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AIがプレイヤーのパズルの解き方を学び,そしてボスと戦う。革新的でユーモアあるパズルRPG「BlockWorld Ai」[TGS2024]
このユニークなゲームを制作するのが,One Team.こと三浦大幹氏。TGS 2024のブースで試遊しながらどのようなゲームかを聞いてきたので,本稿でそれをお届けしよう。
高校に入り,ゲームのコンテストを知ってから,Unityユースクリエイターカップ,Unityニュージェネレーションズフェスといったさまざまなコンテストに参加し,高い評価を得て各種アワードにも選ばれている。
BlockWorld Aiは,Unityユースクリエイターカップ2022でシルバーアワードを受賞したBlockWorldというゲームをもとに,「AIとゲームを組み合わせることでどんなゲームができるのだろう」という好奇心と新たなものへの挑戦する気持ちで機械学習の要素を取り入れたそうだ。
BlockWorld Aiの基本的なルールはシンプルだ。1対1でパズルで戦うゲームで,真ん中のお題の数字を見て,両サイドに数字が書かれたブロックが縦横6×5で並ぶパズルを動かして,次々と表示されるお題の数字をどんどん0にしていくというもの。
たとえばお題が5なら,5があれば一発で0にできるし,1を動かして4にし,今度は4を動かして0にすることもできる。0になるとブロックが消えるのだが,このときの数字の並びで連鎖が発生し,それで溜まったSPを使用することで,仲間として連れたフレンズが固有のスキルを発動させる。フレンズにはそれぞれ特徴があり,所持するスキルも攻撃から回復までさまざまだ。
こうやってパネルを0にし,スキルなどを使って相手を攻撃し,相手のHPを0にすると勝利となり次のステージに進む。
連鎖を狙えば効率よくスキルを使えるが,それを狙いすぎて相手に0を取られていると不利になる。連鎖を狙った組み合わせを意識しながらブロックを動かしつつ,0にすることを優先しなければいけない場面では思い切って決断する。
コツコツと0にするだけでもいい結果は出せるが,もっとよい結果を狙うならさらなる思考が必要になるという感じで,小さな子どもから大人まで,それぞれのレイヤーでの楽しみ方がありそうなパズルゲームだ。
さて,BlockWorld AiのAIとはなにかというと,それは仲間として連れていけるフレンズに関わる部分にある。冒頭で説明した独自の学習システムBLRSは,各ステージでプレイヤーのパズルの解き方や結果などを学習する。そうして育ったフレンズは,ボス戦時に学習データを活用してプレイヤーとともに戦ってくれるという。
これが面白いのが,まるで将棋の感想戦のようなところ。純粋に「俺頑張れ!」という気持ちで楽しめるのはもちろんだが,強い相手とのAI対戦で自身のパズルを解くクセや特徴を客観できるのがなんだか不思議な感覚があったのだ。
BlockWorld Aiは個人で開発しているゲームで,さまざまなアセットを活用しつつ,イラストやテキストは自身で制作しているそうだ。
実は本作で気になったのがかわいらしくてユーモラスなフレンズたちと,温かみあるストーリーのテキストでAIの活用はもちろんだが,独特の雰囲気あるイラストとテキストもまた大きな魅力だ。
そしてなによりパズルゲーム自体が面白い! ということは最後にちゃんと伝えたい。2025年1月のリリースを目指して開発中とのことなので,本稿の紹介やSteamページのムービーおよび画像で引かれるものを感じた人は,まずはSteamのウィッシュリスト入りをしておくといいだろう。
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