お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

    腟�申鐃緒申鐃緒申鐃緒申鐃順�鐃緒申鐃処吡�鐃緒申鐃緒申鐃緒申鐃遵献鐃純��鐃緒申鐃緒申/鐃純�鐃処�ワ申鐃緒申�ワ申鐃緒申鐃緒申鐃順�鐃�20膀��ワ申��鐃処��鐃術�鐃緒申鐃初��鐃緒申

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

    LINEで4Gamerアカウントを登録
    歴史改変にマジック,競走馬の血統。さまざまなテーマと表現で“時間”を描く中短編を収めた「嘘と正典」(ゲーマーのためのブックガイド:第14回)
    特集記事一覧
    注目のレビュー
    注目のムービー

    メディアパートナー

    印刷2023/02/23 12:00

    連載

    歴史改変にマジック,競走馬の血統。さまざまなテーマと表現で“時間”を描く中短編を収めた「嘘と正典」(ゲーマーのためのブックガイド:第14回)

    画像集 No.001のサムネイル画像 / 歴史改変にマジック,競走馬の血統。さまざまなテーマと表現で“時間”を描く中短編を収めた「嘘と正典」(ゲーマーのためのブックガイド:第14回)

     「ゲーマーのためのブックガイド」は,ゲーマーが興味を持ちそうな内容の本や,ゲームのモチーフとなっているものの理解につながるような書籍を,ジャンルを問わず幅広く紹介する隔週連載だ。気軽に本を手に取ってもらえるような紹介記事から,とことん深く濃厚に掘り下げるものまで,さまざまなテーマでお届けする。
     第14回で取り上げるのは,小川 哲さんの「嘘と正典」。2022年10月に刊行された大巨編「地図と拳」が第168回直木賞を受賞したことで話題のSF作家による中短編集だ。


    嘘と正典


    画像は2019年9月に刊行された「嘘と正典」の単行本(Amazon.co.jp ※Amazonアソシエイト / Honya Club.com / e-hon
    画像集 No.003のサムネイル画像 / 歴史改変にマジック,競走馬の血統。さまざまなテーマと表現で“時間”を描く中短編を収めた「嘘と正典」(ゲーマーのためのブックガイド:第14回)
     小川 哲さんは,2015年に「ユートロニカのこちら側」で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビューしたSF作家だ。ポル・ポト政権時代のカンボジアを舞台とした長編「ゲームの王国」が高い評価を得て,同作で第38回日本SF大賞と第31回山本周五郎賞を受賞。架空の町とさまざまな人物の視点を通し,かつてあった満洲国の繁栄と衰退を描いた歴史×空想小説「地図と拳」が昨年(2022年)大きな話題となり,第13回山田風太郎賞と第168回直木三十五賞を受賞している。

     「嘘と正典」は,2019年9月に刊行され,第162回直木三十五賞の候補作になった作品集だ(文庫版は2022年7月刊行)。2017年から2019年までに雑誌に掲載された5編に,書き下ろしの表題作1編を加えた以下の中短編が収録されている。

    • 落ちぶれたマジシャンが挑んだ一世一代の大マジック“タイムトラベル”の謎を追う「魔術師」
    • 亡き父が残した競走馬と原稿をきっかけに,競走馬の血統や歴史と,自身の父との関係とを探求する作家の姿を描く「ひとすじの光」
    • 謎の語り部がとある“王”に語る形で届けられる,時間に関する不思議な3つの物語「時の扉」
    • 音楽が財産や通貨となっている小さな島で,父が残した音楽のルーツを探る「ムジカ・ムンダーナ」
    • シンプルさを追い求めた結果,カルチャーが衰退して“流行”がなくなった世界の未来を描く「最後の不良」
    • 東西冷戦時のCIA工作員らが,共産主義をなくすべく歴史改変を企てる表題作「嘘と正典」

     上記それぞれの作品には共通するテーマとして“時間”があることが感じられるものの,一つひとつの題材はまったく異なる。その内容も同様で,「魔術師」はミステリー要素と“すこしふしぎ”な雰囲気ある物語,「ひとすじの光」「ムジカ・ムンダーナ」は純文学,「時の扉」は千夜一夜物語のような説話風の構成で,「最後の不良」は風刺とユーモアが効いたショート作品。「嘘と正典」はスパイ×時間SF小説といったように,それぞれ異なるジャンルの要素が感じられる。

     実はこの“ジャンルにとらわれない作風”こそ,小川さんの作品の大きな魅力の一つだ。2022年10月に刊行された最新作「君のクイズ」が,重厚な歴史モノだった前作「地図と拳」から一変,クイズ番組とクイズプレイヤーがテーマのミステリー&エンターテイメントだったりと,SF(とミステリー)がベースにありながらその見せ方は多種多様で,読者を楽しませてくれている。そういった作風を知るうえでも,「嘘と正典」はオススメできる一冊だ。

     また,これはデビュー作「ユートロニカのこちら側」から共通しているが,舞台設定の面白さだけではなく,作品世界を“生きている人々”の人間描写の素晴らしさも小川さんの作品の特徴でもある。心地よい読後感もあれば,ラストに“良い違和感”を残して終わることもあり,何度も繰り返し読みたくなる作品が揃っている「嘘と正典」で,小川さんの作品世界に触れてみてほしい。

    「嘘と正典」

    画像集 No.002のサムネイル画像 / 歴史改変にマジック,競走馬の血統。さまざまなテーマと表現で“時間”を描く中短編を収めた「嘘と正典」(ゲーマーのためのブックガイド:第14回)
    著者:小川 哲
    版元:早川書房
    発行:2022年7月6日
    価格:840円(税別)
    ISBN:9784150315276

    購入ページ:
    Honya Club.com
    e-hon
    Amazon.co.jp(文庫版)
    Amazon.co.jp(電子書籍)
    ※Amazonアソシエイト


    ハヤカワオンライン「嘘と正典」(文庫版)書籍情報ページ


    連載「ゲーマーのためのブックガイド」記事一覧




    ■■Junpoco(4Gamer編集部)■■
    本企画の担当で,書店の文芸書担当,DTPデザイン,雑誌編集と,かつて本を売る人&作る人の両方をしていたことがある4Gamerスタッフ。本もゲームも,気になったものはジャンルや主義主張問わず,流行のものからニッチなものまでわりと何でも手を出すが,自身の“attitude(姿勢)”にあった作品へのこだわりもけっこう強かったりもする。
    • この記事のURL:
    尊贈造孫造属造�造足造谷 G123造�促族臓村促�

    �坦其臓臓則G123

    4Gamer.net最新情報
    スペシャルコンテンツ
    注目記事ランキング
    集計:03月15日~03月16日
    4Gamerからお知らせ