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最新作が一堂に会した「マーダーミステリーフェスティバル2023」会場レポート。品川のカラオケボックスにマダミスファンが集結
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印刷2023/07/20 10:00

イベント

最新作が一堂に会した「マーダーミステリーフェスティバル2023」会場レポート。品川のカラオケボックスにマダミスファンが集結

 マーダーミステリーを初めとした推理ゲーム,ストーリープレイングやLARPなどを扱うアナログゲームイベント「マーダーミステリーフェスティバル2023」が2023年7月16日,東京・品川のJOYSOUND品川港南口店で開催された。

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 マーダーミステリーを含むアナログゲームのイベントとしては,春と秋に開催されるゲームマーケットなどが有名だが,このイベントはその名のとおり,マーダーミステリーとその周辺ジャンルに特化したもの。ゲームマーケットでマーダーミステリーブースを出展しているStudioOZONが,カラオケのJOYSOUNDを展開するエクシングと協力し,今回の開催に漕ぎつけたという。
 オフラインイベントしては初回開催ということもあり,大々的な集客プロモーションは行わなかったというが,事前に販売された先行チケット400枚はあっという間に完売。当日チケットも100枚ほどが出る盛況となった。本稿では,マーダーミステリーファンが集結した同イベントの模様を,写真と共にレポートする。

入口に用意されたキッチンカーでは,StudioOZONが擁するVTuberとのコラボメニューが販売されていた
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物販コーナーでは,オリジナルデザインの大型トートバッグを販売。早期入場者には特典としてプレゼントも行われていた
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「マーダーミステリーフェスティバル2023」公式サイト



パッケージ型から公演型まで,最新作が一堂に会したマダミスの祭典


 JOYSOUND品川港南口店の1階から5階,全フロアを貸し切っての開催となった「マーダーミステリーフェスティバル2023」。1階はエントランス兼トークイベントの配信ブース,2階は新作タイトルの販売フロアになっていて,新作を買い求める多くの来場者で賑わっていた。コアなマーダミステリーファンが集まっただけあって,正午を迎える頃には完売となるブースも珍しくなかったようだ。

配信ブースでは各種新作タイトルを紹介する「新作マダミス情報部!」など,さまざまなトークセッションが展開されていた。回線トラブルに悩まされていたようだったが,こちらは完全版がYouTubeのStudioOZONチャンネルで後日公開予定とのことだ
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 ここでは,会場で見かけたパッケージ販売型の注目タイトルを,ピックアップして紹介しよう。

グループSNE/KADOKAWAからは「MYSTERY&ADVENTURE BOX」シリーズの第4弾「探偵禁止領域」が発売。初期より根強いファンの多い「何度だって青い月に火を灯した」の河野 裕氏の最新作にあたる
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グループSNE/COSAICの「MYSTERY PARTY IN THE BOX」シリーズからも最新作「ゲノムの塔」が発売された。「ヤノハのフタリ」「アンフィスバエナと聖女の祈り」で知られるしゃみずい氏がシナリオを担当している
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StudioOZONのカセットシリーズにも多くの新作が登場していた。池袋に店舗を構えるGold Graceの「アリバイ×コウサク」「九月、水底に沈んで」「伝説のHIASOBI」は,それぞれ昭和・平成・令和の時代がテーマとのこと
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「鉄紺の証言」で知られる滝崎はじめ氏の8人向けマダミス「黒装の暗暗裏」は,開場から早々に完売となっていた。「鉄紺の証言」は,第1回新作マーダーミステリー大賞の公演部門において,最終選考候補まで残ったタイトルでもある
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プレイ時間4〜6時間の2人用マダミス「Seen it All,Girl.」も,頒布数が少なかったこともあってかあっという間に完売に
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マダミスアプリで知られるウズからは「カランコエの声は遥か」のパッケージ版が登場。元々アプリで人気のシナリオということもあり,面白さが保証されているのが強みといえる
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謎解き業界から参入が目立つのも最近のトピックス。画像は下北沢に店舗を構えるタンブルウィードの「泉湧館の変転」(左画像)と,茨城のJOKER PROJECTによるミステリーテリングシリーズ(右画像)。ゲームマーケット2023春では,最大手のSCRAPも「雷鳴轟くシェアハウスからの悲鳴」を発表している
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ストーリープレイングを謳う「銀の瞳の君を求めて」は,長らく在庫切れ状態が続いていたが,今回めでたく再販となった。税込7000円という価格ながら,豪華な装丁と推奨年齢が35歳以上というキャッチフレーズに惹かれ,多くの人が手に取っていたようだ。なお新作「裸足のサンドリヨン」は,「コーヒーカップが割れたとき」で知られるすな氏による2人用ストーリープレイング。ゲームマーケット2023秋に合わせた発売が予告されている
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会場で配布されていた「クドリャフカの籤引」のポストカードがこちら。「シュレーディンガーの密室」「パンドラの箱の再開」で知られる白岩ぱんだ氏の新作とのことで,プレイできる日が今から楽しみだ
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 一方,3階から上は体験フロアとなっていて,企業や専門店,あるいはインディーズの最新作を実際にプレイできるようになっていた。会場がカラオケボックスということもあって防音は完璧で,まさにマーダーミステリー向きの空間といえる。またそれ以外にも,各部屋ではさまざまな企画が催されていたようだ。

