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最新作が一堂に会した「マーダーミステリーフェスティバル2023」会場レポート。品川のカラオケボックスにマダミスファンが集結
マーダーミステリーを含むアナログゲームのイベントとしては,春と秋に開催されるゲームマーケットなどが有名だが,このイベントはその名のとおり,マーダーミステリーとその周辺ジャンルに特化したもの。ゲームマーケットでマーダーミステリーブースを出展しているStudioOZONが,カラオケのJOYSOUNDを展開するエクシングと協力し,今回の開催に漕ぎつけたという。
オフラインイベントしては初回開催ということもあり,大々的な集客プロモーションは行わなかったというが,事前に販売された先行チケット400枚はあっという間に完売。当日チケットも100枚ほどが出る盛況となった。本稿では,マーダーミステリーファンが集結した同イベントの模様を,写真と共にレポートする。
「マーダーミステリーフェスティバル2023」公式サイト
パッケージ型から公演型まで,最新作が一堂に会したマダミスの祭典
JOYSOUND品川港南口店の1階から5階,全フロアを貸し切っての開催となった「マーダーミステリーフェスティバル2023」。1階はエントランス兼トークイベントの配信ブース,2階は新作タイトルの販売フロアになっていて,新作を買い求める多くの来場者で賑わっていた。コアなマーダミステリーファンが集まっただけあって,正午を迎える頃には完売となるブースも珍しくなかったようだ。
ここでは,会場で見かけたパッケージ販売型の注目タイトルを,ピックアップして紹介しよう。
一方,3階から上は体験フロアとなっていて,企業や専門店,あるいはインディーズの最新作を実際にプレイできるようになっていた。会場がカラオケボックスということもあって防音は完璧で,まさにマーダーミステリー向きの空間といえる。またそれ以外にも,各部屋ではさまざまな企画が催されていたようだ。
当日発売されたばかりの新作も,手慣れたGMのマスタリングでプレイできるのがうれしいところ |
マダミスHOUSEは人生逆転ミステリー「クズ達の宴」の先行体験会を実施。ワンドローの木皿儀準一氏がシナリオを担当するなど,豪華な制作陣が集結したタイトルとなっている |
70人規模の多人数マダミス「誰が聖女を殺したか」
今回の「マーダーミステリーフェスティバル2023」の目玉企画が,多人数参加型のマーダーミステリー「誰が聖女を殺したか」だ。参加者はファンタジー世界の冒険者となり,魔王の復活を防ぐため,「あかいつき が のぼるよる に ころされる」という予言から聖女を護衛することになる。
最大で4文字で名前をつけ,「せんし」「まほうつかい」などの職業を選んでキャラクターを作るなどレトロなRPG風で,さらにはHPやMPといったパラメータ,装備やレベルアップ,転職といった成長要素があるなど,普通のマーダーミステリーとは一味違う演出となっていた。
城や街,森などのフィールドを探索し,アイテムやヒントを集めて冒険する。そうこうするうちに聖女は殺されてしまい,参加者は犯人を探し出すことに。こうした多人数のマーダーミステリーは変化球なシナリオが多い印象だが,当シナリオでは「犯人はプレイヤーの中にいる」ことが前もってアナウンスされており,しっかりと推理すれば犯人を追い詰めることが可能とのこと。一方で,犯人役のプレイヤーは議論を煙にまいて逃げ切らなくてはならず,マーダーミステリーの基本構造を踏襲したシナリオとなっていた。
なお今のところ本作の再演は予定していないというが,ゲームデザイン上は参加者の上限はないそうなので,会場の広さに合わせた調整が可能とのこと。StudioOZONでは,折しもマーダーミステリーやボードゲームなどが遊べる“エンタメビル”の実現を目指したクラウドファンディングを行っている。実現の暁には,今回参加を逃した人のためにも,次の機会が設けられることに期待したいところだ。
トークイベントや体験ブース,物販から参加型イベントまで,さまざまな企画が行われ,盛況のうちに幕となった「マーダーミステリーフェスティバル2023」。初のオフライン開催ということもあって手探りの開催だったというが,次回はこの経験を踏まえつつ,よりパワーアップした形で開催されることに期待したい。
「マーダーミステリーフェスティバル2023」公式サイト
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