連載
変幻自在のアリーナで生き抜く光と音の全方位シューター「Sektori」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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思考を止めよ,本能で避けろ。まばたきすら許されぬ,光と音の狂騒が今幕を開ける。
本日は,元Housemarqueのスタッフが手掛ける「Sektori」を紹介しよう。
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本作は,見下ろし視点で自機を操り,全方位から迫る敵を撃退するツインスティックシューティングだ。最大の特徴は,戦いの舞台となるアリーナそのものが生き物のように変形することにある。
足場が割れ,あるいは消失する中で,プレイヤーは常に立ち位置を変えねばならない。
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その激しい攻防を支えるのが「ストライク」と呼ばれる高速突進だ。敵を貫通し,危機を一瞬で好機に変えるこの技が,単なる回避を超えた攻撃的な立ち回りを生む。
さらに,事前に組んだデッキから強化能力を引くシステムが,遊ぶたびに異なる強さを自機に与えてくれる。物語や冗長な説明を削ぎ落とし,純粋なアクションの快楽だけを追求した一作だ。
変幻自在の空間が生む緊張感
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このゲームに安住の地はない。戦いの最中に空間が裂け,移動ルートが分断されるからだ。敵の弾幕だけでなく,ステージの変化にも目を配る必要がある。この予測不能な地形変化が,毎回異なる判断を強いる。記憶に頼るプレイはできず,瞬間のひらめきだけを信じて動く。そのヒリヒリとした緊張こそが,本作の真骨頂と言える。
攻防一体の超高速突進
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射撃だけで勝つことはできない。チャージ式の突進技「ストライク」を使いこなして初めて,血路が開ける。敵の群れを突き破り,散らばったアイテムを一気に回収する爽快感は格別だ。さらに,特定アイテムを集めて発動する「ミラージュ」状態になれば,圧倒的な火力で画面上のすべてを粉砕できる。この静と動のメリハリが,指先を熱くさせる。
脳を揺らす光と音の洪水
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視界を覆う強烈なエフェクトと,プレイと完全に同期したテクノサウンドは,プレイヤーを一種のトランス状態へと誘う。極彩色の光が明滅し,ビートが思考を塗りつぶしていく――理屈を排して純粋な刺激だけを抽出したこの体験は,かつてのアーケードゲームが持っていた熱狂を,現代の技術で鋭く研ぎ澄ませたものとえるだろう。
「Sektori」は,装飾を排して「撃つ・避ける」という原始的な快楽を極限まで突き詰めた作品だ。甘えを許さぬ高難度だが,短時間で濃密な時間を過ごしたい人や,自身の反射神経を試したいシューターにとっては,これ以上ない挑戦状となるだろう。
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