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東京公演が開幕した「ペルソナ5」の舞台「PERSONA5 the Stage」の会見とゲネプロをレポート。見事な再現度にペルソナファンは注目
東京公演初日となった12月19日,メディアや関係者向けにキャスト会見と公開ゲネプロが行われたので,本稿にてその模様をお届けしよう。
「PERSONA5 the Stage」公式サイト
怪盗団と明智吾郎,そして“カモシダ”役のキャストが意気込みを語った
キャスト会見には,主人公役の猪野広樹さん,坂本竜司役の塩田康平さん,高巻 杏役の御寺ゆきさん,明智吾郎役の佐々木喜英さん,鴨志田 卓役の髙木 俊さんという5名が登場し,それぞれ公演への意気込みや見どころを語った。
――公演への意気込みや見どころをお願いします
猪野広樹さん(主人公役):
大阪はお客さんが集中して見てくださったのでとても演じやすい環境でした。このいい雰囲気を東京に持ってこられたと思います。東京のお客さんにも楽しんでもらえるように,エンターテイメント性だけではなく,しっかり地に足をつけたお芝居をしていきたいと思います。
見どころはやはりペルソナの覚醒シーンです。そこまでの過程や,キャラクターが抱えるストレス,それが爆発するまでを大事に描いています。あと鴨志田はかなり笑わせにきていて,8割がた鴨志田に持っていかれているんじゃないかというくらいです(笑)。楽しみにしていてください。
塩田康平さん(坂本竜司役):
主人公の覚醒に影響を与えた竜司のように,僕がほかのメンバーに影響を与え続けて,そしてそれがステージ上の役者をとおしてお客さんにも広がっていくよう頑張ります。
今回の舞台は歌やダンスが盛りだくさんなのですが,僕はなんとラップにも挑戦しているので,ぜひ注目してください。あと,ゲームにあるコープが深まるシーンも舞台上でしっかり描いています。「あっ! いまこの2人のコープが上がった!」というのが見えてくる演出になっているので,これも見どころですね。
御寺ゆきさん(高巻 杏役):
私は舞台が2回目なので,まだまだ至らない点も多いのですが,最後まで集中力を切らさずに頑張りたいです。お客さんにエネルギーを与えて,「杏ちゃんを見られてよかったな」と思ってもらえるように頑張ります。
ペルソナの覚醒シーンはもちろんなのですが,私は鞭で戦うのでほかの皆さんのバトルとはまたちょっと違った動きをしたりします。鴨志田先生や志帆とのシーンも大事に作り上げたのでぜひ見てほしいです。
佐々木喜英さん(明智吾郎役):
今回のストーリーでは明智はまだベールに包まれており,影から怪盗団の活動を見ているという役周りなので,次回作につながるような爪あとを残していければと思っています。
また原作ゲームの楽曲も作曲している喜多條さん(アトラス サウンドチームの喜多條敦志氏)に,舞台用に新曲を6曲作っていただけたのが嬉しいです。僕はその中で2曲の歌唱を担当しているのですが,舞台で歌うのが久しぶりなのでこれも楽しみですね。魂がこもった歌をお届けします。
髙木 俊さん(鴨志田 卓役):
今回は「P5」の舞台の第1弾ということで,稽古から難しいことが多くて,変身のシーンとかは本当に大変でした。ここまで積み重ねてきたものが次につながるように頑張ってやってきたので,いろいろなシーンに注目してほしいです。
そして,大阪公演が終わっているのですでに噂で聞いているかもしれませんが,鴨志田が脱ぎます! 体脂肪も8%にまで落として身体づくりから頑張ってきましたので,ぜひこのボディをみてください(笑)。
――ファンのみなさんに一言お願いします。
猪野広樹さん(主人公役):
人気のゲーム作品ということもあり,自分が任された役割の大きさを感じています。大人に対して反逆の意思を持った彼らがどういう思いを抱えていて,それがどう爆発していくのかを大切に演じています。誰一人妥協しないでここまで一丸となりやってきました。ワンチームで頑張りますので,最後まで応援よろしくお願いします。
塩田康平さん(坂本竜司役):
作中に怪盗お願いチャンネル(おねチャン)というWebサイトが出てきますが,見終わったあとに皆さんがおねチャンに書き込みたくなるような舞台にしたいです。
御寺ゆきさん(高巻 杏役):
千秋楽まで突っ走って行きますので,ぜひ皆さん楽しみにしていてください。
佐々木喜英さん(明智吾郎役):
原作のストーリーもまだまだあるので,この舞台がどんどん大きくなって続いてほしいと思います。そのためには皆さんの力も必要なので,末永くこの舞台を応援していただけると嬉しいです。
髙木 俊さん(鴨志田 卓役):
鴨志田は悪役ですが,皆さんで一緒にカモシダパレスを盛り上げていきましょう!
