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超巨大企業テンセントの2019年第三四半期は,1.5兆円の売り上げで3800億円の利益
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印刷2019/11/15 16:38

業界動向

超巨大企業テンセントの2019年第三四半期は,1.5兆円の売り上げで3800億円の利益

11月14日サービス開始のドリフトレースバトルゲーム「爆走ドリフターズ」
画像集 No.003のサムネイル画像 / 超巨大企業テンセントの2019年第三四半期は,1.5兆円の売り上げで3800億円の利益

 Tencent(テンセント)の2019年第三四半期(7月〜9月)業績報告が公開されたので,いくつかのトピックを抜粋してみよう。

 ご存知のとおりだがテンセントは,フィンテック+SNSを代表するかのようなアプリ「WeChat」や「QQ」,ゲーム業界的には「王者栄耀」で有名な会社だ。中国での「Nintendo Switch」の代理店でもあり,日本では先ごろ「爆走ドリフターズ」iOS / Android)のサービスをスタートしている。

※そのグローバル版が日本語になったのが,DeNAが配信している「伝説対決 -Arena of Valor-」(iOS / Android)だ

腾讯Q3总收入972.36亿元,云业务增长80%,国际化亮眼


 売り上げ高で「世界最大のゲーム会社」であるばかりか,Activision Blizzard,Ubisoft,Epic Games,Riot Games,Supercell,Bluehole,Netmarbleなど,そうそうたる顔ぶれのゲーム会社の「株主」ないし「親会社」でもある。もちろんゲームのみならずエンターテイメント全般に広く進出しており,ターミネーターの最新作「ターミネーター:ニュー・フェイト」も,事実上テンセントが大きく制作に絡んでいる。

 さてそんなテンセントの2019年Q3(第三四半期)の総売り上げは,972.36億元(約1.5052兆円)。YoYで+21%という弾けっぷりだ。四半期売り上げが1.5兆円……。そして非米国会計基準なので,シンプルに他社との比較はできないものの,Q3の利益は244.12億元(約3779億円)という数字が出ている。こちらもYoYで+24%という大幅増だ。四半期利益が3800億円……。

※レートはすべて,2019年11月14日の数値で計算しています(1元=15.48円)

 ここは4Gamerなので,ゲームについてちょっと詳しく見てみると,

・スマホゲーム売上 243億元(約3761.6億円) YoY+25%
・PCゲーム売上 115億元(約1780.2億円) YoYー7%


となっている。総額で358億元(約5542億円)。つまり,テンセントグループ全体の売り上げの,3分の1はゲームなのだ。そのゲーム関連でのトピックといえば……

PUBG MobileiOS / Android)の海外ユーザーMAUが,前年同期と比べて倍に
Call of Duty MobileiOS / Android)が,リリースから1か月以内にダウンロード数が1億超え

というあたりだろうか(そうCoD Mobileは,テンセントのTimi Studioが開発しているのだ。Activision Blizzardの大株主でもあるわけで,ちょっと考えてみればおかしなことでもないが……)。

ところどころに,ひっそりとターミネーターとのコラボを入れ込んでいるPUBG Mobile(中国語版は「Game for Peace」というタイトル)
画像集 No.004のサムネイル画像 / 超巨大企業テンセントの2019年第三四半期は,1.5兆円の売り上げで3800億円の利益

ちなみにほかのジャンルを見てみると,

・フィンテックおよび企業サービス売上 268億元(約4148.6億円)
・インターネット広告売上 184億元(約2848.3億円)
・SNS広告及びその他売上 147億元(約2275.6億円)
・BtoBクラウドサービス売上 47億元(約727.6億円)


となっている。このうちフィンテック(WeChatペイなど)の売り上げは,前年同期比で+36%という伸び方を記録しており,すっかり普及してると思える中国でも,フィンテック周りにまだまだ伸びしろがあることを感じさせる。

画像集 No.006のサムネイル画像 / 超巨大企業テンセントの2019年第三四半期は,1.5兆円の売り上げで3800億円の利益
 ちなみに日本ではあまり馴染みがないのでピンと来ないかもしれないが,WeChatやQQの普及度合いはすさまじいもので,ほぼ中国国内だけのサービスみたいなものだが
・QQのMAU 7.31億人
・WeChatのMAU 11.51億人

という数字が公開されている(参考までに日本のTwitterアクティブアカウントが約4500万人,LINEの国内MAUが約8100万人だ)。
 BtoBのクラウドサービスも,YoY+80%というかなりの伸び方だ。中国のクラウドは,圧倒的No.1のシェアをAlibaba Cloudが握っており(中国国内の約半分を占める),その牙城をどこまで崩せるのかに注目だ。

 以上のように,ちょっと桁の違う数字を叩き出しているテンセントの今四半期。中国のユニコーン企業のほとんどに投資していることもあり,このあともさらなる発展を遂げていくに違いない。
 とはいえ,ゲームだけでも四半期で5542億円の売り上げを叩き出す,世界ランクTop5に入るこの会社といえど,国家の規制からは逃れられない。このあとのテンセントのゲーム事業がどのように動いていくのか,いろいろな意味で注目したい。

画像集 No.002のサムネイル画像 / 超巨大企業テンセントの2019年第三四半期は,1.5兆円の売り上げで3800億円の利益

テンセント2019Q3財務報告書:TENCENT ANNOUNCES 2019 THIRD QUARTER RESULTS


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