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[CJ2023]秋葉原の街並みは世界に通用するIP? ライセンスエージェントを努めるPPWのブースを訪問してみた
そのポストカード(らしき)ものを見ると,描かれていたのは,「ビートルズ」や「ムーミン」「Crazy Frog」といった日本人でもなじみのあるものばかり。その中には「にじさんじEN」「大河原邦男氏がイラストを描く作業風景」「秋葉原の街並み」といった日本発のIPまであるではないか。
いろいろなIPを活用してポストカードを売っている会社なのか?
仮に,そうだとして,ビートルズから秋葉原の街並みまでカバーしているのはなんで?
さまざまな疑問を頭に浮かべながら関係者に尋ねてみると,そこは,PPW(Promotional Partners Worldwide)という香港に本社を置くさまざまなIPのライセンスを管理している会社とのこと。
IPビジネスを30年以上もワールドワイドに展開しており,2008年の北京五輪とFIBAバスケットボールワールドカップ2019では,国際マスターライセンシーに任命されるなどの実績を重ねている。
そんなPPWがChinaJoy 2023に出展する目的は,国内での顧客拡大を目指しているから。中国での知的財産権に関する法整備が整うにつれ,ライセンスエージェントの需要が高まり,PPWも国内のマーケットに力を入れているのだそうだ。
つまり,「にじさんじEN」「大河原邦男氏がイラストを描く作業風景」(正確には大河原氏が描いたイラスト),「秋葉原の街並み」といったものは,PPWが中国国内向けに代理店として取り扱っている日本のIPだったわけだ。
Tシャツやフィギュアといったグッズ展開を考えている中国国内の会社から問い合わせが寄せられており,応じてくれた担当者も「日本はIP大国ですからね」と語りながら日本のIPの需要の高さを述べていた。
ちなみに筆者が最も気になっていたのは「秋葉原の街並み」だ。どういう需要を見越して展示しているのかと担当者に聞いたところ,「ゲームなどで.秋葉原の街並みを登場させたいという会社がいるのではないかと思って展示している」とのこと。確かに日本にも「AKIBA'S TRIP」や「STEINS;GATE」といったゲームがあるので,中国でも需要があるのは納得だ。とはいえ,契約が決まった会社はいるのかと尋ねてみたところ,まだ実用例はないとのこと。うーん,残念。
とは言え錚々たる世界的IPと,一都市の街並みが肩を並べているのを見ると,アイコニックな都市というのは,それだけで特別な価値を持つのだなということを改めて実感させられた。今後,ゲーム内で秋葉原の街並みを見かけたらちょっと誇らしくなるかもしれない,そんな体験をしたブース訪問だった。
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