［GDC 2025］探索型アクション「Dreams of Another」のデモ版をプレイ。夢のような世界を撃つことで物体が具現化されていく不思議な感覚を味わえた

　Q-Gamesの新作アクションゲーム「Dreams of Another」（PC / PS5）のプレイアブルデモが，GDC 2025に合わせて開催された「Day of the Devs 2025: San Francisco Edition」に出展されていた。


　「Dream of Another」は「PixelJunk Eden」のディレクター，マルチメディア・アーティストのBaiyon氏が開発をリードするタイトルだ。“パジャマの男”と“彷徨う軍人”を中心に，不思議なキャラクターやモノたちと会話しながら夢の中と思われるシュールな世界の中を探索していく。


　今回のデモでは，サブマシンガンを背負ったパジャマの男でプレイした。
　舞台は，どこかヨーロッパのヴィラを連想させる空間で，シャンパン色に輝く小さな球状の泡や立方体で形作られている。

　この泡や立方体は，3D空間上の物体形状を無数の点を使って表現する「ポイントクラウド」（点群）というデータ構造を応用したものだ。ポイントクラウドを用いて描かれる抽象的な世界は，まさに「誰かの夢の中」（Dreams of Another）と言った感じで，ピッタリの表現方法だ。


　本作では，このポイントクラウドを撃つことで，物体が創造されていくのが大きな特徴となっている。試しに，朧気な風景をサブマシンガンで撃ってみると，中央にある噴水と，その縁に座る男性の姿が具現化した。

　空気中に浮かぶ球体や立方体が弾丸の衝撃で崩れ落ち，その破片がオブジェクトとして固まっていくようなイメージで，「破壊なくして創造はない」という本作が掲げるテーマどおり，無数の球体の破片が1つの世界を作り上げていくのだ。


　主人公を左に添えたサードパーソンシューターのようなスタイルだが，動く標的に中央の照準を合わせるのがかなり難しい。
　このデモの“敵”であるマンホールは泡の向こうで姿を消してしまうだけで反撃してこないので，その分正確に銃撃しづらい設定になっているのかもしれない。

　3つのマンホールを倒すと，最初に話しかけたマンホールの中の世界へと飛び込んでいくというカットシーンでデモは終了した。プレイ時間は10分にも満たないもので，ゲームの一部を見せる程度のデモ内容に抑えられていた。


　シナリオはかなりシュールで，地面に赤く光る足跡を追跡していくと青いマンホールが浮かび上がり，マンホールに向かって話しかけるとゴロゴロと転がりだすという不思議な展開が続いていた。
　設定を読み解くヒントになりそうなのは，マンホールを含めた何人かのNPCのセリフだったが，そこからどのようなストーリーが展開されるのかは想像もつかない。

　今回初公開となったデモ版はPCでのプレイとなったが，開発がアナウンスされているPS VR2版では，泡に包まれたゲーム世界の臨場感もひと際になるであろうことが想像できる。
　公開されているSteamストアページでは，PCおよびSteam向けVR機器への対応に関する表記はないものの，今後の情報公開が待たれるところである。

「Dreams of Another」公式サイト

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