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その動き,もう知っている。すべての手を読み切って戦う“戦略的”ローグライクACT「Forestrike」がDevolver Digitalパブリッシング作品に
Forestrikeは,伝説の銛を操って戦う2Dアクションゲーム「Olija」(オリヤ)を手掛けたSkeleton Crew Studioと,クリエイターのThomas Olsson氏によるタイトルだ。
東洋のさまざまな地域の文化を混ぜ合わせたような独特なアートスタイルと,ドットアートで表現される重厚感のあるアニメーションが特徴で,ジャンルは“戦略的ローグライクカンフーアクション”となっている。果たしてどんなゲームなのか,実際に触って確かめてみた。
Devolver Digital 公式サイト
厳しすぎる制約を“先見”で乗り越える
パズル的な思考が求められる戦略カンフー
戦いの舞台となるのは,古代中国のような雰囲気を持つ荒廃した国家だ。プレイヤーは武術家「Yu」となり,悪の総督に利用されている皇帝を助け出すため,国を横断する旅に出ることになる。
Yuは相当な力量を持つ武術家だが,たった1人で国を相手に戦えるほどではない。返り討ちにあわないためには,旅の道中で達人たちから新たな技を学び,戦いの技術を洗練させていく必要がある。総督の居城へと到達する前に,最強のカンフーマスターを目指すのだ。
基本的な仕組みはステージクリア式のアクションゲームで,すべてのステージはスクロールしない1画面で完結している。弱攻撃,強攻撃,回避などのアクションを使い分け,配置されている敵をすべて撃退すればステージクリアだ。
ただし,Yuの初期体力はわずか3。ステージを終えても体力は回復せず,極めつけは回避などのアクションには回数制限がかかっている。体力が0になれば即座にゲームオーバーとなり,最初からやり直しになってしまう。
これだけ聞くと異様に厳しい条件に思えるが,そこには本作ならではの仕掛けがある。Yuは「先見」と呼ばれる能力を持ち,これを使うことで戦闘のシミュレーションを行えるのだ。シミュレーションに回数制限はないので,ステージを無傷で攻略できる動きを把握するまで練習してから本番に臨むのが基本となる。
実際に触れてみると分かるが,本作の戦闘アニメーションにはリアリティがあり,攻撃のスキなどもハッキリと見て分かるように設計されている。そのうえで,回避アクションに回数制限があるため「この行動をされたら絶対に避けられない」といった状況が多く発生する。
無意味な攻撃をしたり,不必要な場所で回避アクションを行わず適切な行動で敵を撃破していく,かなりパズル的な思考が求められるゲームといえるだろう。操作自体もかなりシンプルなので,アクションゲームが苦手な人でも,本作なら格好いいバトルを実現できるかもしれない。
なかなか面白かったのは,敵の種類によって行動が明確に決まっていることだ。デカブツは絶対に近寄ってきて巨大な獲物を振り下ろしてくるし,タックルしてくる敵は何があってもタックルを続ける。それを把握しておけば,本番でイレギュラーが起きても対処できるだろう。
ついボタンを1回多く押してしまったときや,拾うアイテムを間違えてしまったときも,状況を冷静に観察すれば無傷での突破が叶うかもしれない。実際,デモ版を遊ぶ中でもそういった場面があったので,製品版でも頻繁に起こりそうだ。このあたりの柔軟さは,パズルゲーム的ではあれど,最終的には自分で操作をするアクションゲームである本作の面白さだと感じられた。
ちなみに,出展されていたバージョンは英語のみで,Steamストアページの対応言語欄にもチェックが入っていないが,発売までには日本語に対応する予定とのことだ。ストーリーもしっかり作り込まれていそうなので,正式リリース時にはそちらにも期待しておきたい。
最後に,現地で本作の紹介をしてくれたSkeleton Crew StudioのAlistair O'Brien氏と,クリエイターのThomas Olsson氏へのインタビューを掲載する。前作「Olija」とのつながりについても語られているので,同作のファンも要注目だ。
4Gamer:
Devolver Digitalのパブリッシング作品としてForestrikeが発表されましたが,開発はいつ頃から始まっていたのでしょうか。
Thomas Olsson氏(以下,Olsson氏):
前作「Olija」が発売した後なので,だいたい3年前です。以前もDevolver Digitalがパブリッシングをしてくれたので,それに続いて今回も対応してもらえる形になりました。
4Gamer:
この発表を日本のイベント合わせで行ってくれたことに嬉しく思います。日本語にも慣れているようですが,思い入れなどがあるのでしょうか。
Alistair O'Brien氏(以下,Brien氏):
僕らは日本に住んでいるんです。もう,日本に来て7〜10年くらいになるかな。開発をしているSkeleton Crew Studioもちゃんと日本の企業ですよ。
4Gamer:
そうだったんですね。言える範囲で良いのですが,どんな経緯で日本に住むようになったのでしょうか。
Olsson氏:
僕は奥さんが日本人で,結婚したから来たんだけど。Brienは違ったかな?
