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[プレイレポ]黒板消しやコーラびん,軍手に人形の首?「BitSummit Let's Go!!」に出展された,変わり種コントローラを使ったゲームを紹介
黒板消しやコーラびん,軍手に人形の首
変わり種コントローラが目白押し
「BitSummit Let's Go!!」に登場していた,変わったコントローラを使ったゲームの中で印象的だったのが,「make.ctrl.Japan6」と「銭取」のブースだ。
ご存じの人も多いと思うが,「make.ctrl.Japan」はサンフランシスコで開催される「alt.ctrl.GDC」をモデルにした,通常のコントローラではなく,独自に制作したコントローラを使ったゲームを展示するイベントだ。「BitSummit Let's Go!!」では,パートナーとして会場内で開催していた。また「銭取」は,卒業制作として作ったゲームを出展した学生チームだ。
●「make.ctrl.Japan6」
・「BearRunner Any% RTA」
しゅんて
「BearRunner Any% RTA」は,ファミコンを叩いてゲームをバグらせ,RTA(リアルタイムアタック)最速を目指すゲームだ。
本作で用いるのは,RTAのお題である「BearRunner」なるROMカセットの刺さったファミコンだ。画面内では横スクロールアクション「BearRunner」のプレイがオートで進んでいくのだが,タイムを縮めるために重要なのが,プレイの状況を見つつタイミング良くファミコンを叩いて「BearRunner」をバグらせること。
例えば主人公が敵の攻撃を受けそうになったとき,放置するとミスになって余計な時間がかかるが,ファミコンを叩いてバグらせると主人公が無敵になり,ゲームがスムーズに進むのだ。
コースがややこしいときにバグらせれば壁抜けができたり,長々としたオープニングでバグらせれば途中で終了させられたりと,バグを起こすべきべきタイミングは多い。
しかし,ファミコンを連続して叩きすぎるとフリーズし,リセットして最初からやり直すしかなくなる。ファミコンを叩いてバグらせ,タイムを稼ぐという,いけない行為の背徳感がたまらないゲームだ。
「BearRunner Any% RTA」公式サイト
・「Jet Cola」
Tamakotronica
コーラを振るなんて絶対にやりたくないが,ここならフルパワーで振りまくってもOKだ。振れば振るほど記録が伸びるので,握りしめた手にも思わず力が入る。
コーラびんは心地よい重さになっているが,その秘密は,びんの中に詰め込まれた鉄球やアイロンビーズで,振ったときの手応えにこだわって,さまざまな素材を試したという。コーラびんが振られたのを検知するのは,びんの中に仕込まれたアーケードゲーム用ボタンだ。多くの回数を押されることが前提になっているデバイスだけに,故障にも強いという。
ショーやイベントに出展することが前提なので,機械的にもタフであることが必要になるのだ。
「Jet Cola」公式サイト
・「軍手&ピース」
Wataru Nakano×MIYAZAWORKS
「軍手&ピース」では,ターンテーブルに乗った軍手がコントローラになる。ゲーム画面では,いろいろな形の軍手が流れてくるので,ターンテーブルを動かして軍手の指部分に仕込まれたボタンを押し,「ピース」の形を整える。例えば,手が開かれた「パー」の形の軍手が出てきたら,親指,薬指,小指を押せば指が折り曲げられてピースの形となる。
人差し指を立てた形なら,中指を押せばいい。つまり,軍手の指部分にあるボタンを押すたびに,軍手の該当した指が折り曲げられたり,伸ばされたりするわけだ。曲げてはいけない指を曲げた場合,再びボタンを押して伸ばさないといけないが,流れてくる軍手の形はいろいろなので,やがて頭がこんがらがってくる。
制作者の1人である中野 亘氏は,さまざまな変わり種ゲームの開発で知られる人物で,2019年のBitSummitでは,コンビニ袋を揉んで炒飯を炒めるような音を出す「音効炒飯」で話題を集めた。
「軍手&ピース」公式サイト
・「激走!コインラン!」
ハードウェアとか研究所
コイン投入口と画面が組み合わさった不思議なゲームで,オモチャのコインを使って遊ぶ。
ゲーム画面では横スクロールアクションが進行中で,放っておくと主人公は穴に落下してゲームオーバーになってしまう。しかし,手持ちのコインを投入することで主人公がジャンプして,先へ進めるというわけだ。
穴にさしかかるたびにタイミング良くコインを投入することになり,言い換えれば,コインを投入すると主人公がジャンプするランゲームといったところ。コインの数には限りがあるが,うまく主人公をジャンプさせれば,画面内のコインを回収できる。すると,実際にコインが払い出され,さらに先へ進めるようになる。
次から次へとコインを投入する行為は,オモチャとはいえインパクト抜群だ。何もしなくても画面内の主人公がどんどん走っていくため,あせって床にコインを落としてしまうこともある。手に残ったコインで急場をしのぎつつ,コインを拾い集めなければならず,これは,コインという実体があるからこその面白さといえるだろう。
「激走!コインラン!」公式サイト
・「キューブでポン!」
愛知工業大学CGメディア研究室
「キューブでポン!」は,画面に表示されたお手本と同じように,本物のルービックキューブを揃えるゲームだ。
キューブを揃えて所定の位置に置けば,カメラがキューブの色を認識し,お手本と同じ色になっているブロックが消えて,得点が加算される仕組みだ。すばやくルービックキューブをお手本と同じように揃えて,どんどん消していこう。キューブの手ざわりが面白い,不思議なパズルだ。
「キューブでポン!」公式サイト
・「チョークの叛乱」
のへもん
「チョークの叛乱」は,黒板消しとクリーナー,黒板をコントローラとしたゲームで,主人公はクリーナーの中に入っている筒状のフィルターだ。
敵のチョークが襲いかかってくるので,タイミング良く,2つの黒板消しをボフボフはたいて撃退しよう。黒板消しをクリーナーにかけると,次の一撃の範囲がアップ。チョークの攻撃でライフが減ったら,黒板を黒板消しでこすって回復する。
黒板消しを叩いてチョークの粉を舞わせたのは,一定年齢よりも上の人であれば誰もが持つ思い出だろう。それだけに,本作で攻撃する際も,ボフボフやりながら思わず顔を背けてしまう。キャラクターも可愛らしく,ノスタルジーを感じつつ遊べるのが楽しい。
開発したのへもん氏は,PCと福引き用ガラガラ型デバイスを組み合わせ,バイトとくじ引きのループを描く「くじ引きサイクル」の制作者だ。
「チョークの叛乱」公式サイト
●「銭取」
・「メイクフレンズ」
「メイクフレンズ」のコントローラは,人形の頭だ。手に持って動かすと,画面内の頭も同じように動く。画面内の頭はのっぺらぼうなので,頭を動かして,画面のあちこちに散らばった目や鼻,口などのパーツをくっつけ,顔を作るのがゲームの目的だ。
しかし,パーツの位置や向きはバラバラで,人形の頭の向きをうまく合わせてやらないと,とんでもない顔ができてしまう。もっとも,鼻が逆さまにくっついても,とくにペナルティはない。次々できあがる珍妙な顔に,大笑いしながら遊べるゲームだ。
「BitSummit Let’s Go!!」特設サイト
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