企画記事
「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」七英雄の再帰還を迎える前に振り返るシリーズの変遷(ゲームボーイ〜スーパーファミコン時代編)
サガは,1989年の1作目「魔界塔士 Sa・Ga」の登場から今年(2024年)で35年周年を迎える,長きにわたって愛されてきたRPGシリーズだ。メインであるコンシューマのゲームシリーズのほか,現在ではさまざまなプラットフォームに向けて移植作やリマスター,派生作品を展開している。
本企画は,そんなシリーズ35周年という記念すべき年にリリースされ,ある意味でサガの集大成的な作品となるであろう「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」を迎える前に,サガシリーズのこれまでの歩みを振り返ろうという趣旨のものである。
「……リメイクなのに集大成的作品?」と思うかもしれないが,そう言うことには理由がある。
たとえば「リベンジオブザセブン」のバトルを見てほしい。その仕組みには,近作「サガ スカーレットグレイス」「サガ エメラルドビヨンド」を経て奥深いものに発展したタイムラインバトルが採用されているが,それは無から生まれたものではなく,これまでのシリーズ作品の仕組みがあって生まれたものである。
そういったメカニズムはもちろん,精神性のような部分でもシリーズ初期からの伝統と新たな流れとが合流した作品であることを感じられるゲームだからこそ,いまあらためてサガシリーズのこれまでを見つめてみようと思うわけだ。
なかなかのボリュームとなるのでそれを前後編で,前編となる今回は,ゲームボーイのサガシリーズとスーパーファミコンのロマンシング サガシリーズについて迫ろうと思う。シリーズファンはもちろん,なぜこのシリーズが永く愛され続けているのか興味を持った人も,ぜひお付き合いいただければ幸いだ。
「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」七英雄の再帰還を迎える前に振り返るシリーズの変遷・後編(PlayStationの時代〜現在編)
「ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン」を迎えるためのサガシリーズ振り返り企画(後編)をお届けしよう。「サガ フロンティア」でPlayStationという新天地での開拓を始めたサガは,どのように歩みを進め,尖ったサガの現時点での究極形「エメラルド ビヨンド」&シリーズの入門編にもなりそうなロマサガ2リメイクが誕生する35周年の今(2024年)を迎えるのだろうか?
- キーワード:
- PS5:ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン
- Nintendo Switch:ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン
- RPG
- CERO C:15歳以上対象
- スクウェア・エニックス
- スクウェア・エニックス
- ファンタジー
- プレイ人数:1人
- 企画記事
- ライター:高橋祐介
- PS4:ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン
- PC:ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン
- PS4:サガ フロンティア リマスター
- Nintendo Switch:サガ フロンティア リマスター
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- PC:サガ フロンティア リマスター
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- CERO B:12歳以上対象
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- iPad
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- PS4:サガ スカーレット グレイス 緋色の野望
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- PC:サガ スカーレット グレイス 緋色の野望
- PS5:サガ エメラルド ビヨンド
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- PC
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目次
