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「真・女神転生 30周年感謝祭 in KT Zepp Yokohama」Day 1ライブレポート。真III楽曲を中心に,熱いバンドサウンドでシリーズの名曲を披露
バンド「LaiD Back Devil」によるライブや展示,オリジナルグッズの販売などが行われた同イベントを,Day 1(5月5日)のライブを中心にレポートしよう。
「真・女神転生 30周年感謝祭 in KT Zepp Yokohama」公式サイト
名曲の数々でナンバリングの歴史を綴ったバンドライブ
Day 1は「真・女神転生III -NOCTURNE」および「真・女神転生III -NOCTURNE マニアクス」をフィーチャーしたライブとなっており,「真・女神転生III -NOCTURNE」のバトル楽曲「通常戦闘」で幕を開けた。同タイトルのムービーをバックに,LaiD Back Devilが熱い演奏で開幕から会場を盛り上げる。
松澤千晶さんとマフィア梶田さんが進行を務めたMCのコーナーでは,ゲストとして,アトラスサウンドチームの小塚良太氏,小西利樹氏,土屋憲一氏が登壇。ファンへの感謝とともに「30周年という記念すべき場に立てたことが嬉しい」と,この日を迎えた思いを語った。
さらに,シリーズ楽曲を手がけた作曲家の増子津可燦氏と目黒将司氏からのビデオメッセージも。増子氏は,初めてのスーパーファミコン向けタイトルの楽曲制作で,試行錯誤と実験を繰り返す日々だったという「真・女神転生」の思い出話を披露した。
目黒氏は,自身が初めてメインコンポーザーとして参加した「真・女神転生III -NOCTURNE」のスタッフロールのBGMについて語った。当時の自分を辛口に評価しながらも「この曲に関しては頑張ったと思える」と,思い入れのある同曲を振り返った。
MC明けは,「真・女神転生」のBGMからライブがスタート。ロック調の「銀座」からスローテンポの「廃墟」を挟み,スピード感のある「戦闘」へ。そして「Boss」につなぐという,探索とバトル,そしてボス戦という,ゲーム進行をイメージさせる構成となっていた。
続く「真・女神転生II」のパートでは,切ないフレーズが印象的な「2D:魔界」,ジャズバラードなアレンジの「3D:魔界」というスローテンポな2曲に,そこから一転,激しいサウンドのデジタルロック「戦闘」と「中ボス戦闘」とつなぎ,会場のボルテージをぶち上げる。
ここで,梶田さん,松澤さん,ゲストの3名が再び登壇。ライブ前に募集したファンからの投稿を紹介したのち,各々の「真・女神転生」の思い出が語られた。
小西氏は,サウンドチームに入る前に,デバッガーのアルバイトとして作品に関わり,エンドロールに名前がクレジットされたときの喜びを語った。また,嬉しかった思い出である一方で,当時からサウンドの仕事をしたかったものの,まだそこまでの実力がなかった悔しさも思い出すとのことだった。
土屋氏は,ストレートなタイトルにすると,ネタバレになる可能性があるため,とても気を遣うという楽曲名の付け方について語った。また,サウンドチーム内の“あるあるネタ”を尋ねられたが「そのほかはあまりにやばい内容で,うっかり話して2日目に参加できなくなったら困る」と語り,会場の笑いを誘った。
神秘的で壮大な楽曲「東京受胎」で始まったのが,「真・女神転生III -NOCTURNE」「真・女神転生III -NOCTURNE マニアクス」のパートだ。続くスリリングな曲調で人気の戦闘曲「魔人」で徐々に盛り上げていき,「通常戦闘〜大マップ〜」のパワフルなサウンドで観客を魅了する。最後は,ゲームの始まりを告げる「タイトルループ2」で同コーナーを締めた。
「真・女神転生IV」のコーナーでは,哀愁の中に力強さを感じさせる「東京」から,「Battle-a2」「Battle-b2」という激しいバトル楽曲を2曲続けて披露。さらに,重々しく,感情を揺さぶる「Battle-c5」につなぐ。バトル楽曲の演奏では,バンドメンバーの合図で観客がクラップを合わせる場面もあり,それによって一体感が生まれていた。
岩田彬良氏(Bass / Bandmaster) |
岡島俊治氏(Drums) |
本間大健氏(Guitar) |
岡 聡志氏(Guitar) |
田島 岳氏(Keyboard) |
藪野遥佳氏(Keyboard) |
グッズ紹介と休憩を挟み,「真・女神転生IV FINAL」のコーナーで後半戦がスタート。スローテンポの「ラージマップ」でゆったりと聴かせ,そこから「Battle-f1(通常戦闘)」「Battle-f2(中ボス戦闘)」「Battle-f4 多神連合」と前パートのようにバトルBGMのラッシュを畳みかける。
そのままの盛り上がりで,続く「真・女神転生V」も,「Battle -Da'at-」「Battle -edifice-」とテンションの上がるバトルBGMで一気に駆け抜ける。
ミステリアスな雰囲気の「力在る者」で一旦クールダウンしたのち,最後は「Battle -humans,demons,and...-」でテンポを上げ,会場のボルテージはMAXに。
クイズコーナーを挟み,いよいよライブは終盤を迎える。「真・女神転生III -NOCTURNE」の楽曲から,バンドメンバーの煽りでクラップが重なる「ボス登場」,同作のハイライトともいえる「コトワリボス戦闘」が披露された。
続く「ラストボス変形前戦闘」「ラストボス変形後戦闘」では地鳴りのような力強いサウンドが響きわたり,最後は「スタッフロール」へ。まるでゲームのラストバトルを戦い抜いたかのような満足感のある構成だった。