ペルソナファンも感動の再現度で描かれる物語
プロジェクションマッピングを使った演出も特徴
ここからはゲネプロの模様をお届けしよう。
舞台はゲームのオープニングそのままに始まる。ゲームの冒頭で主人公(名前は日替わり)であるジョーカーがパレスからの逃走を試みるも警察に捕まり,取調室でこれまでを振り返る形で,過去の事件と転校,竜司との出会い,そして竜司と2人で迷い込んだ異世界……と,まさにゲームの内容をなぞるかのように進んでいく。
「P5」は現実世界と異世界「パレス」を行き来する物語が進行する。パレスから現実世界,現実世界からパレス……という場面展開が難しいそうだが,これを違和感なくステージ上で自然に行うところがこの舞台の凄いところだ。
また主人公たち怪盗団は,パレスに入ると制服姿から怪盗服に変身するが,この変身シーンもゲーム同様に瞬時に早変わりする。舞台転換などの工夫により,ゲームをやっているのと同じくらいの没入感で,舞台を観ることができた。
その没入感を実現するのに一役買っていたのが,高画質のプロジェクションマッピング。その美しさには2.5次元の舞台に慣れている筆者ですら驚愕のクオリティだった。
パレスの背景だけではなく,ジョーカーたちのペルソナやパレス内に出てくるシャドウなどもプロジェクションマッピングで描かれており,それがキャストの演技と融合し,「P5」の世界が見事に再現され目の前で展開していくのだ。
冒頭のジョーカーが逃走するシーンでも,セットや役者の演技によって演劇ホールのステージという狭い中であることを感じさせない“広いパレスから逃げている”状況が作り出されていた。向かってくる敵を華麗に交わし,また逃げる……このアクションが最高にカッコいい。
もちろん竜司や杏も美しく魅せてくれる。バトルではペルソナでのスキル使用シーンはもちろん,軽快で爽快な戦いっぷりを見せる竜司や,華麗に鞭を振るう「まさに女豹!」な“杏殿”の殺陣,そしてペルソナの覚醒シーンは必見だ。
さて,「P5」のファンなら気になるであろうもう1人(1匹?)の仲間を忘れてはいけない。そう,モルガナだ。
このステージにも,モルガナはきちんと登場する。「モルガナもプロジェクションマッピングかな」と思いきや,そうではない。現実世界で猫の姿になっているときはプロジェクトマッピングで描かれているのだが,パレスでの本当の姿(?)は,役者としてちゃんと登場するのだ。
着ぐるみ……ではなく役者のモルガナは,その姿を見て「果たしてアクションができるのだろうか」と思ったのだが,想像を超える機敏さで立ち回る姿に驚かされた。この驚きと,そして何とも言葉にしがたい笑いは,ぜひ舞台やライブビューイングで観て,そして驚いてほしい。
モルガナに負けずインパクトがあったのが,カモシダパレスに登場する“カモシダ”だ。現実世界の鴨志田の再現度の高さはもちろん,パレスでのカモシダも注目。何とも形容し難いが,現れた瞬間,ゲネプロながら関係者一行から思わず「……ふぐぅ!」というこらえきれない笑い声が噴き出していたことをお伝えしたい。
会見で「この舞台のために体脂肪率を8%にまで落とした」と語っていた髙木さんのお身体も大変に素晴らしい。そしてカモシダに寄りそう,カモシダの妄想の中のシャドウ杏殿も,もちろんあのお姿で最高にセクシーだ。
一方の現実世界では,パレスのドタバタが嘘のようにシンプルに,そしてリアリティをもって描かれている。例えば主人公が竜司と2人で牛丼を食べにいくところでは,実際の牛丼屋によくある箸箱が小道具として使用され,水のコップも定食屋などでおなじみのもの。純喫茶ルブランにある雑誌や小物も,我々の現実と地続きであるようなリアルさが追及されていた。演出もあえて抑えたものとなっており,すべての動きが自然なため舞台であることを忘れてしまいそうになるほど。
アクセントとなっているのが,各キャストに歌があるところ。とはいえミュージカルのように多用されているわけではなく,ポイントで歌とダンスが入っているというもので,その展開も自然なものとなっている。この歌とダンスで注目なのは,竜司のラップとダンス。日常パートはアンサンブルの使い方もかなり工夫されているので,舞台の全体を眺められる位置から観劇できると面白そうだ。
