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インディーが元気なのはデジタルゲームだけじゃない。京都ならではの作品も見られた「BitSummit Drift」ボードゲームエリアをレポート
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印刷2024/07/25 13:33

イベント

インディーが元気なのはデジタルゲームだけじゃない。京都ならではの作品も見られた「BitSummit Drift」ボードゲームエリアをレポート

 2024年7月19日から21日にかけて,京都で開催された「BitSummit Drift」はインディーゲームのイベントだが,今回はちょっと珍しいコーナーが用意されていた。それが,アナログゲーム全般を扱う「ボードゲームエリア」だ。

 言われてみれば,ボードゲームはインディーの活動が非常に活発なジャンルだ。少人数で開発可能で,特別な技術を必要とせず,生産や販売の環境も整備されているため,インディー活動を経てプロになったボードゲームデザイナーの例も多い。

 ほかならぬインディーゲームのイベントであるBitSummitにおいて,そんなボードゲームの専用コーナーが作られるのは,ある意味で必然と言えよう。というわけで,本稿ではそんなボードゲームコーナーの模様をお届けしていく。

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「BitSummit Drift」公式サイト


 ブース自体はそれほど多くなかったが,ボードゲームファンにとっては馴染み深い出版社が多く見られた。オインクゲームズやグランディング,遊陽ゲームズ,Saashi&Saashi,ittenと実に豪華な顔ぶれで,片っ端から買っていけば,大手のものを除く昨今の人気ゲームはだいたい揃いそうだ。

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 各ブースは中央の試遊台を囲むように設置されており,かなり手軽に試遊に参加できる環境が構築されていたのもうれしいところ。出展側に手慣れた印象もあり,ボードゲームエリアは「この区画だけゲームマーケット」といった雰囲気だった。

・グランディング
「街コロ」シリーズでお馴染みのグランディングブースは,デジタルゲームと同時にボードゲームエリアにも出展。ゲームマーケット春の新作妖怪バカスカを中心に,定番タイトルが販売されていた
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・オインクゲームズ
ヒュードロドロップいかだの5人といった,比較的新しいラインナップが販売されていた。同社は別ブースでも出展しており,そちらでは新作「サフォと月の戦士ら」PC / Switch)が遊べた(プレイレポート
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・Saashi&Saashi
Saashi&Saashiの最新作は,乗客たちを目的地に下車させていくカードゲームバス&ストップだ。乗車(カード補充)と下車(カードの点数化)を繰り返し,満員乗車にならないように気を配りながら点数を稼いでいこう
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・itten
シンプルでコレクション性の高いパッケージと,直感的かつ独創的なシステムが特徴のittenのブースには,高速道路立体パズルTOKYO HIGHWAYを中心に,多数の人気作が並んだ。ボードゲーム初心者におすすめしやすい作品が多いためか,試遊卓も盛況だった様子
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・妄想ゲームズ☆
「グラフィティ6」「ダブルナイン」といった人気作を手掛ける妄想ゲームズ☆からは,最新作セブンヴァイスなどが販売されていた。同作についてはフォアシュピール出展時のレポート記事を掲載しているので,気になる人はチェックしてほしい
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・遊陽ゲームズ
Kickstarterで1058万5930円もの支援額を集めたHacKClaDや,新作アイドルアライブを展開する遊陽ゲームズも出展していた。最終日にはいずれも完売していたようで,その人気の高さがうかがえる
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・シエラゲームズ
シエラゲームズのブースでは,いわゆるデッキ構築型ゲームでありながら,読み合いが奥深い1対1の戦いを楽しめるBLOOD RECALLが登場。2024年秋のゲームマーケットでは新作が登場する予定とのことなので,そちらにも期待したい
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・COLONARC
COLONARCブースでは,射的をベースにしたアクションゲームという珍しい作品「しゃてきーや」が目を引いた。輪ゴム銃で標的を撃つゲームなのだが,使える弾丸が3発しかない。ルールのカスタマイズ性も高く,家で遊ぶのも楽しそう
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・ハーベストバレー
ボードゲームメーカーのハーベストバレーからは「Divee!」が出展された。伝統的なダイスゲーム「ヨット」(ハズブロが所有する「ヤッツィー」も同一のルールを持つ)を,よりシンプルに楽しめるようにした作品だ
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 個人的に興味深かったのは,木箱のパッケージが特徴的な「マジカリグラフィ」「マギワンダー」を販売していた,こぐま工房のブースだ。いずれもコンポーネントは手作りとのことで,味わい深い雰囲気を醸し出している。

