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[EVO2018]レバーシャフトを着脱可能にする「The Link」と,感度調整に対応するレバー「Magenta」。アケコンのカスタマイズを楽しくする2アイテムが面白い
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印刷2018/08/08 14:30

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[EVO2018]レバーシャフトを着脱可能にする「The Link」と,感度調整に対応するレバー「Magenta」。アケコンのカスタマイズを楽しくする2アイテムが面白い

 EVO2018の展示ホールには,例年に増してさまざな企業が出展を行っており,HORIや三和電子といった日本人にもお馴染みの会社はもちろん,現地のショップなどによる,よりコミュニティ寄りの物販コーナーも充実していた。本稿ではその中から,アメリカのミネソタ州・ミネアポリスを拠点とする「Paradise Arcade Shop」ブースの製品を紹介してみたい。

Paradise Arcade Shopブース
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転戦する格闘ゲーマーに捧げるデタッチャブルシャフト「The Link」


 アーケードスティック(以下,アケコン)を持ち運ぶ機会というのは,日本ではあまりないかもしれないが,海外ではけっこう頻繁だったりする。ゲームセンターがほとんど残っていないために,オフラインで対戦しようと思ったら対戦相手のいるところまで出かけていくしかないからだ。またEVOほどの規模ではないにせよ,同じような形式のイベントは各地で行われており,そうしたお祭りに参加するにもマイアケコンを持参するのが普通である。
 しかし実際に持ち運ぼうとすると,アケコンというのは実にかさばるアイテムだ。レバーの部分が筐体から突き出しているために,カバンやスーツケースに入れるときは注意が必要になる。ヘタな入れ方をすれば,レバーと接触した何かや,もしくはレバーそのものが破損してしまうこともありえるだろう。

 そこで考え出されたのが,Phreak Modsのデタッチャブル(取り外し可能)なレバーシャフト「The Link」だ。これは既存のレバーを改造することを前提とした製品になっていて,シャフト部分をこれに置き換えることで,レバーの突き出た“握り”の部分,つまりボールとシャフトを筐体から分離して持ち運べるようになる。

シャフトの根本から取り外して運用できる。カラーも自由に選べるので,好みに合わせて選択可能だ。価格は30ドル(税別)だが,EVO期間中は26.95ドルで購入できた
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取り外した“握り”部分の持ち運びに便利なストラップも付属する。ストラップ単体で購入も可能で,こちらは7ドル(税別)だ
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 こうしてしまえば,アケコンの天面はフラット状態になるので,持ち運びの苦労は少なくなり,筐体部分を重ねて収納することもできる。取り外した“握り”の部分を専用のネックストラップで持ち運び,試合のときだけ接続して使うといった運用も可能だ。

 このThe Linkシリーズ,実は結構前から販売されており,新製品というわけではないのだが,本国のEVOに参戦でもしない限りは,なかなか手にする機会がないというのが現状だった。しかし確認したところParadise Arcade Shopのオンラインストアでは,日本への配送にも対応しているという。配送料が14ドル〜55ドルほどかかってしまうが,興味のある人は購入してみるといいだろう。
 ラインナップは三和電子製のレバーと組み合わせて使う「The Link - JLF」シリーズと,セイミツ工業製のレバーに対応した「The Link - Seimitsu」シリーズの2種類があるので,購入にたっては自分のアケコンにあったものを選ぶのをお忘れなく。

Razerのアケコン「Razer Panthera」に,The Linkを組み込んだのものがこちら。このとおり,レバー部を取り外すと筐体部分は真っ平らになる
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Paradise Arcade Shop内のThe link販売ページ



感度などの調整を可能にしたレバー製品「Magenta」


 アケコンのレバーとしては,古くから多くの人が愛用している三和電子製とセイミツ工業製のもの,そしてHORIが独自に開発したパーツである「隼」シリーズが知られているが,選択肢としてはほぼこの3つしかないのが現状だった。
 しかし,本当はもう少しストロークを短く,あるいは長くしたいなど,プレイヤーによって好みが分かれるものだったりする。Paradise Arcade Shopが販売する「Magenta Analog to Digital Programmable Joystick」(以下,Magenta)は,こうした細かなカスタマイズのニーズに対し,物理的なアプローチではなく,電気的なアプローチで応えた製品だ。

一見普通のレバーに見えるMagenta。北米市場でも2018年5月に発売されたばかりの製品だとか
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 Magentaは,外形や出力の電気的仕様こそ通常の8方向レバーと変わらないものの,入力検出を行うスイッチ部分が,一般的なレバーで採用されているスイッチ式ではなく,アナログ式になっている。ゲームパッドのアナログスティック的なものになっているという理解でいいかもしれない。

Magentaの底面部。一般的なレバーはシャフトが底面を貫通しており,そこにレバーの入力方向(4方向,8方向など)を決めるガイドを組み込む構造になっているが,Magentaの場合は基板がむき出しの状態だ。シャフトも貫通していないため,ガイドの変更にも対応しない
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 ゲームパッドのアナログスティックでは,一つの入力方向に対して多段の分解能を持っているわけだが,MEGENTAはあくまでアケコンレバーの互換パーツであるため,アナログ入力ができるわけではない。電気的な出力は,あくまで4方向のオン/オフである。
 ではなぜアナログスティック用の基板が用いられているかというと,レバーを「どの方向に」「どれだけ倒したら」入力が検知されるかの設定を細かくカスタマイズできるようにするためだ。

 たとえば斜め上方向の入力範囲を広げることができたら,低空ダッシュ(96)が出しやすくなるかもしれない。そうした声に応えるべく,Magentaでは特定の方向の受付範囲を,通常の45度から60度にまで広げることができる。またレバーの“遊び”の範囲も調整可能で,横方向だけ敏感にするといったことも可能だ。こうしたカスタマイズは,なるほどメカニカルスイッチでは難しいだろう。

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カスタマイズはWindows用の専用ソフトウェアを使って行う。Magentaとは基板部に用意されたUSBのMicro-B端子(※写真の基板右端の黒い端子)で接続する仕様だ
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Magentaのカスタマイズ用ソフトウェアのスクリーンショット。カスタマイズした入力特性は,ユーザープロファイルとして4つまで保存できる
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プロファイルの呼び出しには,2つの方法が用意されている。一つは専用のボタンを配線しておくことで,その場合,ボタンを押すたびにプロファイルが切り替わる
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あるいは磁気センサーが組み込まれた別売り基板(税別30ドル)をレバー基部上面に貼り付けるという方法もある
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磁気センサー方式では,適当な磁石を近づけることでプロファイルが切り替わる
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切り換えに成功するとLEDが点灯し,その点灯回数によって選んだプロファイルが判別できる


 展示されていた換装済のアケコンを触ってみたが,メカニカルスイッチのカチカチとした手応えはないものの,入力の感覚自体はしっかりあった。なので,あとは慣れの問題だろう。またメカニカルスイッチを使用してないため,結果的に静音を実現しているのも特徴といえる。
 ややマニアックだが,需要は確かにありそうな製品なので,こちらも興味が湧いた人はParadise Arcade Shopで注文してみるといいだろう。発売されたばかりの製品ということもあり,ライバルに差を付けるチャンスかもしれない。



Paradise Arcade Shop内のMagenta Analog to Digital Programmable Joystick販売ページ

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