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ChinaJoyに見る,コロナ下での大規模オフラインイベント開催。ワクチン接種も会場内で可能
そんな中でもChinaJoy 2021は,予定通りにオフラインで開催している。確かに中国本土は,現時点ではかなり制御されている地域ではあるが,コロナ下でこれほどの規模のイベントをどのように開いているのか,その感染対策についてちょっとのぞいてみよう。
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2020年から実施された,完全予約制+顔認証システムは今年も採用されている。事前の予約登録をすることで,入場資格が個人IDに関連付けられて,身分証明書をスキャンすることで入場する仕組みとなっている。万が一感染者が出た場合,拡散ルートや接触者の確認などで使われることだろう。
しかしそもそもその前に,最初から感染リスクを最小限にするための対策を講じなければならない。つい最近,中国江蘇省南京市(上海より約300km離れた隣接省)に感染者が出たことで,主催側もかなりピリピリしている。そのせいか,ChinaJoy開催前日というギリギリのタイミングで,入場のときには,7日以内に上海当地で行われたPCR陰性証明が必要だということが発表された。
あさイチの発表とともに,当日にはもう会場にPCR検査場が出来てるあたり,さすがに打つ手が速い。
そこではまず「核酸检测结果」(PCR陰性証明)が確認され,通過したら次は「行程码」(過去14日間にどの地域にいたのかを記録し,感染例が出た地域に滞在したことがあると,アイコンの色が黄色や赤に変色する),そして「健康码」(本人の申告内容やPCR検査の結果,そして行動履歴から,ウイルス感染に対する「安全度」を判定し,1人1人の持つ感染リスクを3段階に分けて示したもの)を提示するよう,順番にスタックポイントが設置されている。以上3つをすべて無事に通過できた者だけが,会場内に入れる。つまり,入るだけで3段階の安全証明の確認が必要になるということだ。
会場内はエアコンがガンガン効いている。涼しい風に吹かれながら,例年通りのセキュリティゲートとX線スキャナーが目の前に現れたので,いよいよ入場だと思ったら,もう1つあった。
セキュリティゲートに手をかざせと命じられたのだ。そこには,本日初めての体温チェックの設備が,ゲートにはめこまれていた。この順番が示すものは,感染リスクを判断するときは,人体の表面温度より,行動履歴や検査結果のほうが頼りになるということだろう。
以上の手続きが全部終わったあとで,ようやく冒頭で書いたような入場券確認が行われる。
比較的安全な中国本土ではあるが,Covid-19でいろいろなことが制限されているイベントとなっている。それでも時間が昼を過ぎて午後に差しかかると,人が徐々に集まってきた。少なくともChinaJoyは,できる限り感染リスクを排除しようとする,主催側の努力がキチンと見えた。
最終日が終わるまで,この感染対策がどういう結果になるのか分からないが,ここまでやってくれているのなら,かなりの安心感が得られているのは事実だ。まずこの灼熱のイベントが順調に終わるよう,そして,Covid-19の中で開催されるオフラインイベントの試金石になるよう,心から願っている。
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