企画記事
大規模アンケート集計から見る日本のゲーマー像(その3):コンシューマ,オンライン,スマホ,4Gamer読者が愛するゲームはこれだ
なお,アンケート集計結果の概要や,ユーザーの基本特性,ハードウェア関連の特性については前回と前々回の記事を参照してほしい。
大規模アンケート集計から見る日本のゲーマー像
(その1)ユーザー属性編
大規模アンケート集計から見る日本のゲーマー像
(その2)ハード環境編
最も人気のゲームタイトルは?
ではさっそく人気のタイトルを見ていきたいのだが,この項目はちょっと複雑な設問で作られているので説明しておこう。
あくまでも基本になるのは,最も多く購入されたゲームタイトルだ。機種は問わず,スタンドアロンで動作するゲームが対象となっている。多くはコンシューマゲーム機のパッケージタイトルだ。一方でオンライン要素が強いゲームについては,期間内に遊ばれたかどうかが問われているので,購入した+遊ばれたの複合分野になっている。オンラインゲームの項目はPCオンラインゲームに特化しているので,こちらで吸収した副作用といってもいい。
なお,時期が時期だけになんとなく2016年の人気ゲームランキングぽい雰囲気になっているが,データ自体は2016年夏の時点での集計なので,2016年上半期の人気ランキングというほうが正確だ。そのあたりもご注意を。
さて,結果はご覧のとおりで「DARK SOULS III」が圧倒的な支持を獲得している。2位以下を大きく引き離しているだけでなく,6位にはPC版も並んでおり,異様な人気のほどが分かる。
2位の「Splatoon」は,「期間内にオンラインで遊ばれた」ほうのタイトルの代表だろう。2015年冬から2016年夏のアンケート実施時までに発売されていたWii Uタイトルは15本,もちろんSplatoonはその中に入っていない。Wii Uの普及率はかなり低めだが,Splatoonだけは遊ばれている。
以下,アンチャーテッド,オーバーウォッチなどとPS4向けの大作が並んでいる。所有率と稼働率を考えると当然といったところだろうか。グラフはプラットフォームごとに色を変えてあるのだが,青い中にたまに他機種があるとやけに目立つ。SplatoonとPC版DARK SOULSはすでに言及しているので置いておいて,3DSの「世界中の迷宮V」,PS Vitaの「ルフランの地下迷宮と魔女ノ地図」と,いずれも迷宮モノが飛び込んでいる。DARK SOULSといい,どれだけ迷宮好きなんだといいたくなる結果だ。
続いてPCオンラインゲームの人気作を見ていこう。下のグラフは,現在プレイしているゲームを集計して上位30本を表示したものとなる。
久しぶりのアンケート集計公開ということで,ここ数年で大きく変わった業界勢力図も見ておこう。以下は,プレイされているゲーム上位120タイトルで運営会社別の割合を示したものである。複数回答なので,本来,円グラフは不適なのだが,雰囲気はよく伝わるのではないだろうか。
さらにスマホアプリの動向を見ていこう。とりあえず,人気のゲームは以下のとおりとなる。
集計を行ったのが夏ということもあって,旬な「Pokémon GO」が1,2フィニッシュを決めている。その下には,パズドラやモンストといった世間でプレイされていそうなゲームの上に,なんとなくお金の掛かりそうなタイトルがずらっと並んでいるような気がする。スマホでもヘビープレイヤーが多い雰囲気はある。
グラフは,プラットフォームで色分けしている。OSのシェアではAndroidがiOSをやや上回ったが,上位30タイトルのうち14タイトルがAndroidで16タイトルがiOSとわずかに逆転が見られる。第2回の記事でも挙げたとおり,ゲームでの利用率ではiPhoneのほうが上回っていることによるものだろう。
トップとなったPokémon GOについて見てみよう。以下は年代別のプレイ傾向だが,全タイトルの平均的な傾向と比較してみると,非常に幅広い年齢層に遊ばれていることが分かる。
とくに低年齢層と高年齢層での伸びが顕著だ。半面,4Gamerのボリュームゾーンともいえる,30代前半では大きな低下が認められる。ほかの年代がプレイしているから相対的に下がったという見方もできなくはないが,20代後半などと比べても30代前半の落ち込みは特徴的に大きなものとなっている。
マーケティング的なセグメント分けでの傾向も見ると,M1層(20〜34歳男性)でも非常に多くプレイされているものの平均よりは低目となるのに対し,F1層(20〜34歳女性)では平均より多めという結果で,初代ポケモン世代ではないかと思われる30台前半男性で敬遠されがちな傾向が見えている。
コンシューマゲーム(PCの非オンラインゲームなども含むが),オンラインゲーム,スマホアプリと人気タイトルを見たところで,いったい一人何本くらいのゲームをやっているのかを見ていこう。以下,コンシューマゲーム,オンラインゲーム,スマホアプリの同時プレイ本数をグラフにしたものである(全体人数に対する割合で単位は%)。
コンシューマゲーム(購入 or プレイ) |
オンラインゲーム |
スマホアプリ |
どれも1本が3〜4割で,スマホアプリで遊ばないという人も3割以上いる。オンラインゲームもスマホもタイトル1本に集中するという人が多いことが分かる。若干気になるのは,前回のアンケートから半年ちょっとでパッケージゲームの購入数が1本の人が最も多いことだ。かなりアクティブにゲームをする回答者が多いわりにはちょっと少ない気がするのだがこんなものなのだろうか。
ジャンルを問わずに遊んでいるゲームの本数を集計するとどうなるかというのが下のグラフだ。
3本というのが最も多い結果となり,コンシューマゲームもオンラインゲームもスマホアプリも1本ずつくらい遊ぶという人が最も多そうな結果となった。アンケートのゲームリストを全部チェックするのが大変なので,とりあえず1個ずつ選択したという人もいそうな気はするが,前後のグラフの動向を見ても極端な変動はなく,かなり実態に近い数字ではないかと思われる。どれもやらない人は最初に排除したつもりなのだが,微妙に残っている。
どれがどのように遊ばれているのかもう少し突っ込んで見ていこう。以下は,オンラインゲーム,コンシューマゲーム,スマホアプリのプレイヤーが,別ジャンルをどれくらいの割合で並行して遊んでいるかを示すものとなっている。
何度も繰り返しになるが,「コンシューマ」とはしている部分は,PCオフラインとコンシューマゲームとコンシューマオンラインゲームを含んでいる(なんでこんな分類にしてるんだ……)。プレイヤー層が広がっているのは当然だろう。
オンラインやコンシューマと比べると「スマホアプリだけ」といった人は少ない。半数近くはどのジャンルでもプレイをしており,「どれかだけ」というのは少数派である。併遊率からあえていえば,コンシューマゲームとの併遊率がオンラインゲームとスマホアプリであまり変わらないのに比べると,オンラインゲームとスマホアプリ間ではあまり併遊されてない結果となっている。
このオレンジ色の部分は,オンラインゲームとスマホアプリのみ使っているユーザー層だ。逆に言えば,あえてコンシューマゲームに手を出していない層である。それはどんな人たちかと考えると,オンラインゲームのガチ勢か,スマホのライトユーザーが浮かんでくる。なんとなく納得できる感じだ。
大規模アンケート集計から見る日本のゲーマー像
(その1)ユーザー属性編
大規模アンケート集計から見る日本のゲーマー像
(その2)ハード環境編
大規模アンケート集計から見る日本のゲーマー像
(その4)お金と時間編
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