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これはジョジョファンへの「試練」だ。体験型クイズアトラクション「JOJO WORLD Quizzes」で難問を乗り越えろ!
こちらの催しは,日本各地で開催される体験型イベント「JOJO WORLD」の第3弾にあたり,東京(2024年3月1日〜5月12日),大阪(5月24日〜7月7日),博多(7月19日〜8月18日)での開催が決定している。
今回はタイトルに「Quizzes」と付いているように,ジョジョにまつわるクイズに挑戦するアトラクションが2種,ジョジョの歴史や名場面を振り返るミニゲームが3種用意されている。のちほど詳細をお伝えするが,クイズにはかなりの難問も含まれており,ジョジョファンとして挑みがいのある内容だった。
また,本稿ではこれから「JOJO WORLD Quizzes」を体験しようと考えている人にも役立つ情報もお届けする。なお,クイズに関してのネタバレは一切なく,たまに文中に漏れ出てしまうジョジョワードも出題内容とは関係ないのでご安心を。
グレートでスよ こいつはぁ〜〜〜〜っ
「JOJO's Quiz& Adventure」で正解を叩き込め!
今回の目玉の1つ「JOJO's Quiz& Adventure」は,頭と体を使う体験型クイズアトラクションだ。個室となるブース内に入り,モニターに表示される問題をタッチパネルで解答していくもので,最大4人で挑戦できる。
また,6つのコースがあり,「ファントムブラッド」から「ストーンオーシャン」までの,いずれかのコースを選んでプレイすることで,そのシリーズ(部)の物語を追体験できるようになっている。
まずは,スタッフさんにプレイしたいコース(部)を伝えて,ブースの中に入る。今回は,協力プレイの楽しさを知るために,特別にスタッフさんとチームを組んで挑むことに。
ブースには3つの大きなモニターがあり,選んだコースの「ダイヤモンドは砕けない」のアニメカットが映し出される。そして,アニメと同じ,声優の大川 透さんのナレーションによりあらすじが語られていく。こちらのナレーションはこのアトラクションのために録り下ろされたものだそう。しかも,冒頭だけでなく最後の場面までしっかりナレーションが入っていたので,かなりの豪華仕様といえる。
仗助,康一くん,承太郎……,「ダイヤモンドは砕けない」の思い出が蘇ってきたところで,いよいよ第1問! 正面の画面に表示された問題に対する答えを,両サイドのタッチパネルを使って入力するのだが,文字が1文字ずつバラけているうえに,左右の画面で表示内容が異なっているのだ。
例えば「ジョジョ」と入力したい場合,「ジ……,あ,右のパネルにあった!」「ョ……ョ……左か!」というように,文字を探して飛びつくような感じだ。懐かしのバラエティ番組を体験しているようでもある。
そして答えを入力できたら,正面に置かれた大きな丸いボタンを押し込んで決定! すると,即座に正解・不正解が発表される。この時,ブースの床がブルブルと震えるのには驚かされたが,全身で手応えを感じられるのも,こうしたアトラクションならでは。
クイズは文字入力だけでなく,絵柄を選んだり,正しい組み合わせになるようにキーワードをスライドさせたりと,さまざまな形式があった。さらに,床のフットパネルの上で足踏みするなどのアクションタイムが発生することも。レトロゲームに明るい人なら「ファミリートレーナー」を思い出されるかもしれない。
そうして名場面とクイズを交互に体験しながらアトラクションは進行していき,クライマックスでは,ジョジョでは欠かせないラッシュを叩き込むことになる。先ほどの丸い決定ボタンが,なぜこんなに大きくて,フカフカのクッション素材で覆われているのだろうと不思議に思っていたのだが,そういうことだったのだ。
出題で指示されてはいないけれど,思わず「オラオラ…」と叫びながら連打してしまった。でも,そのおかげでスゲー爽やかな気分になれたし,頭も体も使った心地よい疲労感が得られた。
ラストは正解数に応じたランクが発表される。今回は惜しくもAランクだったが,初めてにしては上出来じゃあないだろうか。スタッフさんと左右を分担し,声を掛け合ってプレイできたのも楽しかった。友達同士で挑めば,盛り上がること間違いなしだ。
本アトラクションは,もちろん1人でもプレイできる。その場合は華麗な反復横跳びをしながら解答していくことになるだろうが,それもまた面白そうだ。もしソロ参戦者同士で,プレイしたいコースが一致するなら即席チームを組むというのもアリかもしれない。
筆者とスタッフさんがそうであったように,ジョジョが好きなら初対面であろうが関係なく,絆を感じられるように思う。
アトラクション体験後は,クリアしたコースとランクが分かるスタンプカードがもらえる。6コースすべてを体験し,このスタンプカードを埋めればイベント描き下ろしイラストをあしらったプレート(お皿)がもらえるのだ。
また,各コースを遊んだ特典として,そのコースのワンシーンが描かれたポスターがもらえるのもうれしい。主人公とボスの絵柄の2種があり,そのうちどちらかがランダムでもらえるのだ。
今回は「ダイヤモンドは砕けない」コースなので,仗助か吉良のどちらかになるが,どっちがきてもうれしい絵柄。今回は仗助のポスターだった。ちなみに,ポスターはちゃんと厚紙で守られた状態でいただけるので,持ち帰る時に折れたりする心配がないのもありがたかった。しかも,物販でゲットできるショッパーとサイズがピッタリ。
【JOJO's Quiz& Adventureのポイント】
・動きやすい服装,靴で挑む
・汗かきさんはハンカチやタオルを用意
・遊ぶ予定のコース(部)を復習しておく
幹部への道を切り開く!