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[1-1]ゲームボーイの時代:すべては混沌の中から現れた
魔界塔士 Sa・Ga
Sa・Ga2 秘宝伝説
時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]
[1-2]スーパーファミコンの時代:独特なシステムから生まれる唯一無二のドラマ
ロマンシング サ・ガ
ロマンシング サ・ガ2
ロマンシング サ・ガ3
なぜシリーズファンがこうもロマサガ2のフルリメイクに驚かされたのか
[1-1]ゲームボーイの時代
すべては混沌の中から現れた
魔界塔士 Sa・Ga(1989年12月15日発売)
シリーズ1作目であるゲームボーイ用ソフト「魔界塔士Sa・Ga」が登場したのは1989年12月。当時はゲームボーイの発売から約半年,ファミリーコンピュータ(ファミコン)の発売から6年半が経過したあたりで,すでに日本でもRPGというジャンルが広く浸透していた。
同年3月にメガドライブ用ソフト「ファンタシースターII 還らざる時の終わりに」,6月にはPCエンジンCD-ROM2用ソフト「天外魔境 ZIRIA」,7月に「MOTHER」,翌1990年の2月に「ドラゴンクエストIV」,4月に「デジタル・デビル物語 女神転生II」「ファイナルファンタジーIII」と,今も語り継がれる名作がそろっていた時期でもある。
「MOTHER」(ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Onlineより) |
「ファイナルファンタジーIII」(公式サイト(リンク)より引用) |
それらのグラフィックスと,モノクロ4階調の「魔界塔士」のグラフィックスを比べるといささか地味に感じられるかもしれないが,当時の体感としてはそんなこともなく,甲乙つけがたい存在感があった。やはり登場したばかりの携帯ゲームハードで「どこでも遊べるRPG」というインパクトは絶大だったように思う。またシステムも斬新そのもので,ゲーム誌の記事を読んでいる段階から期待が膨らんでいったのを覚えている。
まずは成長システムについて。河津秋敏氏がゲームデザインを担当した「ファイナルファンタジーII」(前年の1988年12月発売)同様,「魔界塔士」も経験値によってレベルアップする方式ではなかった。人間はアイテムの使用(筆者の周囲では「筋肉増強剤? ドーピング?」などと盛り上がっていた),エスパーは確率による突然変異,モンスターは敵の肉を食べることで別の種類に変化するという具合に,キャラクターの種族によってその方法も異なっていた。
とくにエスパーは急に戦力アップすることもあれば,便利に使っていた技(超能力)が別のものに上書きされて困ることもあり,モンスターよりクセが強い側面もあった。本体を持ち運んで遊ぶことを意識した「どこでもデータセーブできる」仕様は,本来の用途よりもエスパーの戦力保持に役立ってくれた記憶がある。
世界設定は西洋ファンタジー,東洋風水思想,SFをミックスしたもので,今風な造語を作ってしまえば"魔塔パンク"といったところ。これに伴い,バトルでは剣や魔法などのファンタジー的なものだけでなく「しゅりゅうだん」「バルカンほう」といった現代兵器も使うことができた。
その位置づけも絶妙で,安価に入手でき,キャラクターの能力にあまり左右されず,敵集団に対してそこそこのダメージを与えるというもの(種類にもよる)。まさに現実世界で兵器に求められる条件を満たしており,そこにリアルさを感じたものだ。キャラクターが十分に成長したあとは威力が能力値で伸びる武器や魔法のほうが強くなるが,兵器を適切に使用するとスピーディにゲームを進めていくことができる。
また,そんな世界で展開する物語は,どこか乾いた,ハードボイルドなテイストでまとめられており,子どもながらに「洋画っぽさ」「無頼なカッコよさ」を感じたものだ。
ちなみにゲームボーイのサウンド機能はファミコンより強化されており,それらを生かした植松伸夫氏の楽曲がバトルやドラマをさらに盛り上げてくれたことも大きい。初めて塔に足を踏み入れたときに聴いた「禁断の塔」は冒険の真の始まりを感じさせたし,「魔界塔士」は宿敵との決闘へと臨む熱い気持ちが沸きあがった。
ゲームボーイの本体内蔵のスピーカーはモノラルだが,イヤホンやヘッドホンを接続するとステレオでサウンドを楽しめることをご存知だろうか。本作の楽曲はそこをかなり意識した作りで,それらは左右に分かれて鳴る楽器パートごとの音に頭を揺さぶられるような迫力だ。とくに「禁断の塔」はそれが激しく,植松氏の遊び心,イタズラ心のようなものを感じたのを覚えている。
Sa・Ga2 秘宝伝説(1990年12月14日発売)
続く「Sa・Ga2 秘宝伝説」は,1作目からおよそ1年しか空いていないとは思えないような,前作の魅力を引き継ぎつつもそれをさらにパワーアップさせたようなゲームだった。
