プレイレポート
「Final Knight」「スノーブラザーズ2 スペシャル」が出展されたグラビティゲームアライズブースをレポート[TGS2024]
2023年のデモ版公開から方向性を変えつつ開発を継続する「Final Knight」,懐かしいアーケードゲームのような,固定画面ゲーム最盛期の息吹を今に伝える「スノーブラザーズ2 スペシャル」は共に魅力的な作品だ。
個人開発の軽快なフットワークで変化を続ける「Final Knight」
「Final Knight」は韓国の2oclocksoftが開発するPC用のベルトスクロールアクションRPGで,2024年第4四半期の発売が予定されている。2023年の7月に,デモ版の内容を紹介したことを覚えている人もいるだろう。
グラビティゲームアライズのBitSummit出展タイトルを紹介。世界をカスタマイズするRPGから推理力を試される科学捜査シミュレーションまで,個性豊かなゲームが揃う
グラビティゲームアライズは,京都で2023年7月14日〜7月16日に開催されるインディーゲームイベント「BitSummit Let’s Go!!」にブースを出展予定だ。本稿では,イベントの開催に先駆けて実施されたメディア向けの試遊会で気になったタイトルを4本紹介しよう。
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- PC:KAMiBAKO - Mythology of Cube -
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- グラビティゲームアライズ
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- PS5:KAMiBAKO - Mythology of Cube -
- PS4:KAMiBAKO - Mythology of Cube -
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- PC:東京サイコデミック
- PS5:東京サイコデミック
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- PS4:東京サイコデミック
- PS4
- Nintendo Switch:東京サイコデミック
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- Nintendo Switch
- Xbox Series X|S:Alterium Shift
- Xbox Series X|S
- :Alterium Shift
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- ライター:箭本進一
- BitSummit
基本的にSteamでデモ版が出たあと,ゲームの内容が大きく変化することはあまりない。しかし本作は何度もデモ版のアップデートが行われ,システムやストーリーが変化し続けているのが特徴である。
筆者もアップデートのたびにデモ版をプレイし直し,その変化に驚いていた口だ。当初は主人公が現実からゲームの世界にアクセスし,モンスターを相手に大暴れする明るいタッチのストーリーだったが,現在では強大な力を持つドラゴンを倒すために傭兵団が旅を続けるシリアスなタッチになっている。
1人のプレイヤーが4人パーティを操作するという基本はそのままに,システムも大きく変化した。
2023年版はメイン枠の2人を切り替えながら操作し,「ストライカー」枠の2人を適宜召喚して援護攻撃をしてもらう……という内容だ。メイン枠で操作していないキャラクターは自動で戦い,これに近づくと「共鳴ゲージ」がアップし,100%に達すると爆発が起こって周囲の敵を吹き飛ばすという,CPUとの共闘重視の内容だった。
一方,2024年版にはストライカーのシステムはなく,メイン枠1人のキャラクターに残るサブ枠3人が付き従って戦う(3人のうち1人は切り替えて直接操作できるが,残り2人はオートのみ)。3人のときの立ち位置は自分で指定できる。ウィザードやレンジャーといった,攻撃力は高いがHPが低いダメージディーラーを後ろに下げ,ファイターやバーバリアンなど前衛系のキャラクターを前に出して戦うといった陣形が重要になる。仲間が敵をスタンさせている間に自分は背後から回り込んで強烈な一撃を食らわせるなど,連係プレイも可能なのが面白いところだ。