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当日発売されたばかりの新作も,手慣れたGMのマスタリングでプレイできるのがうれしいところ
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マダミスHOUSEは人生逆転ミステリー「クズ達の宴」の先行体験会を実施。ワンドローの木皿儀準一氏がシナリオを担当するなど,豪華な制作陣が集結したタイトルとなっている

秘蔵の中国産タイトルを持ち込み披露してたMysterious Treasureの水谷氏。エレベーターに閉じ込められたところから始まる「禁閉凶間」,劉慈欣氏の長編SF小説「三体」のマダミス版,「Among Us」のようなシステムの「困獣」など,聞くだけで興味を惹かれるタイトルが揃っていた
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専門店のRabbitholeのルームでは,代表である酒井りゅうのすけ氏とざっくばらんに会話できる企画「ミステリー研究室」を開催。数々の作品を監修してきた氏の視点から,個人制作者にさまざまなアドバイスが行われていた
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ユウグレノートの九尾まどか氏の新作「黒革の手帳はもう語らない」は,体験型推理小説を謳う1人用の推理ゲーム。予約不要で遊べる気軽さもあって,体験ルームは盛況だったようだ
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4階は交流フロアと銘打たれ,JOYSOUNDの謎解きゲームやクイズゲームが体験できるようになっていた。また休憩スペースにもなっていて,2階で購入した作品を早速プレイする人の姿も
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70人規模の多人数マダミス「誰が聖女を殺したか」


 今回の「マーダーミステリーフェスティバル2023」の目玉企画が,多人数参加型のマーダーミステリー「誰が聖女を殺したか」だ。参加者はファンタジー世界の冒険者となり,魔王の復活を防ぐため,「あかいつき が のぼるよる に ころされる」という予言から聖女を護衛することになる。

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 最大で4文字で名前をつけ,「せんし」「まほうつかい」などの職業を選んでキャラクターを作るなどレトロなRPG風で,さらにはHPやMPといったパラメータ,装備やレベルアップ,転職といった成長要素があるなど,普通のマーダーミステリーとは一味違う演出となっていた。

70名ほどが参加した「誰が聖女を殺したか」。事前に販売されたチケットはあっという間に売り切れてしまったとか
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キャストが物語に登場し,ヒントを与えたり,アイテムを売買したりできる。どんな会話をするのかもプレイヤー次第だ
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脚本は「遠き明日への子守唄」などで知られるAGATA氏が担当。同氏は魔法使いとして作中にも登場していた
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 城や街,森などのフィールドを探索し,アイテムやヒントを集めて冒険する。そうこうするうちに聖女は殺されてしまい,参加者は犯人を探し出すことに。こうした多人数のマーダーミステリーは変化球なシナリオが多い印象だが,当シナリオでは「犯人はプレイヤーの中にいる」ことが前もってアナウンスされており,しっかりと推理すれば犯人を追い詰めることが可能とのこと。一方で,犯人役のプレイヤーは議論を煙にまいて逃げ切らなくてはならず,マーダーミステリーの基本構造を踏襲したシナリオとなっていた。

聖女が死亡し,ざわつく場内。参加者は多かったが,会場は広すぎず狭すぎず,ストレスなくプレイできた
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 なお今のところ本作の再演は予定していないというが,ゲームデザイン上は参加者の上限はないそうなので,会場の広さに合わせた調整が可能とのこと。StudioOZONでは,折しもマーダーミステリーやボードゲームなどが遊べる“エンタメビル”の実現を目指したクラウドファンディングを行っている。実現の暁には,今回参加を逃した人のためにも,次の機会が設けられることに期待したいところだ。

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 トークイベントや体験ブース,物販から参加型イベントまで,さまざまな企画が行われ,盛況のうちに幕となった「マーダーミステリーフェスティバル2023」。初のオフライン開催ということもあって手探りの開催だったというが,次回はこの経験を踏まえつつ,よりパワーアップした形で開催されることに期待したい。

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「マーダーミステリーフェスティバル2023」公式サイト

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