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ゲーマーが夢見た世界最大のゲームエンタメタウン「キディヤ・シティ ゲーミング&eスポーツ地区」に見る,サウジアラビアの本気【PR】
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— Qiddiya Gaming (@QiddiyaGaming) December 14, 2023
さらにeスポーツアリーナとしては世界最大規模の屋内LEDスクリーンを備え,5300席を収容する世界トップ3に入るeスポーツ会場を含む,4つのeスポーツ大会専用会場が用意される。大規模なeスポーツ大会開催時の最大収容人数は,地区全体で7万3000人に及ぶという。この施設を利用して1年を通じてeスポーツイベントが開催される予定だ。
また,イベント開催時だけでなく,世界トップクラスのeスポーツチームを常時受け入れ,最大で25のeスポーツチームが,トレーニングや競技に参加しながら生活できる環境が用意されるという。ゲームやeスポーツ業界を代表する30社以上の地域本部を誘致し,雇用創出や技術投資を促進する予定でもあるとのことだ。
キディヤ・シティ自体はサウジアラビアのエンターテイメント・スポーツ・文化芸能の首都という位置づけで開発されている。東京23区の半分ほどの面積の中に,世界最速,最長,そして最も高いジェットコースターを含む28のアトラクションを用意したテーマパーク,地域最大の水のテーマパーク,F1世界選手権を誘致予定のSPEED PARK,国際大会規格のコースを2面設置するゴルフ場など,25地区が計画されている。「ゲーミング&eスポーツ地区」はその中のひとつだ。
首都のリヤドと主要高速道路で接続されており,40分という距離。国際空港からも70kmとアクセスしやすく,交通インフラも整備される。
というのが,発表されているキディヤ・シティとゲーミング&eスポーツ地区の概要だ。いろいろと夢が広がるプロジェクトではあるが,それがゲームやeスポーツ文化に対して,どういった可能性を含んでいるのかを考えていきたい。
「キディヤ・シティ ゲーミング&eスポーツ地区」ティザーサイト
全世界のプレイヤーが憧れるeスポーツの中心地
まず注目したいのが「最大25のeスポーツチームが居住できる環境」だ。世界を見ても,これだけのチームを常時一か所に集めておける環境の確保は前例がない。サウジアラビアという「国」が主導するからこそできることだ。
eスポーツは場所を問わず,オンラインを通じて世界中の人と競える,というのが強みの1つではある。それでも通信ラグや時差の問題などもあり,「世界中どこでもだれとでも」というのは仕組みとして可能だが,現実的に可能か,と問われれば難しいと言わざるを得ない。時差はともかく,ラグに関しては日本と韓国という比較的近い国同士での対戦ですら,ポテンシャルに影響を与えると言われているほどだ。世界大会がオフラインで開催される理由もここにある。
世界トップレベルのチームが切磋琢磨する環境ができることで,そこに拠点を置くチームのレベルはさらに上がり,より白熱した競技が繰り広げられることだろう。キディヤ・シティに拠点を置くチームが最大限にメリットを得られるのは間違いないが,ほかの地域に拠点を置くチームも強豪チームがひしめく,キディヤ・シティへ遠征し,合宿のような形で効率的にレベルアップを図る,ということもできるはず。全世界のeスポーツプレイヤーが憧れる場所になりそうだ。
個人的には「俺より強いやつに会いに行く」を再現できるような場所になることを期待したい。プロのeスポーツプレイヤーだけでなく,そこを訪れた人があらゆるタイトルで腕試しとして対戦できるような場所が理想だ。遠征滞在中にスカウトされて,トッププレイヤーの道に進む,なんてことも起こるかもしれない。
1年を通じて行われるeスポーツイベント,そしてeスポーツワールドカップ
大規模なイベントを実施するうえで「考慮しなければならないこと」はたくさんある。例えば世界大会では国際的なアクセスのしやすさ,要は「国際空港」が近いかどうかが問題になる。
ほかにも数千から数万人規模の移動に耐えられる交通インフラ,その人数を受け入れられる宿泊設備など,必要なものはたくさんある。キディヤ・シティのゲーミング&eスポーツ地区は,国際空港から近い場所に位置し,eスポーツ大会専用会場があり,主要高速道路に接続された交通インフラ,そしてキディヤ・シティ全体に作られるであろう多数の宿泊施設があり,これ以上ない環境が整えられた場所となる。
