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美しい折り紙の世界を旅するアクション「Hirogami」試遊レポ&ミニインタビュー。「エースコンバット」を生んだ加藤氏が自身の原点に立ち返る[TGS2024]
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印刷2024/09/29 20:03

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美しい折り紙の世界を旅するアクション「Hirogami」試遊レポ&ミニインタビュー。「エースコンバット」を生んだ加藤氏が自身の原点に立ち返る[TGS2024]

 東京ゲームショウ2024の架け橋ゲームズブースに,同社の新規パブリッシングタイトル「Hirogami」がプレイアブル出展されている。

 Hirogamiは,ある日,デジタル世界からの浸食をうけた折り紙の世界を舞台に,主人公の「尋(ひろ)」がさまざまな能力を使ってデジタル世界の侵食を阻止していく3Dアクションゲームだ。尋は折り紙でできたキャラクターかつ,自身も折り紙の達人であり,自分の姿を多種多様な折り紙の動物たちの姿に形を変えながら,美しい景色を駆け抜け,謎を解き,敵を倒していく。
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 本稿では,本作の試遊レポートとともに,プロデューサーを務める加藤正規氏へのミニインタビューもお届けする。

 試遊版でプレイできるのは,チュートリアルが終わった後の第1章で,基本的な操作や,尋の能力を存分に使って遊べる。ゲームスタート後にまず感じたのは,やはり折り紙で作られた世界の美しさだ。紙の質感が見事に再現された背景は,淡い色合いでとても優しい雰囲気を感じられる。
 そして,そんな世界にところどころ不釣り合いな紫のキューブが点在している。これが先にも述べたデジタル世界からの「浸食」だ。「浸食」は世界の均衡を乱すだけでなく,住人たちの理性をも奪ってしまうという。

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 ここで活躍する尋の能力の1つが,「扇子による祓い除け」だ。尋の扇子は道を塞ぐ浸食の障害物を破壊したり,浸食を広め,襲いかかる敵「グリッチ」たちにダメージを与えたりと,浸食に対抗する基本的な手段となる,いわゆる通常攻撃に相当するアクションだ。ボタンを続けて押すと連続攻撃が発生し,長押しで強攻撃も可能で,通常攻撃ながらわりと応用が効くのがうれしい。

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 尋の能力には移動で役立つものもある。それが「一枚紙」への変形だ。これは,読んで字のごとく一枚の紙になる能力で,ふわっと滑空してジャンプ距離を伸ばしたり,吹き上がる風を受けて高く飛び上がったりと,攻略に欠かせないスキルとなっている。
 本作は足場を飛び移る場面や,高台に乗るような地形が多そうなので,この能力を使えば気持ちよく移動したり,意外なショートカットを見つけたりと,3Dプラットフォームアクションならではの楽しみ方ができそうだ。

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分かりにくいが,中央右で風に乗っているのが尋だ
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行く手を阻むのは地形だけではない

 また,浸食を扇子で祓った時に「紙材」というアイテムを入手できる。これは,尋の3つ目の能力に必要となるアイテムだ。尋は紙材を消費して,壊れた建物など,折り紙世界を修理できる。今回のデモ版では崩れた橋を修理するだけだったが,集まりやすいアイテムなので,そのほか,さまざまな用途にも使えそうだ。

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 こうしてプレイを進めていくと,浸食によって理性を失ってしまったアルマジロの折り紙「アマジイ」が登場した。尋はアマジイを撃退しようとするも,実は尋の祓い避けは,浸食の影響を受けた折り紙の敵には通用しないのだ。ここではちょっとした謎解き的な要素が発生するが,周りのオブジェクトをよく見てみると,けっこうあっさり攻略法が見つかるだろう。

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 アマジイを撃破すると,彼は理性を取り戻し友好的なキャラクターとなった。ここで登場したのが,尋の4つ目にして最大の能力だ。尋はほかの生き物を真似て自分の姿を折ることで,その能力を使用できるようになるのだ。アルマジロの姿で使用できるのは,丸まって勢いよくぶつかる「回転体当たり」で,敵にダメージを与えられるのはもちろん,紙でできた障害物も破壊できる。これにより,尋の人型では通れなかった場所も通れるようになったわけだ。折り紙への変形はシンプルで,一枚紙の状態で対応するキーを押すとすぐに変化する。戻るときも同様で,非常にスムーズな切り替えが可能である。

