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[CJ2019]ChinaJoyで垣間見た中国のeスポーツ事情
と,ネットを介した情報ではまさにその通りなのだが,実際のところどうなのだろうか。今回,筆者が取材に赴いた中国最大のゲームイベント「ChinaJoy 2019」で,その片鱗を垣間見ることができたので,お伝えしたい。
ChinaJoyの会場全体で目についたのは,プロチームを活用したプロモーションの多さだ。たくさんの現地企業が出展しているが,巨大なステージにPCを並べ,対戦イベントを実施しているところは少なくない。
――少なくない,ということはプロチームを活用したプロモーションに一定の効果があるということだ。その現象自体がゲーマーのeスポーツへの関心の高さと言えるのではないだろうか。
会場の取材中に「オーバーウォッチ」(PC / PS4 / Xbox One)の大会がNetEase GamesのBlizzardステージで行われていたが,そこには少なく見積もっても500人ほどの観客が集まっていた。大歓声をあげて応援する,という観戦スタイルではないが,この手のイベントでこれだけの人数が観戦していることに正直驚いた。
また,広いChinaJoy会場の一角では「ChinaJoy Cup」というeスポーツ大会も行われていた。種目となっているタイトルは「伝説対決 -Arena of Valor-」(iOS / Android)の中国版である「王者栄耀」と,「リーグ・オブ・レジェンド」で,MOBAが中心だ。
中国の若いゲーマーに少し話を聞いたが,eスポーツはやはり人気があるそうだ。その理由は「プロプレイヤーに憧れている人が多い」ということだった。若者の目標の1つに「プロプレイヤー」という存在があるのだ。その憧れの理由は「高額な賞金」だったり,「強者への尊敬」だったりとさまざまだろう。
中国のeスポーツシーンが世界でも屈指の熱量を持っているのは間違いない。だが,少し気になった部分は観戦者の“女性比率の低さ”だ。日本でも女性比率はタイトルによってまちまちなため,なんとも言えないところだが,多いときは観戦者の4割以上が女性という大会も見たことがある。
この差が何に起因しているのか,詳しく調べてみると面白い結果が見えてきそうだ。ひょっとするとこういった部分に,日本のeスポーツの未来が隠されているのかもしれない。
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