「SPW財団入団試験」に挑戦
もう1つのアトラクションは 「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズにて,ジョースター家を支え続けてきたスピードワゴン(SPW)財団の一員を目指す「SPW財団入団試験」だ。早速,試験会場となるSPW財団の日本支部に足を運んでみると……。財団の紹介映像や,創設者であるロバート・E・O・スピードワゴン氏の企業理念などが掲げられており,「ちゃんとした団体」感がある。
ここで開催される「SPW財団入団試験」は,先述の「JOJO's Quiz& Adventure」とは異なり,着席して(着席は幹部コースのみ)タッチパネルで解答するという形式で,出題範囲は「ファントムブラッド」から「ストーンオーシャン」までの全シリーズが対象と幅広い。また,一般コースと幹部コースの2種類があり,一般コースよりも幹部コースのほうが難しい内容となっている。
まずは一般コースを受験することにしたが,支部の奥に足を踏み入れると黒一色。まるで暗闇の荒野のようだ。試験端末に案内されると,幹部コースのみカーテンが閉められてちょっとした個室になる。一瞬,「これならスマホで答えを調べられちゃうんじゃあないの?」という考えがよぎったが,心の中のアバッキオの同僚が「結果だけを求めていると人は近道をしたがるものだ……」と囁いてくれた。危うく真実を見失うところだった。
着席してヘッドホンをつけると,画面に注意事項が表示され,アナウンスが聞こえてくる。試験官の声は,「黄金の風」でスコリッピ役も担当された声優の野島健児さんだ。
クイズは選択問題が12問,パズルが1問の計13問が出題され,トータルで8分ほどの体験時間となるようだ。
覚悟を決めて試験をスタートすると,いきなり難問にブチ当たる。「うわっ,こんなに難しいの!?」と焦ったが,続く問題は復習の甲斐もあって正解できた。実は,この日のためにジャンプコミックス「JOJO's Bizarre Quizzes 500 ジョジョの奇妙な問題集」で,試験対策をしていたのだ。
だが,最後にパズルという試練が待ち受けていた。アニメのカットシーンを用いたジグソーパズルで,ピースをスライドしてはめていくのだが,制限時間は120秒。焦ってしまって完成させることはできなかった。ちなみに,一般コースは2人まで一緒に体験でき,相談も可能とのこと。今回,もし2人で挑戦できていたら,パズルも間に合ったかもしれない。
さて,パズルを終えたら合否の発表だ。結果は合格で,13問中10問正解のAランクッ!