なお,日常パートには,主人公の身元引受人である佐倉惣治郎や取り調べを担当する検察官の新島 冴,担任教師の川上貞代など,おなじみのキャラクターたちが登場する。舞台の後半には,喜多川祐介や班目一龍斎といった,次の展開が期待できる面々も。こちらも楽しみにしてほしい。
そして最後に,「ペルソナ」シリーズといえばオシャレなサウンド。「Life Will Change」など原作ゲームでも重要な楽曲である楽曲はもちろん使用されており,中には「この曲がこんなアレンジで!?」というサプライズもあるので注目だ。
今作には基本的に「舞台ならでは」というオリジナルストーリーはほぼなく,こんなに原作に忠実な舞台は見たことがないというくらい,カモシダパレスまでをきっちりと丁寧に描いていた。
キャストが目の前で演じている「P5」は,その世界をリアルに感じさせてくれるものであり,いちペルソナファンとしても今作の舞台作りに心の底から感動した。役者の表現や生の舞台ならではのセリフのやり取りで生まれる絶妙な笑いの要素も注目。これまで全ての「ペルソナ」シリーズの舞台を見てきた舞台好きとしても満足だ。
興味を持った人は,公式サイトで詳細を確認しつつ足を運ぶか検討してみると良いだろう。12月29日の千秋楽公演はライブビューイングが予定されているので,こちらもチェックしてほしい。
◆公演概要
- タイトル:「PERSONA5 the Stage」
- 原作:アトラス「ペルソナ5」
- 脚本・演出:西森英行
- 音楽:目黒将司(アトラス)
- アクション:六本木康弘
- 舞台音楽:喜多條敦志(アトラス)
- 公演日程:
【大阪公演】大阪メルパルクホール 2019年12月13日(金)〜12月15日(日) ※全日程終了
【東京公演】天王洲 銀河劇場 2019年12月19日(木)〜12月29日(日)
- キャスト:主人公:猪野広樹/坂本竜司:塩田康平/高巻杏:御寺ゆき/明智五郎:佐々木喜英/喜多川祐介:小南光司/新島冴:茉莉邑薫/三島由輝:糠信泰州/鈴井志帆:早乙女ゆう/校長:山岸拓生/斑目一流斎:高松潤/鴨志田卓:高木俊/モルガナ:大谷育江(声の出演)/他
・チケット:価格 一般:8,800円(税込)
プレミアムチケット(限定グッズ付き):11,000円(税込)
◆「PERSONA5 the Stage」ライブ・ビューイング
- 一般販売:ローソンチケット:https://l-tike.com/p5-s/
銀河劇場チケットセンター:03-5769-0011(平日10:00〜18:00)https://www.gingeki.jp (PC・スマートフォン)
・料金:\3,800(税込/全席指定)
- タイトル:「PERSONA5 the Stage」ライブ・ビューイング
- 日時:2019年12月29日(日)17:00 開演
- 会場:全国各地の映画館
開催映画館はこちら>>https://liveviewing.jp/p5stage/
※開場時間は映画館によって異なります。
※大阪府では条例により16歳未満の方は,終了時間が19時を過ぎる為,保護者同伴でないとご入場できません。
※3歳以上有料/3歳未満で座席が必要な場合は有料となります。
【一般発売(先着順)】2019年12月22日(日)12:00 〜 12月26日(木)12:00
- チケットスケジュール/お申込み(※先行予約は既に終了)
◎ローソンチケット:https://l-tike.com/p5-lv
◎ローソン,ミニストップ店内の端末「Loppi」
※一般発売は先着順での受付
「PERSONA5 the Stage」ライブ・ビューイング情報サイト
https://liveviewing.jp/p5stage/
(C)ATLUS (C)SEGA (C)SEGA/PERSONA5 the Stage Project
「PERSONA5 the Stage」公式サイト
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