても既存のサービスが変わっていくきっかけになると思ったという。
 そして,それが金融規制によって封じ込められてしまったことについては,単なる正義だけではなく,金融会社が既得権益を奪われたくないという防衛本能のようなものが働いたのではないかと指摘した。

モデレーターを務めた高橋弘樹氏
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 このあとは,前日に西村ひろゆき氏が参加したセッションや,三菱UFJ銀行での石丸氏についての話が繰り広げられ,セッションの最後で再び暗号資産の話題に戻った。

 「暗号資産が実際の通貨に影響を及ぼすことはあるのか」と問われた内田氏は,「もし世界各国の中央銀行がドルの代わりにビットコインを持つようになったら,ドルにとっては悪影響」と解説したが,本当にそのような時代が来るかどうかは未知数だという。

 石丸氏は「三菱UFJ銀行がアセットの運用に暗号資産を入れ始めたら影響がある」とし,株と債権の同時安を例示した。これは両方を保有している人が,片方で損失が出るともう片方を売って穴埋めするために起こるとのことで,ビットコインの暴落が金融機関のバランスシートに影響を及ぼすような時代になったら,同時安は起こり得ると予想した。

 そして,「ひょっとしたらそんな未来も来るかもしれない」と高橋氏がセッションを締めくくった。
 
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