指を止めれば時間も止まる。時を操るシューティングゲーム「TIME LOCKER+」（今日から始めろApple Arcade #5）

　Appleが月額900円（税込），または年額6000円（税込）でiPhone / iPad / Mac / Apple TV向けに提供しているゲームサブスク「Apple Arcade」。広告やゲーム内課金がない200を超えるタイトルが遊び放題というこのサービスの中から，4Gamerがチョイスしたものを紹介していくのが本連載だ。

　第5回では，個人クリエイターのsotaro otsuka氏が開発・配信している独創的なシューティングゲーム「TIME LOCKER+」を紹介する。

「TIME LOCKER+」

リリース日：2023年5月5日
配信元：sotaro otsuka
開発元：sotaro otsuka
対応端末：iPhone / iPad / iPod touch / Apple Vision
ゲームパッド対応：×

オススメポイント
1.時を操る独創的なゲームルール
2.カジュアルに始められて頂点は遠い
3.増えていく武器やキャラクター

「TIME LOCKER+」公式サイト

「TIME LOCKER+」ダウンロードページ

　本作がどんなゲームかは“あなたが止まれば，時間も止まる”というキャッチコピーに集約されている。シューティングゲームでありながら，リアルタイム制から解き放たれた遊びなのだ。

ローポリで描かれたソリッドなゲーム画面はひと目で記憶に残る。っていうかカッコイイ

　大前提として，本作はスクロール画面タイプのシューティングゲームである。自ら画面前方へと進んでいき，時折出現するボスを撃破しながらハイスコアを叩き出すのが目的だ。画面をスワイプすることで自キャラクターはその方向に移動し，自動で弾を発射。敵や敵が放つ弾に当たればミスとなる。実にシンプルで分かりやすい。

　ただし，移動がゲーム全体の進行とリンクしているのが普通じゃない点。スワイプする指をゆっくりと動かせば画面はスローモーションのように動き，止めればすべてがピタリと静止する。敵弾が目の前に迫っても焦らずゆっくり操作すればたやすく回避できるし，弾と弾との間ギリギリをすり抜けていくようなスーパープレイも可能となる（うっかり操作ミスはありえるけど）。


　とはいっても無制限に動かずにいて良いワケはなく，後方から近付いてくる黒い闇に飲まれるとミスとなってしまう。しかも，こいつだけはワシワシとリアルタイムに近付いてくる。ちょっと不条理。


　エンドレスに続くステージ中では，敵や障害物，時には巨大なボスが出現してプレイヤーの行く手を阻む。先に進むほど，その数と種類が増していく敵と障害物ではあるが，その姿と色とで大まかな攻撃パターンが判断できるようになっている。それらを材料として「この先どう動くのが最適か」の判断を逐次していくのが，上達への道筋となる。リアルタイムではないが，シューティングゲームらしい思考ロジックを味わえる部分だ。

直進する車やヘビ，プレイヤーを追跡するオレンジなど，種類と色とで敵の行動パターンは予想できる

　シューティングゲームらしいという意味では，パワーアップ要素も用意されている。プレイ中に青色のオブジェクト（敵か障害物）を破壊すれば武器が，緑色ならコインが出現する。

　武器には前方や横方向などにショットを撃つものや，敵を誘導するミサイル，敵を貫通するレーザーや凍らせるモノなどさまざまな種類が用意されている。2016年にリリースされた「TIME LOCKER」（iOS / Android）から追加されたキャラクターもいるので，そちらを楽しんでいた人でも新たな楽しさを味わえるだろう。

武器コンテナを入手するまで中身は不明。ただし減ることなく追加されていくのでノータイムで取ってOK

ハイスコアに応じて追加のキャラクターやモードが出現。ハードコアモードはめちゃくちゃ手強い

　コインは1度きりのコンティニューに必要なほか，ゲーム開始前に武器やプレイヤーキャラクターを購入することができる。追加キャラクターはいずれも最初から強力なショットを持っていて，プレイを重ねるごとにその種類が増えていく。数十種類が用意されたキャラクターには「強力な武器を持っているがサイズが縦に大きい」といった個性付けがなされているので，自分のプレイスタイルにあったキャラクター＋武器の組み合わせを見つける楽しみもあるだろう。

1プレイにつき1度だけコンティニューができる。コインの消費量は進行度合いに応じて増える

動物やドローンの姿をしたプレイヤーキャラクター。コインを消費して入手できる

　ゲームオーバーになれば武器や追加キャラクターは失われてしまい，最初からやり直し。クリアやエンディングはないため，1ゲームでひたすらにハイスコアを目指すという，ある意味シューティングゲームの根っこ（それもぶっといヤツ）を持つ本作。うっかりミスでゲームオーバーになっても自分の操作がヘタなわけで，その悔しさから「もう一丁！」な気持ちが湧き上がるのも，なんだか楽しい。

ゲームオーバーになったら最初からやり直し。一球入魂ならぬ“1プレイ入魂”なストイックさはアーケードゲームっぽさを感じる

　半面，指一本で気楽に始められるカジュアルさがあり，軽妙なSEもあって梱包材をプチプチつぶすような感覚の楽しさも併せ持っている。まさに深く考える前に“今すぐ始めろ”なタイトルだ。

「TIME LOCKER+」公式サイト

「TIME LOCKER+」ダウンロードページ

Apple Arcade：月額900円（税込） / 年額6000円（税込）
Apple One：月額1200円（税込）
※「iCloudプラス（50GB）」「Apple TV＋」「Apple Music」「Apple Arcade」を利用可能

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