Brien氏:
旅行的に来てみて「ここは楽しそう」と思ったんです。本当にそれだけの理由なんですけど,実際に来てみても住みやすいし,面白いことが沢山あるし,とても満足しています。
4Gamer:
Forestrikeはローグライクゲームで,パズル要素とアクション要素をうまく取り入れた作品だと感じました。ランの中ではどんな成長が発生するのかと,永続的な強化要素が存在するのかを確認したいです。
Brien氏:
まず,永続強化の要素はありません。必ずゼロからスタートして,道中で能力を拡張していく形式になります。戦闘スタイルが複数あって,ランの中で獲得する能力や,出会う師匠が変化するので,それによってゲームプレイの多様性が出せればと思っています。
4Gamer:
本格的なカンフーアクションが楽しめます。世界観についてもいろいろなエッセンスを感じ取れますが,インスピレーションの元になった作品があれば教えてください。
Brien氏:
香港の名作カンフー映画はもちろんですが,黒澤映画の空気感であるとか,日本の古い時代劇であるとか,そういったものには深く影響を受けています。「この1本に」というより,いろいろな作品の特徴がまぜこぜに出ているようなイメージですね。
Olsson氏:
僕らが作っているゲームの舞台は日本ではなく,中国でもない,独自の世界になっています。ざっくりと“アジアファンタジー”と言うべきでしょうか。格好いいと思える要素を,たくさん取り入れました。
4Gamer:
Olijaからも近いものを感じました。アジアファンタジーと言われると,確かに納得できるかもしれません。
Brien氏:
実はOlijaと世界観を共有していて,一部のキーワードやアートに関係している要素が見いだせるようになっています。舞台となる時代も場所も異なるので,本当に小さな関係性ですが……。あくまで,前作をやり込んだ人であれば気付けるかも,程度のものとして考えてください。
4Gamer:
アクションでありながら基本設計はシンプルで,緻密な計画を立てられるゲームシステムには驚きました。本作のバトルを実現するにあたり,気を使った部分があれば教えてください。
Olsson氏:
再現性を確保することです。例えば,練習通りにやっているのに,敵が練習と違う動きをしては意味がありませんよね。また,ちょっとした動きの差で行動が大きく変わってしまうと,計画を立てるのが難しくなります。
敵のAIを可能な限りシンプルにして,プレイヤーがそれぞれの動きを十分に把握できるラインを維持できるように気を使いました。もっと複雑な動きをさせることは可能なんですが,そうなるとパズルとしての面白さを損なってしまううんです。
4Gamer:
今回の出展で本作に興味を持った人に向けたメッセージをお願いします。
Brien氏:
スクリーンショットやPVではアクションゲームに見えるかもしれませんが,実際にはコアなパズルアクションです。じっくり考えて,それを自分の手で動かすのが好きな人は,きっと楽しめると思います。
Olsson氏:
限界まで「先見」を使って,練りに練った戦略を試してもらえると嬉しいです!
4Gamer:
ありがとうございました。
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