最後の挨拶では,バンドマスターの岩田彬良氏より観客への感謝の言葉とライブの感想が届けられた。ステージ脇で演奏を聴いていたサウンドチームからも,その完成度の高いサウンドと演奏が称えられた。
梶田さんは,「メガテンは,会場にいる全員が寿命を迎えても終わらないコンテンツだと思うので,一生かけて応援したい」と,作品愛を語る。松澤さんは「この作品をプレイしたことで,何かのプログラムがインストールされたような気がして。もしプレイしていなかったら自分の人生観は違ったものになったかもしれない」と,自身へ影響の大きさを話した。
エンディングでは「通常戦闘(Long ver.)」,アンコールは「ダンテ戦闘」と,さらに「真・女神転生III -NOCTURNE」および「真・女神転生III -NOCTURNE マニアクス」の楽曲が披露された。「ダンテ戦闘」の演奏の前には,葛葉ライドウ登場を匂わせるムービー演出も行われ,観客の盛り上がりは最高潮に。最後まで熱い演奏を見せてくれたメンバーたちに大きな歓声と拍手が送られ,ライブは終了した。
その後,VIP席チケットを購入した観客のみが参加できるアフターステージも開催された。ここでは,「真・女神転生V」から「Battle -ferocity-」,「真・女神転生III -NOCTURNE」から「通常戦闘〜大マップ〜(Re ver.)」と「通常戦闘〜アマラ経絡〜」の3曲が演奏された。
ライブパートの前には,実際に作曲を担当したサウンドチームのメンバーによる解説付きというプレミアムな内容で,楽曲がどのような経緯で生まれたか,また収録された際のエピソードなどが語られた。ライブではギターのソロ演奏で最前列ギリギリまで近づいてのパフォーマンスなど,気合の入った演出を見せ,ファンを楽しませていた。
Day 1 Set List
- オープニング
M01. 通常戦闘(真・女神転生III -NOCTURNE)
- MCコーナー「30周年トーク」
- 30thライブ(1)真・女神転生
M02. 銀座
M03. 廃墟
M04. 戦闘
M05. Boss
- 30thライブ(2)真・女神転生II
M06. 2D:魔界
M07. 3D:魔界
M08. 戦闘
M09. 中ボス戦闘
- MCコーナー「メガテン募集コーナー」
- Featureライブ(1)真・女神転生III -NOCTURNE / 真・女神転生III -NOCTURNE マニアクス
M10. 東京受胎
M11. 魔人
M12. 通常戦闘〜大マップ〜
M13. タイトルループ2
- 30thライブ(3)真・女神転生IV
M14. 東京
M15. Battle-a2
M16. Battle-b2
M17. Battle-c5
- MCコーナー「グッズ紹介」
- 30thライブ(4)真・女神転生IV FINAL
M18. ラージマップ
M19. Battle-f1 (通常戦闘)
M20. Battle-f2 (中ボス戦闘)
M21. Battle-f4 多神連合
- 30thライブ(5)真・女神転生V
M22. Battle -Da'at-
M23. Battle -edifice-
M24. 力在る者
M25. Battle -humans, demons, and...-
- MCコーナー「メガテンクイズコーナー」
- Featureライブ(2)真・女神転生III -NOCTURNE
M26. ボス登場
M27. コトワリボス戦闘
M28. ラストボス変形前戦闘
M29. ラストボス変形後戦闘
M30. スタッフロール
- エンディング 真・女神転生III -NOCTURNE
M31.通常戦闘(Long ver.)
- アンコール 真・女神転生III -NOCTURNE マニアクス
M32.ダンテ戦闘
- アフターステージ
M33. Battle -ferocity-(真・女神転生V)
M34. 通常戦闘〜大マップ〜(Re ver.)(真・女神転生III -NOCTURNE)
M35. 通常戦闘〜アマラ経絡〜(真・女神転生III -NOCTURNE)
■出演者(敬称略)
【演奏】LaiD Back Devil
岩田彬良(Bass / Bandmaster),岡島俊治(Drums),本間大健(Guitar),岡 聡志(Guitar),田島 岳(Keyboard),藪野遥佳(Keyboard)
【MC】松澤千晶,マフィア梶田
【ゲスト】
アトラスサウンドチーム(小塚良太,小西利樹,土屋憲一)
増子津可燦(ビデオ出演),目黒将司(ビデオ出演)
■企画・運営:株式会社コーエーテクモゲームス
ステージ写真/撮影:大山雅夫
貴重な開発資料がズラリ! 展示エリアレポート
本稿の最後に,展示エリアの模様をお届けしよう。
「真・女神転生」シリーズの1作目から最新作まで,さまざまな資料やパネルが並ぶ展示エリアでは,草案や企画書,ストーリー設定など,なかなか表に出ない貴重な資料も展示されていた。
長年眠っていたであろう紙の資料は,端々が黄ばんでおり,まるで古文書のよう。メガテンらしいミステリアスさもあり,なんとも味わい深い。
そのほか,販促用のポスターや,過去タイトルのパッケージといった懐かしいものも。パッケージは「真・女神転生」だけでなく,「デビルサマナー」や「デビルチルドレン」,「ラストバイブル」といった,外伝や派生作品のものもあり,シリーズファンにはたまらないものがあった。
フィギュアや限定版のアイテムなど,グッズ関連の展示も。見学ルートの最後には「デカラビア」のスタチューが飾られており,ライブ同様,ラストまで気が抜けない展示となっていた。
「真・女神転生 30周年感謝祭 in KT Zepp Yokohama」公式サイト
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