インタビュー
ネクソングループが海外のパートナー企業との連携を深める理由とは。「Nexon Developers Conference for Partners」主催者へのインタビューを掲載
NDCは10年以上にわたって毎年開催されているイベントだが,今年は新たな試みとして,「Nexon Developers Conference for Partners」(NDCP)が併催された。こちらは末尾に“for Partners”とあるように,同社が業務提携を行っている(あるいは,今後行う可能性のある)企業のためのカンファレンスである。
NDCPはクローズドなイベントで,メディアが取材を行うことは珍しいのだが,今回は主催者に直接話を聞く機会が得られた。NDCPの開催経緯や,ネクソングループがパートナー企業との連携を強化する狙いなどを,NDCP事務局のチョン・ソクモ氏とファン・ジンファン氏に聞いてきたので紹介しよう。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。
まず最初に,NDCPの概要についてお聞かせください。
チョン・ソクモ氏(以下,チョン氏):
ネクソングループは,海外のパートナー企業と一緒にさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。そうしたパートナー企業向けに,ゲーム開発の経験及び運用ノウハウの共有と,相互の連携強化を目的として開催しているのがNDCPです。その内容的にNDCとの親和性が高いため,今回は併催という形を取りました。
4Gamer:
“パートナー企業”と言われても,多くの4Gamer読者にとってはピンと来ないかもしれませんが,それによってたとえば「ドミネーションズ」(iOS / Android)などが作られているんですよね。
チョン氏:
ええ。ただ,NDCP全体で見ると,どちらかというとゲームの開発や運営の土台となる技術などがテーマに選ばれることが多いです。ミドルウェアやゲームエンジン,ローカライズやマーケティングなどですね。
4Gamer:
ちなみに今年のNDCPでは,どういったテーマのセッションが行われているのでしょうか。
チョン氏:
ざっくりとした紹介になりますが,「HIT」の日本版配信や,「アラド戦記」の中国における長期運用の成功事例,アジアマーケット全般,Live APIなどといった感じです。
4Gamer:
NDCPは今回で3回目(3年目)とのことですが,ネクソングループが海外の会社との連携を強化するに至った背景についてお聞かせください。
ファン・ジンファン氏(以下,ファン氏):
当時の弊社から見て,欧米の開発会社は,パッケージゲームに関するノウハウは十分にあったものの,オンラインゲームに関しては伸びしろがまだまだ多いと思っていました。そこで2013〜2014年頃から,欧米の開発会社に対する投資や事業提携を積極的に行っています。
それらの活動を通じて得たノウハウや知見を広く共有するべく,2014年からNDCPを開催しています。
4Gamer:
その頃を振り返ると,オーウェン・マホニーさんの社長就任や,当時の政権によるオンラインゲームに対する規制などが思い当たります。また,中国のゲームメーカーの勢いが一気に増した時期です。
ネクソンがグローバル企業への道を目指すにあたり,それらの影響はありましたか?
チョン氏:
いいえ。いずれにせよ,ネクソングループがグローバル企業を目指すことは必然的でした。
具体的に大きな契機だったのは,アジアにおける「League of Legends」の爆発的なヒットです。あれを見て,欧米のゲームのアジア市場における可能性に気がつきました。
4Gamer:
「DOTA2」の誕生にも関係がありそうな話ですね。
ところで,昔のPC向けオンラインゲームでは,他国展開を行う際,現地に合わせた仕様変更,すなわち“カルチャライズ”を行うことが多かったです。こちらに関しては,現在どのようなお考えでしょうか。
チョン氏:
以前は弊社もカルチャライズに注力していましたが,これには限界があると考えています。とくに韓国と欧米では,文化やゲーマーのプレイスタイルなど,あまりにも多くの部分が違っています。これをカルチャライズで補うのは非常に難しいです。
それならば,現地の開発会社と協力して,開発の初期段階から弊社の持つノウハウを注ぎ込んだ方が,最終的に良いモノができる可能性が高いと考えています。
4Gamer:
たとえばスマートフォン向けアプリに関しては,配信を行うだけなら,各国のストアを通じて比較的手軽に行えますよね。それでは通用しないということでしょうか。
チョン氏:
そうですね。本当にゲームが好きな人なら,それでも遊ぶと思いますが,市場規模としてはどうしても限界があると思います。
4Gamer:
NDCPに興味を持つ欧米の開発会社は今後増えそうですが,今後はどういった企業とのパートナーシップを期待していますか。
ファン氏:
アジアや欧米などに限らず,グローバルでのヒットを目指す,あるいはそのための技術を持っている企業の参加を期待しています。また,弊社は面白いコンテンツを全世界のユーザーの皆様に提供することを目指していますので,プラットフォームに関しても,特定のものに限定していません。従来のPCやスマホだけでなく,コンソールも可能性があります。
4Gamer:
そのほか,NDCPにおける今後の展望はいかがでしょうか。
チョン氏:
こういった活動は継続することが大切です。現在のNDCのように,10年以上続けてノウハウを蓄積していきたいですね。
あとは,ネクソングループとパートナー企業だけでなく,パートナー企業同士の情報共有もサポートしていきたいです。
4Gamer:
今回のNDC 17を取材して,ネクソングループはゲーム業界全体を見ているのだなあと感じますね。
チョン氏:
ネクソングループとは直接の関連性のないタイトルや,海外のスピーカーを招いてのセッション,そしてゲーム業界を志す若者に向けたセッションなどを行っているのは,そうした理由があります。
4Gamer:
なるほど。
チョン氏:
こういった活動を継続することでゲーム業界が盛り上がり,ゆくゆくは,ネクソングループにとっても恩恵があるでしょう。あとは,各メーカーが切磋琢磨してより良いゲームを作り出してくれるのは,いちゲーマーとしても嬉しいです(笑)。
4Gamer:
NDCPのような活動を継続することで,パートナー企業だけでなく,ネクソングループにとっても多くの恩恵がありそうですね。
チョン氏:
そうですね。たとえば「HIT」のグローバル版や,「Dynasty Warriors Unleashed」(真・三國無双 斬)などのサービス向上にも結びついているはずです。
4Gamer:
「HIT」のグローバル版も大成功のようですし,お互いにとって良い方向へ向かっているようですね。
今回はお忙しい中のご対応,ありがとうございました。
- 関連タイトル:
HIT 〜Heroes of Incredible Tales〜
- 関連タイトル:
HIT 〜Heroes of Incredible Tales〜
- 関連タイトル:
ドミネーションズ -文明創造-
- 関連タイトル:
ドミネーションズ -文明創造-
- この記事のURL:
キーワード
Copyright (C)2016 NEXON Korea Corporation and NEXON Co., Ltd.
Copyright (C)2016 Barunson E&A corp. & NAT GAMES. All right reserved.
Copyright (C)2016 NEXON Korea Corporation and NEXON Co., Ltd.
Copyright (C)2016 Barunson E&A corp. & NAT GAMES. All right reserved.
(C)2015 NEXON Korea Corporation. & Big Huge Games & NEXON Co., Ltd. All Rights Reserved.
(C)2015 NEXON Korea Corporation. & Big Huge Games & NEXON Co., Ltd. All Rights Reserved.