敵も陣形を揺さぶるような攻撃をしてくる。前方で夢中になって戦っていたら,いつのまにか後方から忍び寄ってきた新手に,ダメージディーラーたちがボコボコにされて大慌て……なんてことも起こる。
戦場の全体を見渡しつつ,状況に応じて仲間の配置を指示する指揮官としての側面も強くなったのが2024年版というわけで,ちょっとしたストラテジーゲームっぽい雰囲気も漂う。
ステージの合間に冒険者たちは野営を行うが,その際に再編成も可能だ。野営地では3人の新たな冒険者が名乗りを上げてくるので,その中から1人を選んでパーティの誰かと入れ替えられる。キャラクターはクラスごとに異なるスキルとパーティ全体に影響を及ぼすボーナスを持つのに加え,同じクラスでも「ほら吹き」「傭兵」「考古学者」といった「背景」によって能力補正が変わってくるため,入れ替える際はよく考えなければならない。試しにダメージディーラーばかりのパーティを作ってみたところ,突撃してくるモンスターを倒しきれずに前線が崩壊してえらい目に遭った。
特定条件下で敵の攻撃を特定回数だけ吸収する「盾」を生成するファイターと,盾の数に応じてパーティ全体の攻撃力をブーストするパラディンを組み合わせるなど,クラスの特性を組み合わせてシナジーを生み出すのも重要だ。
このほか,ステージ中ではキャラクターにボーナスを与える「紋章」をランダム提示された3種から選んだり,モンスターや宝箱から出た装備にランダムオプションが付与されたりと,さまざまな要素が詰め込まれている。
アクションRPGや,本作がリスペクトするベルトスクロールアクション「ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ」が好きな人なら刺さるはず。2024年版はSteamにて「Final Knight: Prologue」として配信されているので,気になる人はプレイしてみてほしい。
会場では2oclocksoftのカン・ナムギュ氏に話を聞けた。氏は1人で開発を進めており,こうしたフットワークの軽さがシステムの素早い変更につながっているという。
世界観の変更については,インディーゲームは明るい世界観よりもダークなものが喜ばれるためで,システムを大きく変えたのは,2023年版を公開したときに「操作が難しい」というフィードバックがあったことから,1人の操作に集中できる現在の形になったとのこと。
気になる進捗については,現在配信中の「Final Knight: Prologue」には全体の40%ほどの内容が収録されており,全体では70%程度まで開発が進行している。製品版となる日も遠くはなさそうだ(残念ながら,協力プレイはオフライン2人プレイのみで,オンライン要素は実装されないとのこと)。
固定画面ゲーム最盛期の息吹を今に伝える「スノーブラザーズ2 スペシャル」
会場では「スノーブラザーズ2 スペシャル」もプレイできた。東亜プランが手がけた「スノーブラザーズ」シリーズ2作目の「おてんきパラダイス」(1994年)をリメイクしたもので,対応機種はPC(Steam)とSwitch。Steamページでは「近日登場」となっている。
前作から続投する雪だるまの「ニック」に加え,雷を放つ「ボビー」,水玉を投げる「ロイ」,風を吐き出す「リチャード」など個性的なキャラクターたちが登場。敵にショットを当てて雪玉や水玉,雷玉,風玉(以下,玉)に閉じ込めた後,蹴飛してやっつけよう。
蹴飛ばした玉は地形に沿って転がり,軌道上の敵を巻き込んで倒していく。多くの敵を巻き込むほど,倒した際に高得点のボーナスアイテムが出現するので,ハイスコアを狙うために,敵が動き出さないうちに素早く高所を取り,玉を作って蹴り下ろす……といった立ち回りが効果的だ。
しかし,移動するときに慌てていると敵に触れてしまいミスになるし,玉にした敵も時間が経つと回復してしまう。しっかりとパターンを構築したうえで,敵の横をすり抜けて高所を取る大胆さと,その際にミスをしない繊細さが同時に求められるというわけだ。
もともとが完成度の高いゲームだけに,リメイクである「〜スペシャル」も面白い。固定画面型のゲームは今やめっきり少なくなってしまっているため,最盛期の息吹を今に伝える本作の意義は大きいと言えるだろう。
日本で流通したEastern Versionと,北米などで販売されたWestern Versionではキャラクター選択時のポートレートが大きく違うことで知られている。前者がファンシーなイラストなのに対し,後者はなぜかフォトリアルだが,本作ではボタン1つで切り替えられるため,気分を変えたいときには持ってこいだ。
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