プレイレポート
ターゲットとなる客は2つの敵対ギルド!? カジュアルでありつつ味があるターン制ストラテジー「ダンジョン・イン」試遊レポート[TGS2024]
ダンジョン・インでは,プレイヤーはお金持ちを夢見る主人公のサラとなり,ダンジョン前の洞窟を利用して宿屋を経営していく。宿屋がある場所はダンジョン唯一の入口でもあるのだが,敵対する海ギルドと山ギルドが互いに通る場所でもある。プレイヤーは海ギルド用の宿と山ギルド用の宿の2つを用意し,両ギルドのいずれにも良い顔をしつつ,互いのギルドが鉢合わせてバトルにならないようにうまく来客を調整しながら,宿屋を営んでいくのだ。
マップはそれぞれ左が海ギルドの冒険者が通る道,右が山ギルドの冒険者が通る道となっており,2つの道を進んだ先の真ん中にプレイヤーが営む宿屋が建てられている。そして,ターンが1ターン経過するたびに,それぞれの冒険者が1マスずつ前に進むという仕様になっている。
プレイヤーはターンごとに施設を建てることができ,「スタンド看板」を建ててギルドの人間を宿屋に引き寄せたり,「屋台」や「ルーレット」を建ててその場所に立ち止まらせたりできる。一方で,「栄養ドリンク」の施設を建てた場合は,冒険者が一気に2マス進むようになる。
本作では1日が4ターンとなっており,1日が終わると宿泊者がチェックアウトし,ダンジョンへと旅立っていく。宿屋に泊められる人数には上限があるのだが,1日が経過すれば宿泊者数が0に戻り,新たな冒険者を泊められるようになる。そうしてうまく来客をローテーションさせつつ,あらかじめ決められた「海ギルドの冒険者を8人以上泊める」「山ギルドの冒険者を8人以上泊める」などの週間目標を1週間以内に達成することを目指していく。
1週間が何事もなく進めばいいのだが,もし仮に海ギルドと山ギルドの来客が鉢合わせてしまうと,両ギルドがバトルに突入してしまう。プレイヤーは「精霊」を用いていずれかにこっそり肩入れすることでその場を収めるのだが,バトルが発生してしまうと,プレイヤーの宿屋が相手側のギルドの人間を泊めているのではないかとそれぞれのギルドから疑われてしまう。プレイヤーは海・山ギルド両方に対して営業していることをバラしたくないため,基本的にはバトルが起こらないようにうまく冒険者の進行を調整していく流れとなる。
ゲームを進めていくと宿屋の拡張も行えるようになり,泊められる人数が増えたり客から求められている「ジム」などの施設を建てたりもできる。そうして,より宿屋の評判を上げ,持続可能な名物お宿を作り上げていくのが最終的な目標だ。
本作を実際にプレイしてみたが,プレイ感は適度にライトでありつつも要所要所で考えることがあり,気軽にストラテジーを楽しめるという点で好印象のゲームだった。ときには酔っ払いが突然トラブルを起こすなど,宿屋が繁栄するにつれて来客がハプニングを起こすこともあるが,そうした味付け要素はゲームが単調になりすぎないように良いアクセントとして働いていた。
やること自体はかなりシンプルでありつつも味がある作品なので,ストラテジー系のゲームを好きな人はもちろん,普段あまりストラテジー系のゲームをやらない人でも楽しめそうだった。ところどころ挟まれる寸劇も微笑ましい内容で,カジュアルに経営ゲームを楽しみたい人にはおすすめのタイトルだ。現在,Steamでデモ版を配信中なので,気になる人は早速プレイしてみよう。
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