前作に続いてエクスカリバー(剣),フレア(魔法),じごくぐるま(格闘技),レオパルト2(当時の西ドイツのMBT,つまり戦車)がそれぞれ威力を発揮するような混沌としたバトル,よりスケールアップした映画的(日本の時代劇のような小世界まである)な物語など,よりゴージャスに仕上げられている。
そして新種族であるメカは,前作から便利だった現代兵器の存在感をより際立たせるものでもあった。
銃や重火器はメカに装備させると,使用回数が半分になるもののその威力はアップし,また宿で使用回数を回復できるようになる。回数が残りわずかになった武器も,メカと宿を使えばリサイクルできなくもないというのは,節約好きな人には嬉しかったポイントかもしれない(メカから外すと使用回数がさらに半分,つまり通常の4分の1になることに注意!)。
BGMは植松氏に加えて伊藤賢治氏が初参加。本作以降多くのサガシリーズ作品の作曲を担当し,今や「サガに伊藤氏の楽曲は欠かせない」どころか「アツいバトル曲ならイトケン」的な評価も定まっているのでここでは大胆に省略してしまうが,「必殺の一撃」「死闘の果てに」など,氏のゲームミュージックの原点と言える名曲が揃っている。
なおこの2作品のテイストは1997年の「サガフロンティア」,2024年の「サガ エメラルドビヨンド」にも受け継がれており,筆者のようなオールドファンは(勝手に)サガの本流と思っているフシもある。
「サガ エメラルドビヨンド」の少し前に「Sa・Ga COLLECTION」や「サガ フロンティア」のリマスターがリリースされていたのも,実は偶然ではなかったのかも? ……というのはあくまで勝手な想像ではあるが,なにがどう受け継がれていたかは後編で触れたいと思う。
時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編](1991年12月13日発売)
そして3作目となる「時空の覇者 Sa・Ga3 [完結編]」は,2作目から1年後の1991年末に登場した。
時期的にはスーパーファミコンの発売から1年ほどが経過したころで,同年の7月に「ファイナルファンタジーIV」,11月に「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」(ゼルダシリーズ公式ではアクションアドベンチャーという位置付けだが,サガおよびRPGに近しいものとして……),12月にはPCゲームの移植である半リアルタイム制RPG「ダンジョンマスター」などが登場している。
またファミコンでも知る人ぞ知るSFRPG「ラグランジュポイント」が4月に,テーブルトークRPGのD&Dを再現したPCゲームの移植「AD&D プール・オブ・レイディアンス」が6月に発売されるなど,和洋の遊び応えある作品がそろっていた時期だ。
「ファイナルファンタジーIV」(公式サイト(リンク)より引用) |
「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」(スーパーファミコン Nintendo Switch Onlineより) |
ファンタジーとSFがごった煮の世界。神々の争いをめぐる壮大な物語。人間,エスパー,メカ,サイボーグ,獣人,モンスターといった種族によって変わる戦い方。装備やアイテムの名称……などなど,どこを切っても前2作に近いフレーバーがあるのだが,やはり「システム的な手触りがガラリと変わっていた」ことが今も一番印象に残っている。
ゲームのプレイ感を決めるのは設定やフレーバーではなく,それをシステムでどのように実装するかで決まる──。本作はそれを筆者に教えてくれた作品のひとつかもしれない。
ただ,「前2作と異なる」だけで本作には本作なりの魅力があり,時空移動能力を持つ戦闘機ステスロスで敵集団を砲撃したのち,白兵戦に移行するなど,バトルには独特の盛り上がりがあった。また笹井隆司氏による「異次元のテーマ」「ステスロス」などの曲などは短いループながらメロディアスかつ力強いノリで,今だに脳裏によぎることがある。
キャラクターの種族が人間→サイボーグ→メカ,または人間→獣人→モンスターと段階を踏んで変化していくシステムも個人的にはゾクゾクするものがあった。どこかサイバーパンク的な「自己を構成する部品を置き換えていったとき,どこまで己を保てるのか」的なニュアンスがあるというか……。そのためか,周囲では人間固定でプレイする人が多かったのだが。
そして,実はクトゥルフ神話からの強い影響を感じられる作品でもある。たとえばティール神の姿は,ナイアルラトホテップの化身のひとつ「月に吼えるもの」を連想させるし,ほかにも賢者バルザイや,ディープワン的な扱いのサハギンなど,詳しい人が遊べばいろいろと気がつくはずだ。
