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中国女性向けゲーム市場の実像が明らかに。急成長が生んだ経済効果と,コミュニティに浮上する課題とは
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報告の冒頭で同氏は,「恋と深空」や「インフィニティニキ」といった近年の女性向けゲームタイトルに言及。これらの作品が,中国社会における価値観の変化と呼応しながら,新たに顕在化したニーズを的確に捉えてきた点を評価した。女性向けゲームは,単なるエンターテイメントコンテンツにとどまらず,経済的価値の創出という面でも存在感を高めているという。
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また,女性向けゲームはゲーム分野にとどまらず,周辺ビジネスへの波及効果も大きい。いわゆる「グッズ経済」の拡大を後押しする存在となっており,レポートでは,2025年のTmallの大型セールイベント「双十一」※におけるおもちゃカテゴリーの販売ランキングが紹介された。「恋と深空」を手がけたPapergamesのオフィシャルストアが,同カテゴリで首位を獲得したとされ,情緒的価値に基づく消費行為が,関連エコシステムを活性化させる重要な原動力になっていると分析された。
※双十一:中国で毎年11月前後に行われる大型セールイベント。初回が11月11日に開催されたことに由来し,「双十一」と呼ばれている。
続いて唐氏は,ユーザー調査の結果をもとに,現在のコアユーザー層のプロファイルを提示した。回答者は1990年代生まれおよび2000年代生まれの若年層女性が中心で,比較的高い学歴を持つ層が多い。職業は学生や企業勤務者が主で,一定の可処分所得を有している点も特徴として挙げられた。
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なかでも注目されたのが,回答者の約61%が独身であるという点だ。この結果は,女性向けゲームが情緒的な伴走や,疑似的な対人関係を提供するメディアとして機能している側面を間接的に示している。プレイ動機を分析すると,「ストレス解消」と「情緒的サポートの獲得」が主要な要因として浮かび上がった。
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唐氏は市場の急成長を評価する一方で,その過程に伴って顕在化してきた課題について懸念を示している。まず,一部のユーザーがゲームに過度な感情を投入し,「ゲーム依存」ともいえる状態に陥るケースが見られ,それが高額な課金行動を伴う点を指摘した。
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さらに,キャラクター解釈やユーザー間の立場,消費行動をめぐる対立を背景に,コミュニティ内で誹謗中傷が発生していることにも言及。こうした対立は,SNSのレコメンドや拡散構造によって増幅され,集団極化を伴う不安定化へと発展するケースも確認されているという。
同氏は,これらの問題が,女性向けゲームというジャンルが持つ,情緒的投影やコミュニティ交流への依存度の高さと無関係ではないと分析している。そのうえで,健全な産業エコシステムを維持していくためには,開発側,運営側,そしてユーザーコミュニティ一同が連携し,継続的に関与していくことが不可欠だと呼びかけ,講演を締めくくった。
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