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[プレイレポ]パーツを砕く爽快感と身体を失っても戦う哀しさが同居,「CYBORG-PROTOTYPE」は濃密な駆け引きが展開する3DバトルACT
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印刷2024/07/21 17:25

プレイレポート

[プレイレポ]パーツを砕く爽快感と身体を失っても戦う哀しさが同居,「CYBORG-PROTOTYPE」は濃密な駆け引きが展開する3DバトルACT

 インディーゲームイベント「BitSummit Drift」で,「CYBORG-PROTOTYPE」の最新バージョンが出展されていたので,プレイレポートをお届けしよう。

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 本作は,PlayStation 2向けに発売された「GLADIATOR -ROAD TO FREEDOM-」や「餓狼伝 Breakblow Fist or Twist」といった熱いバトルゲームで知られる娯匠の最新作だ。
 対戦格闘ゲームのように見えるが,“ローグライト3Dバトルアクション”を謳うシングルプレイの作品となっている。

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「BitSummit Drift」の娯匠ブース

敵のパーツを砕く爽快感と,身体を失っても戦う哀しさが同居


 本作の主人公は戦闘サイボーグで,最強の機甲兵を生み出すべく,実験施設でひたすら戦い続ける宿命を負っている。敵もまた,同じ境遇のサイボーグであり,どちらかが破壊されるまでの激しいバトルが展開する。

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 「CYBORG-PROTOTYPE」の特徴は,部位破壊とこれに伴う独特の戦術性にあるだろう。
 サイボーグの身体は,「頭」「胴体」「右腕」「左腕」「右脚」「左脚」の6パーツから構成されている。各パーツには耐久度があり,攻撃を受けることで減少。0になると壊れてしまう。

 右腕が破壊されると,もちろん右腕を使った技が出せなくなる。また頭の破壊は,一発でアウトに。どのパーツが破壊されても,戦いに大きな影響を及ぼすので,いかに自分のパーツを壊されずに,相手のパーツを破壊するかが重要になってくるわけだ。

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 攻撃は,「右腕攻撃」「左腕攻撃」「右脚攻撃」「左脚攻撃」のほか,それぞれのパーツに付与されたスキルを使用できる。敵の動きを見極めつつ,破壊したいパーツに適切な技を当てていきたい。また敵の脚にローキックを当てて動きを鈍らせたり,腕を攻めてパンチを封じるといった戦い方も大事だ。

 部位破壊が決まれば派手なエフェクトとともに破片が飛び散って爽快感を味わえる。ちなみに,腕は破壊されるともげてしまい,腕攻撃のボタンを押すと体当たりする行動に変化する。少し痛々しくもある。

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腕を失うと,いかにも苦し紛れという感じの体当たりに

 敵を倒すと,いくつかのパーツが出現する。すべて入手できるわけではなく,必要なものを「COST」(お金のようなもの)と交換する形だ。なお,どの部位のパーツが出るか,パーツにどんなスキルが付与されるかはランダムのようである。

 飛び道具や強力な一撃,連続攻撃や能力アップなど多彩なスキルを持つパーツが現れたときは,できるだけ入手しておきたい。しかし耐久力が減ったパーツは回復しないので,このタイミングでパーツを取り替える必要もある。
 そのため,「右脚を壊されてしまって代わりが欲しいのに,出現したパーツの中には右脚がない」「強いスキルを持つが壊れかけの右腕を使い続けるか? それともスキルを気にせずに新しい右腕に交換するか?」などなど,本作ならではのジレンマが生まれるのが面白い。

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 パーツを壊されないようにするには,攻撃を受けないことが大切だ。そのため防御に関しては,直前で攻撃を防ぐジャストガードやパーツに備わったカウンター系スキル,ギリギリで攻撃を避けるジャストステップといろいろなものが用意されている。
 ただスキルの中には,ガードが効かない,ステップでは避けられないといったものもあるので,油断はできない。うまく立ち回ったとしても,ノーダメージで戦いを終えることは難しいだろう。部位破壊のリスクを負ったうえでのバチバチとした近距離戦は,非常にスリリングで娯匠作品らしい。

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 誤解を恐れずに言えば,「餓狼伝 Breakblow Fist or Twist」ミーツ「煉獄弐 The Stairway to H.E.A.V.E.N」という感じで,バトルものやローグライト,ハックアンドスラッシュが好きな人には深く刺さるはず。
 娯匠の代表取締役である堀内雅史氏によれば,身体のパーツを壊す気持ち良さと,お互いがボロボロになっていく哀しさという両極端な感情が揺さぶられる「破壊の美学」,そして「ローグライトとシングルプレイの格闘ゲームを足したシナジー」,戦いへのこだわりを始めとして「自分たちが好きなモノを全部詰め込んだらどうなるかというチャレンジ」がテーマになっているという。
 得意分野を突き詰めて行く様が,インディーゲームらしい。

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 本作は,2019年の「BitSummit 7 Spirits」に出展されていたが,その時に比べると,全体的な動きの気持ち良さやスキルのバリエーションなど完成度が大きくアップしているという印象を受けた。
 例えば,ゲームオーバーになるとポイントを得られ,これで調度品を手に入れてマイルームをカスタマイズできる……というフィーチャーは,2019年には見られなかったシステムだ。マイルームを整えていけば,サイボーグもパワーアップし,戦闘で蓄積される「ストレス」が軽減されていくという中長期的なゲームサイクルを見据えた要素も予定されているとのことで,完成がとても楽しみである。

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「CYBORG-PROTOTYPE」公式サイト


BitSummit Drift公式サイト

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