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1周15分で遊べるRPG「Wizlite: Everybody loved RPGs」プレイレポート。ランダム生成されるマップを潜る,ヒリヒリとしたスリルがたまらない[TGS2024]
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印刷2024/10/02 17:15

プレイレポート

1周15分で遊べるRPG「Wizlite: Everybody loved RPGs」プレイレポート。ランダム生成されるマップを潜る,ヒリヒリとしたスリルがたまらない[TGS2024]

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 東京ゲームショウ2024の5次元ブースに,“1周わずか15分で遊べるクラシカルRPG”をコンセプトにしたタイトル「Wizlite: Everybody loved RPGs」が出展されていた。パーティを組んでランダム生成されるマップを探索し,次の一歩をどうするかの選択が皆の運命を決める,ヒリヒリしたスリルが味わえた。本稿でプレイレポートをお届けしよう。

 「Wizlite: Everybody loved RPGs」は,5次元が2024年内にSteamでの早期アクセスを予定しているRPGだ。プレイヤーは自分でキャラクターをメイキングして,最大6人のパーティを編成し,複数のフロアからなるダンジョンを攻略していく。

画面左下の「Inspired by Wizardry」に注目
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 「Inspired by Wizardry」を謳う本作は,キャラクターメイキングのシステムからして「Wizardry」的だ。与えられた「ボーナスポイント」を能力値に割り振って自分好みのキャラクターを作っていくが,ボーナスポイントがどれだけもらえるかはランダムで決まる。
 もちろん高い値が出るまで何度でもリロール(やり直し)ができるため,「もう一度,もう一度……」と上を狙って肝心のキャラクターがなかなかできないあたりに「Wizardry」っぽさがある。

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 キャラクターの種族は「人間」「エルフ」「ドワーフ」「ノーム」「グラスランナー」)の5種族だ。そこからボーナスポイントを振って「盗賊」「僧侶」「戦士」「魔法使い」「司祭」「聖騎士」「侍」「忍者」の8つからクラスを選び,「陽」「中庸」「陰」の性格,そして見た目を決めて完成だ。

※グラスランナー
ゲームデザイナー・作家集団であるグループSNEが創作した小人族で正式な許諾を得て使用しているという。会場では特典として各種族を紹介する小冊子が配られていたが,グラスランナーの項目にはグループSNEの著作権表記が入っていた

見た目は職業に関係なく選べるのも嬉しい。もちろん名前も自由に付けられる
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 キャラクター選択とパーティ編成が終わったら,ダンジョンへ出発だ。ダンジョンのマップはズラリと敷き詰められたカードで構成されており,現在地から正面,右,左のどこへ行くかを選び,奥へ奥へと進んでいく。「Slay the Spire」や「ダライアス」のルート選択をイメージしてもらえれば分かりやすいだろうか。

 後戻りしたり同じ場所をうろついたりはできず,マッピングも不要だ。カードには“そのマスで何が起こるか”が示されており,ダンジョンの奥まで見渡すこともできる。ある程度戦略的にルートを選べるのだ。

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 出展バージョンで確認できたカードは「奥へ続く道」「通常バトル」「エリートバトル」「ボスバトル」「イベント」「キャラバン」の6種類だ。

 「奥へ続く道」は何も起こることなく先へ進め,「通常バトル」「エリートバトル」は,読んで字のごとく敵が待ち構えている。ダンジョンの最奥部,ゴール地点は「ボスバトル」だ。
 「イベント」では何が起こるか分からない。宝箱が置かれていることもあるが,調べると仕掛けられた罠が何であるかを特定することが必要だ。

 キャラクターのクラスと能力値によっては,調べても満足いく結果を得られないこともある。宝箱を開ける際にどの罠を解除するかは自分で選ばなければならず,間違ったものを選ぶと,罠が作動して酷い目に遭う。この辺りは完全に「Wizardry」だ。
 罠の種類も「ポイズンニードル」「ガスボム」「テレポーター」と「Wizardry」ファンが喜びそうなものが並んでいた。

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 ここまで読んだ人の中には,「先のカードも見えるんだし,『奥へ続く道』だけ選べば,安全にボスの所へたどり着けるんじゃないの?」と思うかもしれない。
 確かにその通りだが,「奥へ行く道」は,安全な代わりにお金も経験値も装備も手に入らないため,選びすぎるとボスに勝てなくなってしまうし,ダンジョンの構造(カードの配置)は毎回ランダムに変わるため,都合良く「奥へ行く道」が出るとも限らない。

 さらに本作はダンジョンに入るたびレベル1からのスタートとなるため,ボスに備えて,道中である程度バトルをこなしてパーティを鍛え上げる必要があるのだ。
 しかし,あまり消耗しすぎると返り討ちに遭ってしまうため,安全を取るにしろ,危険を冒すにしろ,良く考えなければならない。

 ゲームの華となるのが「通常バトル」「エリートバトル」「ボスバトル」での戦いだ。バトルはコマンド選択式のターン制。どんな敵が出てくるかはカードを選ぶときには分からないため,スリルがある。敵は不確定名で現れ,戦っているうちに正体が明らかになる辺りも「Wizardry」っぽい。

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 バトルに勝つと経験値やお金がもらえ,宝箱からはアイテムが手に入る。ただ,本作は経験値を手に入れるだけではキャラクターは成長せず,アイテムは鑑定しないと使えない。これを解決するのが「キャラバン」だ。休めばレベルアップが行われ,お金を払えば鑑定や治療ができる。

 また,能力値が条件を満たしていれば転職も可能だ。もちろん「キャラバン」もランダムに配置されるため,回復やレベルアップしたいのに「キャラバン」が見当たらない,なんてことも起こる。こうした再現性がないところがランダム生成の面白さと言える。

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 ダンジョンで負けてしまっても心配ご無用。獲得した「ソウルポイント」を使って恒久的な「パワーアップ」ができるからだ。キャラクターメイキングできる新種族を増やしたり,キャラバンでの鑑定料や治療費を安くするなど,さまざまな項目を解禁することで,次の冒険が楽になっていくのである。

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 プレイをまたいでのキャラクター成長がどう取り扱われるかだが,本作にはローグライク的な考え方が取り入れられている。キャラクターが行動不能になっても,ロストしても,1回のプレイが終わるとすべてがリセットされ,次のプレイでまた連れていける。
 その代わり,プレイの中でレベルを上げたり,良い装備を手に入れてもそのプレイ限りで,ゼロからのスタートとなるので,注意が必要だ。

 本作はトラディショナルなキャラクターメイキングと戦闘システムを,現代風にデザインされたランダム生成のダンジョンが彩っている。そして要所要所に「Wizardry」的なエッセンスが取り入れられているという印象だ。

 安全と危険のバランスを取りつつ,先へ進んでいくスリルは懐かしいダンジョン探索モノのそれだ。15分で遊べるというコンセプト通り1プレイも短いので,こういったRPG好きにはたまらないタイトルと言える。気になった人はウィッシュリストに登録しておこう。

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