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東京ゲームショウ2018は9月20日から23日まで開催。テーマ「新たなステージ,開幕。」などがアナウンスされた発表会をレポート
主催者を代表して登壇したCESA会長の岡村秀樹氏は,TGSの来場者数が2013年以来25万人を超えていることについて「定着している」と表現した。また出展社数は2016年から600社を超えている,そのうち過半数が海外からのものであることから「TGSの国内外に対する発信力が非常に強くなっていることの現れではないか」「これからも情報発信のハブ機能を堅持していきたい」と語った。
TGS 2018では,「eスポーツ」「ネット動画の配信」「VR/AR/MRやブロックチェーンなどの新技術」「グローバル」という4つのポイントに注力していくとのこと。その中でも岡村氏が「もっともキャッチーな話題」とするのがeスポーツに対する取り組みである。昨年同様,TGS 2018でもステージイベント「e-Sports X」を展開するが,今回は日本eスポーツ連合(JeSU)との共催によって,前回以上に強化した内容になるという。詳細は,後日あらためて発表される予定だ。
続いて,共催の日経BPから代表取締役社長の新実 傑氏が登壇し,TGS 2018の4つのポイントのうち,同社がサポート可能なものとしてグローバル化を挙げた。新実氏は,長らく台湾,韓国,中国が海外出展社の中心だったとしつつも,近年はインドネシアやシンガポール,タイ,ベトナムといった東南アジアや,北欧,中南米からの出展が増えていることを指摘。またそれらの国や地域に対して,これまでオフショア開発やローカライズのパートナーに関する出展誘致を行ってきたが,それに加えてTGS 2018ではeスポーツ関連の出展誘致にも取り組むという。
また日経BPグループは,メディアグループとしての知見を活かし,出展社のメディア戦略をサポートするとのこと。新実氏によると,TGS 2017開催以降,国内の新聞やテレビなど主要な一般メディアがeスポーツをそれまで以上に取り上げるようになったのは,TGS事務局(当然,日経BPも参加している)による働きかけがあったという。したがってTGS 2018でも,出展各社に対して同様のサポートができるというわけである。
会場では,TGS 2017の開催結果報告もなされた。それによるとTGS 2017は,関連企画の充実によりeスポーツが大きな注目を集めたそうだ。またここ数年強化してきた動画配信においても,中国向け配信をスタートさせた。さらにビジネスデイの海外来場者数が過去最多となり,国際的な商談数が活発化する結果となった。
TGS 2017の来場者を対象としたアンケート結果(国内・海外)も公開された。とくにビジネスデイにおける来場者の職種という項目では,海外来場者の21.9%が経営者や会社役員,また11%がゲーム・エンターテイメント関連のプロデューサーやプロジェクトリーダーとなっており,TGSが海外のゲームビジネスおよび開発のキーパーソンとの直接交渉を期待できる場であることが示された。
最後に,TGS 2018の開催概要が発表された。TGS 2018のテーマは「新たなステージ,開幕。」。このテーマには,新たな楽しみ方や技術の導入という意味だけでなく,「TGSが新たなイベントとして幕を開ける」という意味を込めているとのこと。
具体的には,TGS 2018はBtoBとBtoCの双方を兼ね備えるゲームイベントを目指すという。まずBtoCにおいては「ゲーム文化の向上」を掲げ,上記4つのポイントのうちeスポーツとネット動画配信に注力する。そしてBtoBでは,「ゲーム産業の発展」という目的のもと,新たな技術への対応とグローバル化など開発環境の向上に努めると話していた。
TGS 2018に関する続報は,今後順次公開される予定となっている。CESAや出展各社から発表される内容に注目したい。
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