一般コースの感触として,簡単ではないが,「ファントムブラッド」から「ストーンオーシャン」を見てきたジョジョファンなら答えられるレベルだと思う。また,クイズはランダムで出題されるので,プレイするたびにほぼ違った問題になるとのこと。
これで晴れてSPW財団の一員となれたわけだが,さらなる高みを目指すべく「幹部コース」を受験してみることに。……結果から言うと惨敗だった。一般コースとは比べ物にならないくらい難しかった。ここからは敗因の研究も兼ねて,幹部コースを振り返ってみよう。
まず幹部コースは一般コースとは違い,1人だけで挑まなければならない。そして一次試験は選択問題18問で,制限時間が7分となっている。つまり,各問題にどれだけ時間をかけるかは,受験者次第ということだ。
画面右上に残り時間が表示されているので,「あと3分で残り3問,1問に1分は考えられる」などと配分ができるわけだ。冷静でいられたらいいが,実際は,この問題はもう考えるのをやめてサッサと次に行くのがいいのか,と葛藤するばかり。ちなみに,幹部コース受験コーナーも個室だったので,独り言がダダ漏れても恥ずかしくないのが救いだった。
そもそも,問題文を読解することが難しい。「AかBかどっち? ファイナルアンサー」なんて単純なものじゃあなくて,文章が長めかつ,考えて答えなければならない問題なのだ。それなのに,ここでも制限時間が焦燥感を煽る。受験中の状況を思い返してみると,問題文でパニックになり,当てずっぽうで解答していたことが多かった。こんなことなら数十秒くらい,素数を数えて落ち着けばよかった……。
そして二次試験はリスニング問題が3問出題される。ヘッドホンから流れる曲を聞いて,どのシリーズのBGMなのかを当てるのだ。出題されるのは楽曲の一部分で,制限時間内なら任意で何度も再生できる。正直,このリスニング問題を甘く見過ぎていた。「メインテーマ」を知っているくらいじゃあ,まるでダメだった。
もちろん,曲調や音色から「電子音が使われている? ジョセフ……戦闘潮流?」とか,「不穏な曲! 柱の男っぽい……戦闘潮流?」とか,「荘厳な曲だからイタリア……黄金の風?」などと推理してみたが,全敗だった。
「ジョジョの奇妙な冒険」のサウンドトラックは音楽配信サービスや,サブスクリプションでも聴けるので,受験者は復習しておいたほうがいいと思う。が,曲数が膨大なのと,どの部にもクラシック調,バンド調,HIPHOP調とさまざまな楽曲があって聴き分けるのは容易ではない。
筆者は受験後に,答え合わせのつもりでサントラを聴き直してみたが,「あの問題は,この曲かな」とアタリをつけられたのは1曲のみだった。ただ,あらためてジョジョの音楽を聴いてみて,キャラクターのテーマ曲はまさに彼らそのものだと再発見できたり,音楽で名場面が蘇ってきたりと思わぬ収穫もあった。
そんなこんなで,幹部コースは,21問中8問正解で不合格となった。優しいスタッフさんが「8問正解なら,いいほうですよ!」と言ってくれたのが慰めになったが……,やはり合格したかった。ぜひ,受験された人は,最終試験に漕ぎつけてほしい。
【SPW財団入団試験のポイント】
・アニメなどを見て第1部〜第6部を復習する
・セリフや固有名詞を暗記するだけでなく,物語の流れを理解する
・サントラを意識して聴き,曲名も確認しておく
・落ち着いて試験に臨む
・一般コースを友達と挑戦するなら,復習する部を分担するのもアリ
便器に手を突っ込むなんて!?
凝った演出が楽しいミニゲーム
「JOJO WORLD Quizzes」では,オリジナルの景品がもらえるミニゲームも体験できる。
「ジョースター家の血縁くじ」は,画面上の額縁を2か所タッチして登場したキャラクターの組み合わせによって,獲得する景品の賞が決まる。ここで重視されるのは血の濃さだ。例えば,1親等である親子ならA賞,5世代離れた来孫(らいそん)など遠い関係性ならC賞という具合だ。「え,ジョルノから見ると仗助は大叔父!?」と,これまで考えることすらしなかった主人公たちのつながりを再認識できたのも面白かった。
「JOJO'sメモリールーレット」は,アニメの名場面がデジタルルーレットとして用いられているミニゲーム。映写機を模した仕掛けに好きなシリーズ(部)のフィルムをセットして,ハンドルを回そう。流れる映像が止まったときに,獲得する賞が決まるのだが,つい結果そっちのけで映像に見入ってしまった。
「ブチャラティのポルポの遺産を狙え!」は,いわゆるくじ引きだが,抽選器はなんと便器……を模した容器。中に手を突っ込んで,景品の賞が記されたカプセルを1個つかみ取ろう。このくじの景品はA賞からC賞まで,ブチャラティ尽くしというのも注目だ。
億泰ばりの食レポをしたくなる,
充実のコラボメニュー
「JOJO WORLD」恒例のお楽しみ,コラボメニューはアトラクションと同じ3階のカフェにて提供されている。カフェはガシャポンのデパートを挟んだ場所にあるので,ジョジョのプライズをチェックしながら向かうのもよさそうだ。