また,サウジアラビアの政府系ファンドPublic Investment Fundは,eスポーツ関連企業であるSavvy Games Groupを所有しており,同社はDream Hackで知られる世界最大のeスポーツ運営会社「ESL」,そしてeスポーツプラットフォーム「FACEIT」を2022年に買収し,ESL FACEIT Groupを設立している。ソフト的な面でeスポーツイベントを開催する土壌はすでにできているというわけだ。
ソフトとハードを併せ持つ,キディヤ・シティ ゲーミング&eスポーツ地区で,1年を通じてeスポーツイベントが開催されるのは絵空事ではなく,かなり現実的な話なのである。
さらに,2024年夏からサウジアラビアの首都リヤドでeスポーツ・ワールドカップを毎年開催すると,同国のムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドルアジーズ皇太子によって発表されている。具体的な内容がそろそろ発表される予定だが,現時点で史上最大規模の賞金総額が用意されることが明らかになっている。
ちなみにサウジアラビアでは「Gamers8」という国際大会を2度開催しており,第1回では1500万ドル(約22億円),第2回は4500万ドル(約66億円)という賞金総額が用意された。ワールドカップはGamers8を引き継いで行われるもので,競技ゲームタイトルと賞金総額も増える見込みだ。
現在はリヤドで開催される予定のワールドカップも,ゆくゆくはキディヤ・シティで開催されることになるのではないだろうか。
サウジアラビア自らeスポーツ文化を牽引していこうという姿勢は数年前から感じていたが,キディヤ・シティのゲーミング&eスポーツ地区で,それがより物理的な姿で現れようとしている。地区を作ってしまう規模感も驚くところだが,これまでに進めてきた買収や投資での地盤固めからしても,その本気具合が分かる。サウジアラビアによってeスポーツという文化が加速度的に進化する可能性を秘めているのだ。
ゲーム開発拠点としても注目
最後に注目したいのが「ゲームやeスポーツ業界を代表する30社以上の地域本部を誘致」という部分だ。サウジアラビアは2022年10月の段階で,ゲームおよびeスポーツ分野に総額1420億サウジアラビア・リヤル(約5兆6000億円)規模の投資を行うと発表しており,誘致もその投資計画の一部と思われる(関連記事)。
驚くべき投資規模だが,サウジアラビア国内に250のゲームメーカーを設立する計画であり,世界的なゲーム開発拠点を目指している。業界を代表する30社以上の地域本部を誘致できれば,技術的な交流も生まれるだろうし,サウジアラビアが急速にゲーム業界で存在感を増していく存在になるだろう。
純粋に面白いゲームが生まれる可能性が高まるわけで,ゲーマーにとってはメリットしかない。世界的に類を見ないゲーミング&eスポーツ地区という環境の中で,まったく新しいゲームが登場する可能性もある。
そこで期待したいのが,トレイラーで描かれていたリアル世界を舞台にしたゲームのようなアクティビティだ。まるでファンタジー世界に入り込んだかのような冒険,SF世界をテーマにした銃撃戦のようなゲームが楽しめそうな雰囲気を醸し出している。この場所でしか遊べないゲームも生まれるだろうし,地区を丸ごとゲーム空間にした「ソード・アート・オンライン - オーディナル・スケール」のような本格的なARゲームが登場するかもしれない。ゲーマーが夢に見た世界を実現できる場所になるのではないだろうか。
eスポーツプレイヤーやファンだけではなく,ゲーマーにとっても夢が広がる場所であるキディヤ・シティ ゲーミング&eスポーツ地区は,サウジアラビアが掲げる2030年までに年間1000万人の観光客の誘致を目指す「ゲームおよびeスポーツの国家戦略」と「サウジ・ビジョン2030」の中核プロジェクトだ。キディヤ・シティの建設はすでに始まっている。新たなゲームとeスポーツの可能性を見せる,この場所の完成が楽しみで仕方がない。
「キディヤ・シティ ゲーミング&eスポーツ地区」ティザーサイト
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