尋が変身したアルマジロ。色が尋カラーになっている
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 ステージ後半は,アルマジロの能力を存分に生かし,箱を壊して道を作ったり,箱の上に乗っている足場を落としたりしていくことになる。道中には再び正気を失ったアルマジロが登場することもあったが,尋の扇子とは違い,浸食された折り紙の敵にもダメージを与えられるので心強い。最後はトラップをくぐり抜け浸食に封じられた道を開放し,本デモの第1章はクリアとなった。

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 プレイした印象としては,比較的スタンダードなプラットフォームアクションだが,今回登場したアルマジロ以外に,尋がどんな変形をして,どんな技で障害を乗り越えていくのか続きが気になる内容だった。
 また,やはりコンセプトとしての“折り紙の世界”というのがとても良い雰囲気で,昔話の絵本を眺めているような展開は,大人から子どもまで幅広い世代が楽しめそうだった。

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 今回の試遊のタイミングで,開発プロデューサーを務める,Bandai Namco Studios Singaporeの加藤正規氏に話をうかがうことができたので,その内容を以下に掲載しよう。

4Gamer:
 今回,題材として折り紙を選んだ理由を教えてください。

加藤正規氏(以下,加藤氏):
 もともとバンダイナムコスタジオのシンガポールスタジオと,マレーシアスタジオで,新しいIPを作り出そうという取り組みがあり,そこでスタッフの皆にどんなゲームを作りたいかテーマを募集しました。その中のひとつにあったのがこの折り紙というテーマになります。
 そこから「大元が日本の会社なのに,日本の伝統文化を表に出しているゲームが少ない」「そこを表現できたら面白いかもしれない」と,シンガポールやマレーシアのスタッフが彼らなりに考えて作ったのがこのHirogamiになります。

4Gamer:
 本作には折り紙の生き物やオブジェクトが数多く登場していますが,この世界のものは実際に折って作ることは可能ですか。

加藤氏:
 折ったことはありませんが,デザインの時に実際に折れるかどうかはあまり考えず,この世界を象徴するのに相応しいデザインを目指しています。ただ,最近の折り紙はものすごい複雑なものを研究している人もいるので,もしかしたら再現できるかもしれませんね。折り紙のプロフェッショナルに声をかけて,本当に折れるか試してみてもらうのもいいですね(笑)。

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4Gamer:
 今回の試遊ではアルマジロに変形できましたが,ほかにどんな生物に変形できますか。

加藤氏:
 エイプというマッチョな類人猿のような姿や,カエルの姿にもなれます。

4Gamer:
 なるほど。カエルは実際の折り紙にもありますが,本作でのカエルもああいったデザインになるんでしょうか。

加藤氏:
 いえ,実際の折り紙のカエルとはちょっと違います。もう少し操作できそうな見た目というか,立体的な感じになりますね。と言いますのも,現実の折り紙にあるからといって,そのとおりにしてしまうと“ペタッとした”平面の形になってしまうんです。そうなると立たせて歩かせるのも難しいので,本作の3Dのステージに合うようにデザインしています。

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4Gamer:
 ステージを選択する際のワールドマップでは,横に大きな食器が置いてあり,ここがテーブルの上であることが分かりますが,これは世界観的にどういったものなのでしょうか。

加藤氏:
 実はこの世界は,「クラフトワールド」という飛び出す絵本の世界になっています。クラフトワールドにはさまざまな世界があって,今回開かれているのが折り紙の世界というわけです。ほかのページにはどんな世界があるのかなど,皆さんの中でそのあたりの世界観を広げていってもらえると嬉しいですね。

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4Gamer:
 そういう設定だったんですね。ところで,少し話が逸れてしまうかもしれないのですが,加藤さんって「エースコンバット」の……。

加藤氏:
 はい,そうです(笑)。実は私,入社したばかりの頃は,「マーベルランド」というプラットフォームゲームをアーケード向けに作ってまして,その後もPCエンジン版「ワルキューレの伝説」や,「ワギャン」シリーズにも携わっていました。なので,本当に最初に「ゲームってこういう世界だ」と思って作っていた頃の作品をもう一度,海外のスタジオの若い人たちと一緒に最初から作ってみたいな,と思ったんです。

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4Gamer:
 そうだったんですね。

加藤氏:
 エースコンバットもそうなんですが,空想して創作した世界をリアリティのある見た目にしたり,最新の技術を使ったりして「イメージの世界を膨らませる」のもゲーム表現のひとつだと思っています。Hirogamiを含め,何度でもそういったゲームを作っていきたいですね。

4Gamer:
 なるほど。まずはこのHirogamiで,その世界を楽しませてもらいたいと思います。本日はありがとうございました。

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