さらに細かい話をすると,男性の主要人物の名前がディオール,メルローズ,ボラ―ジュ(arrston volaju)といった服飾のブランド名を連想させるものだった。それに気づいたとき,「やはりモノトーン調でキメてるのかな」などと想像していたものである。ゲームボーイのモノクロ画面だけに。
とはいえ,どれもヒット作なので世に出回った数が潤沢であり,ゲームボーイのオリジナル版や前述したリメイク版を入手することも難しくはない。オリジナルの雰囲気を味わいたい人は,本体やソフトを中古販売やオークションなどで揃えてみてもいいだろう。バックライト無しのモノクロ液晶の視認性は初めてゲームボーイに触れる世代は衝撃を受けるかもしれないが,それを込みで当時のプレイヤーの感覚を追体験しながら作品世界に浸ってほしい。
「Sa・Ga COLLECTION」公式サイト
[1-2]スーパーファミコンの時代
独特なシステムから生まれる唯一無二のドラマ
ロマンシング サ・ガ(1992年1月28日発売)
ファンタジーとSFが同居するワールドから一転,本作の舞台は純ファンタジー世界に。また主人公は8人の中から選択可能となった。筆者などはそれを知った時点で「8周も遊べるのか!」と期待が膨らんだわけだが,ゲーム中の選択によって細部の展開が変わり,序盤の行動が後半に重大な結果を及ぼすこともままあったため,実際に周回した回数は8周どころでは済まなかった。ちなみに,もともとは周回プレイより「8人いれば誰かに感情移入しつつ遊んでもらえるだろう」という発想で生まれたものだったらしい。
ゲームの進め方もかなり自由であり,街で情報を得たり,客船を利用したりすることで最初からさまざまな場所を冒険できる。冒険の出発地点も主人公ごとにバラバラで,それぞれオープニングイベントも用意されているが,キャラクターによってはそれをスキップすることもできる。
サガといえばフリーシナリオというイメージになったのは本作からだが,その仕組みの面白さだけで言えば,本作に比肩するゲームは存在しなかったように思う。まさにオンリーワンなゲームだった。
とはいえ,つねに激戦が続くバランスというわけでもない。敵が手に負えないほど強くなる前に,強力な武器や技を見つけて戦力バランスをひっくり返すという,いささか大味だがスリルと開放感のある遊びがそこにあった。つまり順を追ってステップアップするよりも,どこかのダンジョンで強力な武器を見つけたり,手にいれた宝を換金して高額なものを買ったりするのがコツだったわけである。
また武器を使いこむうちに,いくつもの技を習得できるのも新鮮だったが,習得してみたら期待外れというケースもそれなりにあった。その一筋縄にいかないところがサガらしいというか,“河津イズム”を感じたポイントでもある。
このように本作は「至れり尽くせりのおもてなし」ではなく,何を見るか,何をするか,何を食べるかを現地で気ままに決める旅のような(そしてハズレも含めて楽しむ)プレイ感が特徴となっており,現代では当たり前となっているオープンワールドゲームの先駆けといえるものがあった。
こうなるともはや自分で遊ぶだけでなく,兄弟や友達が遊ぶのを観ているのもとても楽しかった。
「その選択をするとなると自分はどっちを選ぶだろう?」「気がついたら見たことのない場所にきた……」などと,互いのプレイを見ながら新たな発見やコミュニケーションをしつつ遊んでいたのは筆者の周りだけではないと思う。動画による実況プレイのような楽しみ方すら先取りしていた……というのは流石に言い過ぎかもしれないが。
とはいえ,プレイヤーに自由な選択を託されたゲーム進行は,熱狂的なファンを生む一方でとっつきにくさや難しさを感じる人も少なくなかったようだ。筆者の4つ年下の従弟が途中で挫折していたことをよく覚えている。またカートリッジの初期ロットはバグが多く,それで諦めた人もいたかもしれない。ともあれ(バグについては別として),サガシリーズの「けして万人向けではない」傾向はこのあたりから際立ってきたようである。
その後,1992年の後半にはスーパーファミコン時代の本格的な到来を告げるようなゲームがそろい踏みする。9月の「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を皮切りに,10月に「真・女神転生」,12月には「ファイナルファンタジーV」が登場。そして翌1993年は2代巨頭のドラクエとFFのナンバリング作品はお休みの年だったが,3月に「メタルマックス2」,4月「ブレスオブファイア」,8月「聖剣伝説2」,11月「ガイア幻想記」と,それぞれ個性的な世界を描き,今も根強いファンを持つ作品が誕生した時期だった。
12月には,前世代のハードであるファミコンのゲームのリメイクである「ドラゴンクエストI・II」が発売されているのもちょっと面白いポイントだ。「以前遊んで楽しかった作品をもう一度遊びたい」という人の心は,いつの世も変わらないようである。
「真・女神転生」(スーパーファミコン Nintendo Switch Onlineより) |
