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[NDC21]コロナ禍で人々の利用するメディアはどのように変化したか? ニールセンによる調査結果をレポート
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印刷2021/06/10 20:57

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[NDC21]コロナ禍で人々の利用するメディアはどのように変化したか? ニールセンによる調査結果をレポート

 Nexon Koreaが主催する,韓国最大規模のゲーム開発者向けカンファレンス Nexon Developers Conference 21(NDC21)が2021年6月9日から2021年6月11日まで開催されている。本稿では,本日(6月10日)行われたセッション「COVID-19におけるメディアとゲーム」をレポートしよう。

 2019年の終わりから今もなお世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,人々のライフスタイルに計り知れない影響を及ぼしている。セッションでは,メディア調査会社のニールセンのスタッフによって,COVID-19による人々の利用するメディアの変化が述べられた。

講演を行ったニールセン・メディア・コリア デジタルメディア本部のキム・ミンソク氏
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 ニールセンの調査によると,2020年上半期の韓国における検索ワードの上位には,マスク,消毒液,ソーシャルディスタンスなど,COVID-19への対策が多数含まれ,防疫は日常生活において当たり前のものとして浸透しているという。
 また,あらゆる集団活動が禁止を余儀なくされたことで,人々のライフスタイルそのものも変化している。日常生活の大部分を占めている,各種メディアの利用においてもそれは同様だ。

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 キム氏は,TVPCモバイルの3メディアに関する,人々の利用時間をまとめたグラフを紹介し,COVID-19の発生前後で,それぞれのメディアの利用時間がどのように変わったのかを分析した。
 グラフによると,2020年3月にCDVID-19の感染者が急増したタイミングで,TV,PC,モバイルのいずれも利用時間が大きく増加している。COVID-19の影響で外出の機会が減り,自宅でより多くの時間を過ごすことになった。その結果,TV,PC,モバイルを利用する時間が増えるのは自然なことと言えるだろう。

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 韓国では2020年8月にCOVID-19の2次拡散が,2020年11月には3次拡散が発生しており,それらのタイミングでもメディアの利用時間が増加している。ただし,1次から2次,2次から3次と進むことで,利用時間の増加率は落ちているという。これについては,COVID-19に対する恐怖心が次第に薄まり,外出自粛などが緩んでいることによる影響かもしれないとキム氏は推測していた。

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 続いてはTV,PC,モバイルの各メディアで,利用時間の増加率がどれだけ違っているのかが紹介された。それによると,韓国ではTVの利用時間が最も大きく増えており,続いてモバイル,PCの順になっているそうだ。
 過去3年間におけるメディアの利用時間の推移を見ると,2019年まではモバイルが順調に増え,それに押し出される形でTVが減少傾向にあった。ここでTVの利用時間が増えているのは意外に思えるだろう。

 これを受けてキム氏が更に深掘く分析したところ,TVのなかでもニュース番組の視聴率の増加が著しいことが分かり,COVID-19の1次拡散期では50%以上も上がっていたとのこと。未知のパンデミックにより先行きが不透明ななか,より正確で信頼できる情報を探そうとするニーズが,TV視聴を後押ししたのではないかと分析した。

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 次に,娯楽などのサービス全般を分析すると,分野に応じて明暗が大きく分かれているという。最も大きく増加しているのはデリバリー系のサービスで,前年比で利用者数が約27%増加している。通販サービスや決済など,オンライン系のサービスは全体的に好調のようだ。

 ゲームや動画に関しても,自宅内における余暇を過ごすニーズによって需要が増えている。韓国ではモバイル端末における動画の利用者数は4000万人,ゲームは2000万人に達しており,この2分野だけでモバイルを利用したエンターテインメント全体の約80%を占めているそうだ。

 ちなみに同じ動画サービスでも,コンテンツの種類によって増加率が違うらしい。というのも,以前は比較的短めの動画コンテンツが人気で,これは短時間でも動画を楽しみたいという人が多かったからだという。しかし現在では,余暇をもてあます人が増えており,視聴時間の長いコンテンツを時間をかけてたっぷり堪能したいという傾向があるようだ。

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 モバイルゲームに関しては,「合計の利用時間」は,COVID-19が広がってから全体的に伸びているという。既存のゲームファンは,余った時間を更にゲームに注ぎ込むようになり,日中および深夜の時間帯はトラフィックが大きく増加しているという。
 一方で,モバイルゲームの「利用者数」は,大きく増えていないのが興味深い。コロナ禍で自宅にいる時間が増えたからといって,これまでモバイルゲームに興味のなかった人が,急に遊ぶようになるわけではないという解釈もできるだろう。

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 そのほか気になったのが,モバイルゲームで遊ぶ年齢層が,少し若くなっているという報告だ。コロナ以前は40代が最も多く利用していたそうだが,現在は30代の増加が著しいという。合わせて,「カートライダー」「ブロスタ」「PUBG」などの定番作が堅調で,モバイルゲームの業界がCOVID-19によって受けたダメージは少ないとのことだ。

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多数の利用者が集まることや移動を最小限に済まそうとするため,それらに関連したサービスは大きく落ち込んでいる。前年比で−57%となった映画や,旅行や宿泊,交通サービスなどの利用者も大きく減少している
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モバイル端末の利用時間を曜日や時間帯別に見ると,平日の9時から18時にかけて大きく増えているとのこと。要因としてはオンライン授業の増加などが予想できるが,勤務中にモバイルを利用する人が増えているのかも?
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 COVID-19の脅威はまだ去っていないが,今後コロナ禍が収束するものと仮定して,その後の人々のライフスタイルが元に戻るのかどうかも気になるところだ。
 これに対してキム氏は,上述したライフスタイルの変化は,仮にCOVID-19が収束しても元には戻らないとの見解を示した。多くの企業は,COVID-19以降も在宅勤務制度を推奨し,ショップに関しても,実店舗の販売面積を減らし,オンライン販売に注力する姿勢が見られるからだという。

 そのため各メディア事業に携わる人間は,新たなスタンダードへの準備を進めねばならない。COVID-19への対策だけでなく,人々のライフスタイルがどのように変化するのかも,引き続き注目する必要があると講演を締めくくった。

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※掲載している画像はすべて配信をキャプチャしたものです

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