今回は3種のメニューを試食させていただいたので,そのお味をレポートしよう。
まずは見た目にもインパクト大な「承太郎のスターダストブラックカレー」をいただく。学ランをイメージした黒いカシミールカレーは,辛さは控え目だが甘口というわけでなく,あとからじんわり辛さを感じる。いったん味わうとひきずり込まれるカラさっつーか……。具材は食感が程よく残る玉ねぎと,ポーク。どちらも噛むと素材の甘みが口の中に広がる。
鎖をイメージしたオニオンリングはサクサクだし,ボタンを表したポテトボールもイケる。それにタロットの星のカードをプリントしたモナカは,その精細さに驚かされる。
お次は「『おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?』ディオのミネストローネ」。カリッとトーストされたフランスパンが,ミネストローネを吸って味がしみこんだところもおいしい。そして,生ハムでかたどられたバラもキレイ。厨房のスタッフさんが生ハムを巻いて作っているとのことで,かなり手が込んでいる。
そのバラを崩したくなくて,一口で食べてしまったのだが生ハムはそれなりの塩気もある。1枚ずつほどいてパンと一緒に食べるとちょうどいいかもしれない。
ミネストローネの中には,珍しくゴロッとしたジャガイモが入っている。メニュー開発に携わったスタッフさんによれば,スープでも食べ応えがあるようにとジャガイモを入れているのだそう。
おかげでだいぶお腹が満たされてきたが,「猫草カップデザート」は別腹。猫草が植木鉢から生えているような見た目で,とってもかわいらしい。土をイメージしたチョコクランチはサクサク,下の層のチョコホイップやコーヒーゼリーなどと絡めながら食べると,いろいろな食感,味わいが楽しめる。
さらにうれしいポイントとしては,アイスクリームなど溶ける食材が使われていないので,焦らずに食事を楽しめるということ。アクスタや,ぬいと並べて写真を撮ったりする時間も十分に取れる。
ちなみに,この「猫草カップデザート」は今回のメニュー開発で一番難航した品だそう。「ダイヤモンドは砕けない」のどこをメニューとして再現するのか,何度も選考が重ねられたとのことだ。そこから勝ち残っただけあって,この猫草にはどこかパワーを感じるというか……,くり返しになるが,かわいい。
かわいさなら「イギードーナツ フォーチューンラテセット」も負けてはいない。こちらは前回の 「JOJO WORLD 2」で大好評だったというメニューを復刻したものだそう。もう文句なしにカワイイので,当時は連日即完売してしまったというのも納得だ。今回はより増産体制を強化したとのことだが,そもそもが腕のいいドーナツパティシエさんしか作れない逸品で,簡単に量産はできないものだそうだ。気になっている人は,アトラクションのスケジュールを確認しつつ,早めの確保を意識してみては。
もう1つ,見逃しちゃあいけないのが「JOJO WORLD Quizzes 特製スイーツクイズ付き」という,スポンジ生地にストロベリーソースやホイップクリームが乗ったトライフルタイプのメニュー。こちらは注文の仕方がちょっと特殊で,まず,カウンターにてカフェスタッフさんに好きなシリーズ(部)を伝えて,クイズの解答用紙を受け取る。そこに答えを書き,スタッフさんに提出して出来上がりを待つと……? フタをされた状態でスイーツが提供される。そしてフタを開けると,先ほど答えたクイズの正解・不正解が明かされるという仕組みだ。
今回は胃袋の都合で食べられなかったメニューもどれもおいしそうだった。器もちゃんと陶器が使われていて高級感があり,楽しい食事の時間を彩ってくれそうだ。「ディオならやっぱり陶器を使うだろうし,黒い器はまさに承太郎の学ランの色だな」なんて,キャラクターのイメージにマッチした器が選ばれているとも思えた。
今回「JOJO WORLD Quizzes」を体験してみて,取材なのにジョジョファンとして思いっきり楽しんでしまった。クイズがテーマというのも熱中しやすく,難問に出会ったときにも「自分を乗り越える事」ができるような気がして,闘志がわいてきたり……。また,おいしいコラボメニューも堪能して,ジョジョ三昧の1日だった。もし,参加の予約を迷っているなら「あしたっていまさッ!」と飛び出してみてほしい。
余談だが「JOJO WORLD Quizzes」を機に,あらためて「ストーンオーシャン」のアニメを見返したところ,ラストの解釈について自分の納得する形を見つけられたことがうれしかった。やっぱり何度も見たくなるのが名作,ジョジョの底力。またアニメをもう一巡したくなってきた。
「JOJO WORLD Quizzes」公式サイト
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