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「EGGRYPTO」を開発するKyuzanのCEOも登壇。「持続可能なWeb3活用 日本の産業に与える革新性」聴講レポート[WebX]
登壇者は,NTT Digital 取締役 CISO サービス開発部 Managing Directorの遠藤英輔氏,NOT A HOTEL 取締役CTOの大久保貴之氏,SBINFT 執行役員COOの中村恭一郎氏,Kyuzan CEOの髙橋卓巳氏だ。
大久保氏は「持続可能性は我慢につながりがちだが,無理をしないことが重要」だと主張した。不動産の権利など,これまでシェアしにくかったものをシェアするうえで,Web3は有用な技術だという。
髙橋氏は自身の会社がブロックチェーン1本で7年間続いていることが持続可能性を証明しているとした。一方で,持続可能性とは「頑張って続けるもの」ではなく「潰そうと思っても潰せないもの」を指すのではと考え始め,最近では後者を意識してビジネスに取り組んでいるそうだ。
中村氏は「NFTである意味」を質問されることが多いと述べ,「単純に新しいものを持っていること自体が嬉しい」と指摘した。SBINFTではローソンエンタテインメントと協力して「LAWSON TICKET NFT」を展開しており,このサービスでは紙のチケットで半券を記念にとっておくような感覚で,自分が公演に行ったことがNFTとして記録される。NFTチケットは1000円強の追加料金がかかるが,約35%のユーザーに選択されており,体験への期待が浸透しているとのことだ。
次のテーマは「既存の産業にNFTを組み込むこと」。髙橋氏は「もともとあった何かにNFTを活用することは説明しやすい」としたが,NFTにはそれ以上の何かがあると考えているようで,それを見つけることが課題だと語った。また,髙橋氏は「ウォレットを使っているとユーザーが自覚すべきか」と遠藤氏に話を振った。
使いやすさを重視した「scramberry WALLET」を提供するNTT Digitalの遠藤氏は,価値が認められた既存のWebサービスの裏側にモジュール化されたウォレット機能を入れていくアプローチが正しいと考えていると話す。ユーザーにとっては使い慣れたアプリケーションにWeb3の機能が追加されていく感覚だ。
セッションの後半は,各人が「今後の技術トレンド」について話すことになった。遠藤氏は「アイデンティティ」を取り上げ,ヨーロッパで「欧州デジタルIDウォレット」が今年制度化されたことに触れた。NFTによってデータが自己主権型になると考えている遠藤氏にとって,このような動きは注目すべきものだという。
大久保氏によると「ユーザーにWeb3を意識させない」ことがWeb3の普及において重要であり,突き詰めていくと「オフチェーンでいいのでは」となることが多いそうだ。しかし,本来Web3でやりたかったことを考えると「乗り越えなくてはいけない壁」があるので,Sony Block Solutions Labs開発のブロックチェーン「Soneium」でも採用された「OPスタック」に注目しているとのこと。
中村氏は,「実はNFTだった」「実はブロックチェーンだった」とユーザーがブロックチェーンを意識せずに使っているような事例が半年から1年で出てくるだろうと予想した。
最後に宮下氏が,来年のWebXでは「流通」が重要になっているだろうと自身の考えを表明し,セッションは幕を下ろした。
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(C)Kyuzan Inc.
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