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予想落札額およそ117万――東京コミコン2025で見た,未開封ゲームの世界が思った以上に興味深かった
今回は,そのなかで筆者が思わず衝撃を受けたブースを紹介したい。
ガラスケースに並んでいたのは昔のゲームソフト
会場を歩いていると,ふと視界にガラスケースが入り,思わず足が止まった。中には昔のゲームソフトが,箱のままきれいに並んでいる。東京コミコンに,なぜゲームソフト……? と不思議に思いながら近づいてみたところ,値札を見て固まってしまった。
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……高い。冗談かと思うほど高い。
理由を知りたくてスタッフに話を聞いてみると,このケースに収められたゲームはオークションに出品されているもので,すべて“未開封”のまま保存されている品だという。
素人目には普通のレトロゲームとの違いが分からないが,未開封のままここまできれいに残っていること自体が非常に珍しく,その希少性が大きく価値を押し上げているらしい。
ちなみに,記載の“予想落札価格”は低く見積もっているそうで,実際はもっと高額になるとのことだ。
このブースを出展していたのは,世界的なオークションハウス「ヘリテージ・オークションズ(Heritage Auctions)」だ。Heritageは,日本のゲームやトレカ,マンガなどを扱うオークションを企画・実施しており,今回のコミコンではその活動を紹介していた。
展示されていたタイトルは,いずれも保存状態がよく,コレクターから注目されやすいジャンルが中心のようだ。
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あらためてガラスケースを眺めると,素人ながらにも保存状態の良さが一目で分かる。箱の角はつぶれておらず,フィルムもきれいなまま残っていて,どう見ても普通の中古品とは違う。
未開封のゲームソフトは,古くからコレクターの間で注目されているという。海外では1億円を超える落札例(関連記事)があるなど,ゲームが“資産”や“文化的アイテム”として扱われる世界があることを知って驚いた。ゲームはずっと“遊ぶもの”だと思っていたからだ。
知らなかったのが少し恥ずかしいくらいだが,こうして覗いてみると実に面白い。
展示品すべてが同じように高額というわけではなく(とはいえどれも安くはない),価値は保存状態やタイトルによって大きく変わる。そのなかから,今回並んでいたゲームソフトの一部を紹介したい。
![]() ツインビー(ファミコン) 予想落札価格:500ドル |
![]() カービィのピンボール(ゲームボーイ) 予想落札価格:500ドル |
![]() 星のカービィ 夢の泉デラックス(GBA) 予想落札価格:500ドル |
![]() スーパーマリオサンシャイン(ゲームキューブ) 予想落札価格:400ドル |
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![]() ポケットモンスター リーフグリーン(GBA) 予想落札価格:2750ドル |
![]() ポケットモンスター ファイアレッド(GBA) 予想落札価格:3000ドル |
![]() ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし(GBA) 予想落札価格:3000ドル |
![]() マリオブラザーズ(ファミコン) 予想落札価格:3000ドル |
![]() 大乱闘スマッシュブラザーズDX(ゲームキューブ) 予想落札価格:1000ドル |
![]() バイオハザード2(PlayStation) 予想落札価格:500ドル |
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![]() マリオパーティ(NINTENDO 64) 予想落札価格:3000ドル |
![]() スーパーマリオブラザーズ(ファミコン) 予想落札価格:1000ドル |
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![]() テトリス(ファミコン) 予想落札価格:2000ドル |
![]() MOTHER(ファミコン) 予想落札価格:1500ドル |
![]() ファイナルファンタジーI&II(ファミコン) 予想落札価格:1500ドル |
![]() ファイナルファンタジーV(SFC) 予想落札価格:600ドル |
![]() ドラゴンボールZIII 烈戦人造人間(ファミコン) 予想落札価格:500ドル |
![]() ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人(ファミコン) 予想落札価格:500ドル |
ケースの右上にある「80〜95」という数字は,その商品の状態を示すものらしい。数値が高いほど状態がよいという分かりやすい指標になっている。
さらに,専門の鑑定人が未開封のまま中身がちゃんと入っているか,本物かどうかをチェックしてからケースに封をする仕組みになっているとのこと。素人には分からない部分を見てもらえるので,安心して売買が行えるようだ。
なお,ゲーム以外にも,カードや映画・ドラマで実際に使われた小道具などがきれいな状態で並んでいて,そちらもつい見入ってしまった。
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こうしたコレクターの世界でも,ゲームがしっかりと注目されていることが分かったのも面白い発見だった。これも広い意味で,ゲーム業界の盛り上がりの一部なのかもしれない。
とはいえ,きれいに残された箱を眺めながらも,やっぱり自分はゲームを“遊びたい”と思ってしまうのだった。
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