「ファイナルファンタジーV」(公式サイト(リンク)より引用) |
「ブレス オブ ファイア」(スーパーファミコン Nintendo Switch Onlineより) |
「聖剣伝説2」(公式サイト(リンク)より引用) |
ロマンシング サ・ガ2(1993年12月10日発売)
そんな1993年12月10日。「リベンジオブセブン」のリメイク元である「ロマンシング サ・ガ2」が発売された。
ゲームのテーマは世界の北西部に位置し,のちに世界中に勢力を広げた「帝国」と,かつて世界を救ったという「七英雄」との間に繰り広げられた,千年にもわたる壮大な戦いの歴史。といってもプレイヤー側が受け持つのは英雄側ではなく,帝国側というのがなかなか珍しいパターンだった。スタート時の主人公は固定だが,魂の継承によって主人公(歴代皇帝)がどんどん代替わりしていく。
それらキャラクターたちの背景は,出身地域が帝国に併合される際,つまりプレイヤーが攻略していくときに描かれる仕組みで,皇帝として立つときにはその想いなども自然と湧いてくる。たとえば北ロンギット海の勢力「武装商戦団」の出身の皇帝なら,海上輸送のさらなる発展を目指すであろうとか,密林の部族「アマゾネス」出身であればまず故郷の安全保障を重視しそう,といった具合だ。
前作から続くフリーシナリオも形を変えて引き継がれている。内乱の機運が高まる国・カンバーランドの継承問題にどう介入するか,コムルーン諸島の火山にどう対処するかなど,「皇帝」の選択だけにその結果も重く,一地域,一国の運命さえ左右するものとなっている。それこそ大河ドラマという言葉には収まらない,世界史レベルのスケールおよびタイムスパンのドラマを感じたものだ。
そして忘れてはいけないのがバトルの劇的な進化。ついにこの作品で「ひらめき」が誕生したのだ。
「魔界塔士」から前作までのバトルは,戦う前の準備で結果がほぼ決まるものだったが(とはいえ,相手の戦力から逆算して勝つ準備を整えるのは今も続くコマンド型RPGのベーシックな楽しみ方ではある),今作からは強敵とのバトルでは強力な技を習得しやすいという,逆転を狙える仕組みが加わり,ギャンブル性が大幅に増した。少し無理目な戦力で戦っても技さえひらめけば逆転可能という,いわゆる「ロマンシングな展開」が生まれるようになったわけだ。
このようにゲーム全体の枠組み,フリーシナリオ,バトルと,ほぼすべての点でユニークなゲームに仕上がっていた「ロマサガ2」。唯一無二の作品として完成していると見られていた作品だけに,リメイク版の「リベンジザセブン」がどのような遊び応えになるのかは多くの人が気になるところだろう。
ロマンシング サ・ガ3(1995年11月11日発売)
そして前編の最後を飾る作品は「ロマンシング サ・ガ3」だ。こちらは1995年の11月に登場した作品で,当時はすでにスーパーファミコンの発売から5年が経過している。前年の4月には「ファイナルファンタジーVI」,同年3月に「クロノ・トリガー」,12月に「ドラゴンクエストVI」,そして翌1996年3月には「スーパーマリオRPG」などが登場している。
「クロノ・トリガー」(公式サイト(リンク)より引用) |
「キングスフィールドII」 |
話を「ロマンシング サ・ガ3」に戻そう。本作は再び8人の主人公が活躍するフリーシナリオのRPGとなり,世界各地を自由に旅する体験と,驚きのシチュエーションがプレイヤーを待ち受けていた。暴走する車とのレースバトル,主人公と巨大なドラゴンが共闘する展開など,ほかの作品ではなかなかない体験ができたのを覚えている。
パーティメンバーもかなり自由に選べて,どんなメンバーで旅を進めていくか計画を立てられるのも楽しいポイントだった。それぞれにひらめきやすい技の適正が違ったり,「控えメンバーにすることでパーティ全体を強化する」仕様を持つ者などもいるため,なかなかに奥深いものがあった。主人公がパーティ戦闘に参加せず指揮をとる「コマンダーモード」や,このモードだけで発動可能な「陣形技」など,繰り返し遊ぶ際に試してみたくなる要素も多い。
また集団戦闘を扱う「マスコンバット」,会社を経営し,企業買収を繰り返し成長させていく「トレード」といった,物語内でのキャラクターの立ち位置を感じられるシステムが複数用意されており,こちらも近年の人気RPGをずいぶん前から先年りしているような面白さがあった。
全体としては舞台やストーリーこそ異なるものの,粗削りだった「ロマンシング サ・ガ」を絢爛豪華にリメイクしたような印象のゲームとなっていた。ゲームボーイ時代の「魔界塔士」と「秘宝伝説」の関係に近いとも言えるだろう。
