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[G-STAR 2023]「Project Prometheus」“火の管理人”が光と影の対立する世界を旅する,2D横スクロールアクションRPG
なお,名称はプロジェクト名であり,現在は仮称だ。ただし両者ともに中国の会社であり,ゲームの公式サイトには「火环」と表記されている。対応機種についてはiOS / Android / PCとされる。
なお,現地での出展内容は「会場外に映像」「会場内にポップ2種」だけで,担当者も(関係各位とのやり取りで)一生忙しい状態に陥ってしまっていて,実機試遊やコメント取材はかなわなかった。
物語の舞台は,光と影が対立する世界。プレイヤーは「火の管理人」として英雄たちと災難に挑み,“青き炎”を探しにいく。
ピクセルグラフィックスで描かれた人物や背景は,簡素なデザインにも見えるがカッコ&カワイイ味わい。別途,美麗な2Dイラストでアート面を補強しているため,合わせて見ると仕立てのよさは十分だ。
登場人物は,頭に白いリボンをかけたゴシックな黒髪少女「??」。これは名称ではなく,“謎の少女”的な意味合いのようである。
ほかにも天文学の天才少女「ナフィア」(下図の一番右)や,連邦国家の名門貴族「シュシュティヤ」の姿が公式サイトで公開されている。
バトル時は,敵に吹き飛ばされたキャラクターが頭からドヒューッ! っと飛んでいくなどの愉快な演出も多い。
そのうえで,静けさのある退廃的な世界観との対比が絶妙であり,食い合わせの悪さを感じることなく独特な印象を与えてくる。
2019年設立の上海のゲームメーカー,DIMCROONの公式サイトによると「これは人類の物語で、英雄の物語ではない」とのこと。
シリアスとコミカルが両立した,雰囲気のあるゲームと言える。
バトルの印象は,横スクロールアクションでハチャメチャに戦うタイプだ。動作が軽快で,スキルの派手さもさることながら,ダメージ値があたり一面に飛び交う様子がとても気持ちよさそう。
巨大ボスが何体もいたり,被撃の予兆範囲から逃れるギミック避けもあったりと,アクションステージの仕掛けも凝っている。
また,各キャラクターには騎士や司教といった「ジョブ」,炎や氷や雷といった「属性」も存在し,ロールや相克関係もあるようだ。
マルチプレイや装備育成の存在は,現時点では分かっていない。ゲーム画面のイメージ的にはオンラインマルチプレイがあると楽しそうに思えるが,一方で下の画面のようなバトル演出,さらに湿り気を感じるストーリーテリングもあり,1人用だとしても受け入れやすくはある。
本作は,2022年に中国でクローズドβテストが行われ,2024年にも中国で第2回CBTが行われるという。構図としては「中国発のゲームで,中国タイトルを韓国(などで)パブリッシングするHAOPLAYが,韓国配信のためにG-STARに持ってきた」といったところか。
火を管理する世界。タイトル名にある「プロテウス(またはプロメーテウス)」とは,ギリシア神話においては,天界の火を盗んで人に与えた男神の名である。その力は,火や獣への変身能力,未来の予言,そして人間の創造(などと言われている)。作中における炎の扱いは,こうした人類史における象徴や崇拝といったアプローチなのであろう。
なのだろうが,灰色の印象を思わせる世界観のテイストも踏まえると,どうしても昨今の退廃的世界のアーキテクチャー,その第一人者に挙げられる「DARK SOULS」などがチラつく。悪い意味ではなく,魅力的な退廃表現を目指すと,これらのゴールにたどり着くのかも。
最終的にどのような姿でもって表現してくれるのかは分からないが,「いいところを突いてきた」というバランス感はなかなかだ。
「Project Prometheus」公式サイト(中国語)
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