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 マギワンダーは,磁石を内蔵した杖と,それに反応して動く石を使って遊ぶゲームだ。石を動かす際には,近づける角度や距離で向かう先を調整するのだが,杖と石の磁力が絶妙で,なかなか思うようにいかない。パッケージ内に複数のゲームが収録されたタイトルなので,1本でいろいろな楽しみ方ができる。

 マジカリグラフィは,数本の糸が結び付けられた羽ペンを用いた協力ゲームで,各プレイヤーがそれぞれ糸を持つことになる。全員で協力して指定された文字を完成させれば勝利だ。ただし,プレイヤーの中で1人だけは妨害役がいるので,それを探し出さなければならない。

ゲームの説明をしてくれた,こぐま工房のたきざわまさかず氏。同氏は紙製の立体コンポーネント設計も請け負っており,「ユグドラサス」のダイスタワーや,「HacKClaD」のクラッド駒などを手掛けている
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 さらに,ブース一覧には「京都府ブース」も存在した。これは京都府から支援を受けたクリエイターのためのブースで,松栄堂の「くんくんくん」,講談社クリエイターズラボの「能舞神 〜NOH MY GOD!〜」が出展されていた。

 松栄堂は京都において約300年もの歴史をもつ,老舗のお香専門店だ。くんくんくんは香りをテーマにしたカードゲームで,パッケージには異なる香りのカードと,それらを用いた複数のルールが収録されている。4Gamerでは,ゲームマーケット2023秋に出展された本作のレポート記事を記載しているので,そちらも参考にしてほしい。

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 2023年12月9日と10日に開催されたアナログゲームイベント「ゲームマーケット2023秋」の一角に,なんだかいい香りを放つブースがあった。本稿では,約300年前から12代にわたって続くお香専門店・香老舗 松栄堂による新作カードゲーム「くんくんくん」のプレイレポートと,インタビューをお届けする。

[2023/12/13 12:58]

 続く講談社クリエイターズラボによる能舞神 〜NOH MY GOD!〜(以下,能舞神)は,タイトルの通り伝統芸能の能をモチーフにした作品だ。こちらは初お披露目となる作品で,販売は行っておらず,フィードバックを受けるために出展したものだという。

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 能舞神は,ランダムに表示される4枚の写真のうち1枚を連想させる「表現」を行い,ほかのプレイヤーに対象の写真を言い当ててもらうのが目的の協力ゲームだ。表現の内容は「音」「手触り」「感情」「香り」「動き」とさまざまだが,プレイヤーはこれらを“舞い”で表現しなければならない。

 具体的には,能面を被って,体の動きでこれを表現するのだ。言葉を発することは禁止されているので,すべて動作の機微をもってこれを伝える必要がある。

 言い当てる側のプレイヤーは,自分のコマを使って「これだ!」と思う写真を指定できる。早い段階で言い当てられれば高得点だが,行われる表現は最大3種類で,コマは各2個しか所持していないので,あまり早い段階で賭けに出ると機会を逃してしまうかもしれない。

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 いわゆる大喜利系は「喋り」や「言葉」を中核に据えることが多いが,動きをもって情報を伝えることに注力した作品はやや珍しいように思う。開発が進んだ場合は,京都の写真を活用したり,能面の製造を依頼したりと,京都市との連携を生かした製品を目指すとのことだ。いろいろな意味で唯一無二な作品になりそうなので,今後の動きに期待しておこう。

能に関する表現は,京都大学の能楽サークルとコミュニケーションをとったうえで行っているという
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 ボードゲーム関連のイベントは最近になって増えているが,開催地域は関東圏(とくに東京)に集中しており,関西圏で行われるものは非常に少ない。今回はBitSummitのいちエリアだったが,それでも小〜中規模なボードゲーム出版社が関西圏で作品をアピールする場ができたのは喜ばしいことだ。

 また,これまでデジタルゲームだけを遊んできた人が,初めてボードゲームに触れる機会としても非常に良いものだと感じられた。両者にとって都合の良い場所なので,次回以降もボードゲームコーナーが続くことを願いたい。

「BitSummit Drift」公式サイト

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