紹介記事
ゲーム開発者会議「GDC Showcase 2023」いよいよ開幕。完全オンラインで実施されるイベントの内容と注目セッションを紹介
※日本時間では27日から30日まで。初日の1つめのセッションは27日23:00開始
GDC Showcase 公式サイト(英語)
GDCデビューをオンラインで。ゲーム業界最大のゲーム開発者会議の完全デジタルイベント
1987年に,参加者20人程度のごく私的な集まりとして始まり(初期の名称はComputer Game Developers Conference),回を重ねるごとにその規模を拡大し,2019年3月に開催されたGDC 2019では約2万9000人の来場者を記録。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響により,2020年から2022年までの3年間はオンラインのみや規模を縮小しての開催となったが,2023年に開催されたGDC 2023ではコロナ禍前の盛況を取り戻し,1000人以上の講演者と2万8000人を超える参加登録者数を記録した。
現在は主にアメリカのサンフランシスコで開催されており,講演のほか,ゲームに関する最新技術やサービスなどを紹介する展示会「GDC Expo」,ゲーム関係者の投票により受賞作品が選ばれるGame Developers Choice Awards,大手ゲーム会社による独自イベントなども行われ,多くのゲームファンが注目するイベントになっている。
4Gamerでは20年以上,現地取材をとおして同カンファレンスをレポートしている。GDC 2023のまとめ記事も掲載しているので,興味がある人は過去のレポートと合わせて一読してほしい。
[GDC 2023]最新技術にアート,話題のAI。多様なテーマで届けられたセッションやイベントのレポートをピックアップして紹介
700以上のセッションが行われ,2万8000人を超える参加登録者数を記録したという「Game Developers Conference 2023」(GDC 2023)から,現地レポートの一部をピックアップして紹介しよう。こちらを入り口に,見落としていたセッションや興味のあるテーマの記事を全記事一覧から探してみてほしい。
4GamerのGame Developers Conference(GDC)掲載記事一覧
そんなGDCデビューの良い機会となりそうなのが,今回行われる「GDC Showcase 2023」だ。完全オンラインのイベントとして,ゲーム開発やサービス,働き方といったゲーム業界に関わるさまざまなテーマの基調講演やネットワーキングセッション,過去のGDCのセッションなどが配信される。
視聴するためのチケットは149ドルで,セッションは7月14日までアーカイブ化され(一部を除く),チケット購入者であればいつでも視聴できる。日本時間では深夜から早朝にかけての開催となるので,ライブ視聴が難しいという人はアーカイブで好きな時間に視聴するといいだろう。なお,アーカイブ化されたセッションには,日本語字幕がつく予定だ。
渡航費や滞在費,チケット代といった費用,セッションはほぼ英語という言語の壁といった理由で参加のハードルが高いGDCだが,自宅にいながらイベントの雰囲気を味わえる「GDC Showcase 2023」は,今後のGDCの参加を検討している人にとって良いデビューの機会となるのではないだろうか。
なお,4Gamerでは,チケット代が10%オフになるプロモーションコードを公開しているので,ぜひ活用してほしい。[こちら]のレジストレーションのページの「Payment」にコードの入力欄があるので,ここで[10-GDCSC23-4gamer]と入力しよう。
ゲーム史に残る名作の開発秘話が語られる「Classic Game Postmortem」
クラシックゲーム・ポストモーテム(Classic Game Postmortem)は,過去のゲーム作品の秘話を開発者自らが語る,GDCでおなじみのセッションだ。GDC Showcase 2023では,過去に開催されたものの中から,「レミングス」(Lemmings),日本では「アウターワールド」の名で知られる「ANOTHER WORLD」(OUT OF THIS WORLD),「フォールアウト」(Fallout)のセッションがリバイバル配信される。
※以下,日時は日本時間
6月28日0:00〜1:00(1時間)
Classic Game Postmortem: 'Lemmings' (GDC 2019)
6月29日0:00〜1:00(1時間)
Classic Game Postmortem: OUT OF THIS WORLD/ANOTHER WORLD (2011)
6月29日5:00〜6:00(1時間)
Classic Game Postmortem: Fallout (GDC 2012)
AAAタイトルや大手ゲーム会社の最新技術セッション
近年の大型タイトルで採用された技術や,大手ゲーム会社の最新技術に関するセッションも注目だ。「User Interface in 'Cyberpunk 2077': Challenges and Optimizations」と題されたセッションでは,ゼロから構築されたという「サイバーパンク2077」(Cyberpunk 2077)のユーザーインタフェースを開発する際,どういった問題に向き合い,そして最適化したかが語られる。
「GoSkinning: An Innovative and Efficient Skinning Tool」は,Tencent Gamesの主席研究員であるZijiao Zeng氏によるAIスキニングツール「GoSkinning」のセッションだ。従来の手法を採用しながら,ディープラーニングを導入したことで作業の自動化を大幅に向上させたという,革新的かつ効率的なツールの解説が行われる。
6月29日2:30〜3:30(1時間)
User Interface in 'Cyberpunk 2077': Challenges and Optimizations
6月29日7:45〜8:15(30分)
GoSkinning: An Innovative and Efficient Skinning Tool
人気のインディータイトルや発売前の作品がテーマのセッションも
2022年にリリースされた「TUNIC」が高い評価を得たデベロッパFinjiの社内プロジェクトの進め方,ゲーム内のバンドがバーチャルバンドとして音楽活動を行っている「We Are OFK」のキャラクターアートなど,近年注目を集めたインディータイトルがテーマとなったセッションも要チェックだろう。
6月28日5:00〜6:00(1時間)
It's Better To Be Friends: Marketing "Asks" and the Reality of Game Production
6月28日7:45〜8:15(30分)
Living Paintings of OFK: Art Directing the Style and Lives of an Indie-Pop Band
さらに,発売前のタイトル「The Lamplighters League」に関するセッションも。「Shadowrun」や「BATTLETECH」で知られるHarebrained Schemesの新作タクティカルストラテジーについて,長年同社のタイトルに関わってきた作曲家のJon Everist氏が,同作品のライブ録音のプロジェクトについて語るとのことだ。
6月28日1:55〜2:25(30分)
The 'Lamplighters League': Music Systems and Live Recording
ほかにも,「Ultima Online」「Star Wars Galaxies」などで知られるゲームデザイナーのRaph Koster氏,「Indivisible」や「Skullgirls」のクリエイターであるMariel Kinuko Cartwright氏といった著名な開発者のインタビュー,さまざまな分野の有識者が登壇するラウンドテーブルなども行われる。
6月29日1:55〜2:25(30分)
Game Design Career Fireside with Raph Koster with Bryant Francis
6月29日4:25〜4:55(30分)
Game Art Career Fireside with Mariel Kinuko Cartwright and Bryant Francis
さらに,チャットで参加できるライブディスカッションや,視聴者の投票によってインタラクティブに物語が進む“オーディエンスRPG”「After-Hours Entertainment with Extra Lives」(リンク)といった,視聴者参加型のセッションやイベントも。最終日はインタラクティブなラウンドテーブルとネットワーキングセッションがもりだくさんの貴重な1日となっている。配信されるセッションとその詳細は,GDC SHOWCASE 2023公式サイトのセッションビューワー(リンク)で確認しよう。
GDC ShowcaseのSession Viewer(英語)
GDC Showcase 公式サイト(英語)
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