それまでのシリーズでは控えめだったグラフィックスの魅力も,スーパーファミコン用ソフトとしての極致に達しており,ますます冴えわたる伊藤賢治氏の楽曲も相まって,本作をシリーズ中の最高傑作と評する声も多い。なおスマートフォン用ゲーム「ロマンシング サガ リ・ユニバース」は本作の300年後の世界が舞台なのだが,「ロマサガ3」の絢爛豪華なイメージは,サガシリーズ全体のクロスオーバー作品である「リ・ユニバース」の舞台としてピッタリに思える。
なおこの3作を今遊ぶのであれば,「ロマンシング サ・ガ」はリメイク作品のリマスター版(!)である「ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター」を,「ロマサガ2」と「ロマサガ3」はリマスター版をPC,コンシューマ,スマートフォンなどさまざまなプラットフォームでプレイできる。
ちなみに「ミンストレルソング」は,「ロマンシングサ・ガ」の舞台とストーリーをベースに「サガ フロンティア」シリーズで生まれた連携バトルを組み合わせてリメイクした作品である。
過去作の世界とその後のシリーズで生まれた仕組みを組み合わせている点では,「リベンジオブセブン」も似たケースと言えるかもしれない。
なぜシリーズファンがこうもロマサガ2のフルリメイクに驚かされたのか
「ミンストレルソング」はゲーム自体は現在も多くのファンを持つ作品なのだが,その登場時,主にキャラクターモデルについてファンの間でも意見が割れていた。確かに新たな魅力が生まれてはいるのだが,小林智美氏が描いた原作「ロマンシング サ・ガ」のイラストのイメージから離れてしまっていたことも確か。このあたりはこちらのインタビュー(リンク)でも語られているとおり,開発陣も苦悩した点はあったようだ。
[インタビュー]「ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター」には,オリジナル版の開発者と当時のプレイヤー,両者の思いが込められていた
「ロマンシング サガ -ミンストレルソング- リマスター」は,オリジナル版開発者と当時のプレイヤー,その両方の思いが込められた作品だった――ミンサガはなぜいま,何を込めてリマスタリングされたのか。オリジナル版とリマスター版の双方のキーマンである,河津秋敏氏,小泉今日治氏,三浦宏之氏,上野真史氏に話を聞いた。
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- インタビュー
- 編集部:Junpoco
- ライター:大陸新秩序
- カメラマン:増田雄介
なお,その影響もあってか,続くリメイク作品「サガ2 秘宝伝説 GODDES OF DESTINY」「サガ3 時空の覇者 Shadow or Light」のキャラクタ―たちは新たなイメージを膨らませながらも,リメイク元の少年マンガ的なニュアンスを引き継いでいた。
さて「リベンジオブセブン」というと,「聖剣伝説3」のリメイクで好評だったあんべよしろう氏を起用しており,そのスッキリした現代的テイストのキャラクターデザインとモデルは原作を遊んだ人以外にも届きそうだ。
まったく新しい世代のゲームファンをも巻き込んでの大ヒット……まで狙っているかはともかく,「サガ2 秘宝伝説 GODDES OF DESTINY」「サガ3 時空の覇者 Shadow or Light」でも意識していたであろう,新たなユーザー層の参入を意識しているであろうことは感じられる。
「リベンジオブセブン」はゲーム自体も相応にクセが少ないというか,予備知識ゼロで始めても爽快に楽しめるラインを狙っているようで,タイムラインバトルだからといって「一手ごとの選択が重い緻密なゲームバランス」というわけではないようである。ゲームの難度も3種類から選択可能だという。
ただ一方で,古くからのサガファンにもなんらかの形で応えてくれることにも期待したいところ。なにせ最新作「エメラルドビヨンド」では,バトルのバランス調整にディープラーニングベースのAIを活用していたという事例もある。しっかり戦えるプレイヤーにはより歯ごたえのある敵が立ちふさがったり,ストーリー面でも「シビアな判断を要する新展開」が発生するなど,なにか用意されていれば嬉しい限りだ。
……と,ついつい「リベンジオブセブン」への期待を語ってしまったが,ここでは本企画の冒頭の話題に戻って,なぜリメイク作品なのに「リベンジオブセブン」がそこまで大きな驚きをもって受け止められたのかについて話したい。
上記で紹介したとおり,サガシリーズでは過去に2005年4月発売の「ロマンシング サガ -ミンストレルソング-」,2009年9月の「サガ2 秘宝伝説 GODDES OF DESTINY」,2011年1月の「サガ3 時空の覇者 Shadow or Light」という3つのリメイク作品がリリースされている。13年ぶりとはいえ,サガシリーズでリメイク作品が出ること自体はそこまで異例なことではない。
シリーズファンが驚いたのには,発表までの経緯が関係してくるのだが……少しだけ長くなるけど,読んでいくかい?
