「メグとばけもの」のOdencatが無料ブラウザゲーム「猫の願いが叶うなら」を公開したよ。気軽にそしてたっぷりOdencatの世界を堪能できる！

Bitsummit DriftのOdencatブース。インタビューは猫のぬいの写真が目印のリンクからどうぞ

　京都で2024年7月19日から21日まで開催された「Bitsummit Drift」。最終日にばったり会ったOdencatのDaigo氏に「初日はインタビューありがとうございました（関連記事）」とあいさつしたところ，「実はまだ話していない面白いものがあるんですよ」と言われ，自身のスマートフォンでとあるゲームを見せてくれた。


　それが本日（7月28日）公開された「猫の願いが叶うなら」。Odencatが5周年を記念して制作した，モバイルとPCブラウザで遊べる完全無料のHTML5ゲームだ。


　「リンクをお渡しするので，Bitsummitの帰路で遊んでみてください。20〜30分で楽しめますよ」ということで，公開前に開発途中（といってもゲーム部分はほぼ完成していてちょっとした調整を残すくらい）のものをプレイすることに。「ありがとうございます，ではちょっと」といいながら，新幹線の運休の影響で帰りが一日延びて泊りが増えたぶん，20〜30分以上たっぷり時間をかけてゲームの世界を堪能できた。

　そんな本作，プレイしてみて「先入観を与えてはだめだっ。あなたがあなたらしくこのゲームをお迎えして？」とだけ勧めようと思ったけど，でも詳細は避けながら紹介してみたいと思う。

「猫の願いが叶うなら」が遊べるページ

　「猫の願いが叶うなら」は，Odencatのマスコットキャラクターとしてもおなじみおでんキャットを追いかけて，Odencatの作品世界をあちこち巡るアドベンチャーゲームだ。
　おでんキャットのとある気持ちの揺らぎによって，「くまのレストラン」「フィッシング・パラダイス」「メグとばけもの」「スノーマン・ストーリー」といったOdencatの世界の次元が融合。このままでは次元の崩壊が起きてしまう！　という危機となり，ひょんなことから主人公は世界を救うためにおでんキャットを追うことになる。


　世界を行き来するうえで軸となるアパート，主人公に指示を出す師匠ネズミ……あっ，このあたりは新作としてPC/Switch版を制作中の「ねずみバスターズ！」をしっかりとゲームのメインに入れこんでいる感じだっ。


　ゲームの進め方は，行く先々のOdencat世界の住人たちに話を聞き，おでんキャットが隠れているところを探すというシンプルなもの。頼まれごとに応えたり，何かお手伝いをしたりと，そういう感じでOdencat作品のキャラクターたちとの交流も楽しめる。


　おでんキャットに追いついたと思ったらまた去っていき，次の世界に……なんていう風にさまざまなゲームを渡り歩くのだけど，これがOdencat作品のいろいろな場面，いろいろなキャラクター，そのほかステキなサムシングがぎっしり。ゲームをプレイしたことがある人なら，「あっ。あの日あの時あのセリフ」と懐かしい気持ちになれるし，「なんか好きな雰囲気。無料だしプレイしてみよ」と初めて遊んだ人なら，この作品に出てくるゲームのことをもっと知りたくなるはず。


　「ブラウザで遊ぶ軽いゲームでしょ？」と思うかもしれないが，気軽に（しかも無料で）始められるブラウザゲームの良さを生かしつつ，ゲームはしっかりとOdencat作品ならではの優しい雰囲気と，ゲーム開発で大事にしているという「プレイヤーの心に何かを残す体験」を感じられる作りだ。主人公の状況と，おでんキャットの心境がまた，ネ……。
　それもそのはず。Web上で遊べるよう別のツールで作ったゲームではなく，本作に登場するオリジナル作品と同じくEbitengineで開発されたものである。スマートフォンでもPCでも好きな環境で遊べて，タップにキーボード，コントローラといろいろな操作に対応。そして縦向き/横向きどちらでもプレイできるのもお手軽感がある。

このとおり。縦でも横でも楽しめるヨ

　ゲーム内容とはまた別のところで感じたのが，「これってある種の広告的なものとしてよいのでは？」ということ。
　気軽にアクセスできるブラウザゲームで，いろいろな自社タイトルの世界を行き来する短いゲームを公開する。これってOdencatのように，ビジュアルや世界観が近い雰囲気のゲームを出しているインディースタジオやレーベルにとても相性がいいゲームの紹介方法になるのではないだろうかと。

　Bitsummit Driftの会場でDaigo氏ともそんな話になったのだが，やはりそういった意味合いもあるようで，「そうでしょう。ふふふ」「ははは」みたいな会話を交わした。
　なお，実況などの配信・収益化に関しても許可しているということで，「そういった形の拡散力，やっぱあるよね」とも思った。


　ゲームを含め，5周年を記念したいろいろなお楽しみ企画を展開中のOdencat。オンラインストアでは，Daigo氏オススメのおでんキャットぬいぐるみ（詳しくはこちら）をはじめとする新グッズの販売が始まっている。

Daigo氏オススメのおでんキャットのぬい。もちろんほかにもステキなグッズを用意しているとのこと。ストアはこちら

クラウドファンディング（CAMPFIRE）のページはこちら

　同作品の作曲を担当した裏谷玲央氏自らが開催を目指す「メグとばけもの」のゲーム音楽コンサートも，2024年7月19日のクラウドファンディング開始から3時間で目標金額400万円を突破。そしてネクストゴールの1000万も目前！　と，こちらも目を離せない。
　そして開発協力を行う，異彩を放つオカルトADV「Zelle」の開発者であるFuming氏の新作「Dream Channel Zero」と，いろいろと話題たっぷりなOdencatの今後に注目だ。

「猫の願いが叶うなら」が遊べるページ