長いの? ちょっと勘弁かな……
仕方ない 付き合ってやろう
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いかにも「ロマサガ」的な選択肢にお付き合いいただきありがとう! ではさっそく,オールドファンの長話に付き合っていただこう。
今年(2024年)の4月1日はサガシリーズのひとつ,1999年発売の「サガ フロンティア2」の発売25周年のタイミングだったのだが,同日に配信されたスマートデバイス用ゲーム「ロマンシング サガ リ・ユニバース」の公式生放送 #40(リンク)にて,シリーズの総合ディレクターである河津秋敏氏からのメッセージが伝えられていた。
その中で河津氏は「それ(サガフロ2のリマスター)はもう少し待ってください。裏切られることはないですから」と発言。もちろん正式な発表ではないのだが,番組を見ていたファンたちは「次にリマスター化される作品はサガフロ2なのか?」とどこか期待するムードになる。
さらに6月上旬ごろには「もしリマスターが年内に発売されるなら,近く配信されるであろうNintendo Directで情報が出るのでは?」というウワサがファンの間で広まっていた。
そんな経緯があり,ファンたちは「サガフロ2」のリマスター版の発表を待ち構えつつ発表当日を迎えたわけだが,そこにシリーズでも屈指の名作と名高い「ロマンシング サ・ガ2」の,さらにリマスターではなくリメイク版の発売の報が飛び込んできたのである。もはや喜ぶ以前に,サプライズで頭の中が真っ白になった人もいたに違いない。そして情報展開すら一筋縄ではいかないところに,サガらしさ,河津イズムを感じたのは筆者だけではないはずだ。
ここで昔話をひとつ。「サガ フロンティア2」発売直前の1999年3月,筆者は河津氏にインタビューする機会があった。その際,シリーズが10周年を迎えることにコメントを求めたところ「あまり意識していなかった」というような答えが返ってきて驚いた記憶がある。
本当に意識してなかったどうかは分からないが,河津氏が人を驚かせるのが好きなことはまず間違いなさそうである。「裏切られることはない」という言葉どおり,「サガフロ2」のリマスター(あるいはリメイク)についても,いずれ驚くような形で発表されるのではないか? と期待したいところだ。
ちなみに「ロマンシング サ・ガ2」の発売は1993年12月。「リベンジオブセブン」の発表も,気持ち的には「ロマサガ2」30周年のタイミングである昨年末に行いたかったのかも? もちろんあくまで勝手な想像だが。
といったように1989年から1995年までのゲームボーイ時代,スーパーファミコン時代の振り返ってみたが,いかがだっただろうか。筆者があらためて感じたのが,その歴史の初期の段階から,サガシリーズはものすごい勢いで進化を続けてきたことということ。作り手側はつねに新しい遊びや仕組みを貪欲に取り入れており,ファンもまた「秘宝伝説」に登場したアポロン神のように「きたぞ きたぞ!」と,それらを受け入れることを楽しんでいたように思う。
なお「魔界塔士」から「秘宝伝説」,「ロマサガ」から「ロマサガ3」のように,作品のスケールやボリュームを増していく重厚長大な変化はスーパーファミコンの時代で一区切りとなる。
以降は「複数の主人公で短編を繰り返しプレイする遊び」を意識した「サガ フロンティア」,「3世代にわたって紡がれる長いタイムスパンでのストーリーテリング」を試みた「サガ フロンティア2」など,よりコンセプトを明確にした“RPGの新天地”を目指したサガが生まれていくことになる。それらについては2024年9月後半にお届けする予定の後編で紐解いていこう。
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- ライター:高橋祐介
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