プレイレポート
[プレイレポ]サッカー×ローグライク!? 「Footgun: Underground」はボールを武器に地下世界を蹴り進む,ひと味違ったローグヴァニアだ
本作は,主人公の攻撃手段が「ボールをキックして,それを敵に当てる」というサッカーライクなアクションでありながら,ローグライクの側面も持つタイトルだ。概要を見ただけではイメージが湧かないが,果たしてどのようなゲームに仕上がっているのか。
本稿ではそのプレイレポートをお送りしよう。なお,ボタン表記はXboxコントローラのものとなる。
ボールは友達! 華麗にシュートを決めて,地下世界を突き進め
ゲームをスタートすると,操作方法に触れながら画面右へと進行していく。ストーリーなどは一切なく,主人公はなぜボールを蹴りながら謎の地下空間を進むことになるのかといった説明はされない。ここまでバッサリとカットするゲームも珍しいが,ゲームを即始められるので,テンポが良い。
操作方法はシンプルで,[左スティック / 方向キー]で移動,[A]でジャンプ,[LB(LT)]でドリブル,[RB(RT)]でキックを繰り出す。ドリブルは足元にボールをキープした状態で移動でき,キックボタン長押しでチャージになり,チャージ状態でボールを蹴ると威力がハネ上がる。
また,ドリブル状態でドリブルボタンを1回押すたびに主人公がリフティングし,ボールの横に表示される矢印の角度が変化する。斜め上方向に蹴りたい場合は,このリフティングが重要になってくる。
とはいえ,最初の慣れないうちはリフティングを意識せずとも,ただひたすら蹴るだけでなんとかなるだろう。というのも地形が比較的親切に設計されており,普通に蹴っても角度がついて,天井の敵にヒットするようになっていることがあるのだ。
敵を倒すと,お金に加えて「チップ」というものをドロップすることがあり,これを装備して主人公の能力とボールの性能を強化できる。装備画面は1ステージをクリアするごとに表示され,インベントリにはいくつかのチップをキープしておけるので,気軽にいろいろ試していける。
本作のジャンルを分類するならば,「Dead Cells」のようなローグヴァニアスタイルのゲームなのだが,1画面固定である点が特徴的だ。一定数の敵を倒し終えると,地下鉄のような乗り物に乗って,次のステージへと進んでいく。マップは選択式になっていて,一番右端にあるマスが,エリアボスのステージとなる。
ボスを撃破すると,次のエリアが始まる。総エリア数は不明だが,1エリアあたりのステージ数が結構多いため,慣れないうちからサクサクと何エリアも制覇できるようにはなっていない。ローグヴァニアスタイルらしく,何度も周回し,経験によってプレイヤー自身のスキルを高めていくタイプのゲームだ。
また,ボス撃破などの区切りでは,新たなプレイヤーキャラが開放されることがある。キャラごとにキック力やライフ値,インベントリ容量といったステータスにかなり変化があり,たとえば最初のプレイヤーキャラである「STRIKER STEVE」は二段ジャンプが可能なのだが,3人目の「KICKBACK KYLE」は二段ジャンプができない。
チップの「追加ジャンプ」を装備すれば可能だが,最初から二段ジャンプができるかどうかは結構重要なところ。プレイフィールはかなり変わるので,新たなキャラが開放されたら,一度は使ってみるべきだろう。
最初のエリアは空中や天井にも敵が出現するが,地形の補助もあり,とりあえず思いっきりボールを蹴っているだけでなんとかなったりもする。だが,エリアが進むにつれ,リフティングによるボールの角度変化を使わないと,敵にボールをなかなか当てられないといった状況も珍しくない。
周回してガシャマシンを回し,新スキルをどんどん開放していくことに加え,先へ進むとどんなエリアでどんな敵が出てくるのかという知識,ボールを思い通りの方向に撃てるようになる習熟度が重要になってくる。
ローグヴァニアスタイルの変化球。難度は少し高めか
「戦って,敵を倒す」という,ほかのゲームではまず気にすることのない基本的なことが難しいゲームということもあり,それなりに人を選ぶゲームだ。ただ,チャージで溜めに溜めてからボールを蹴り,画面上を跳ね回るボールが敵にバシバシと当たっていく様には独特の気持ち良さがある。
サッカーの好き嫌いは関係なく,ゲーム性としてはブロックくずしやピンボールに近いため,それらが好きな人・得意な人であれば,このゲームの適性があるかもしれない。
ただ,跳ね返りを計算してボールを蹴るだけでなく,「敵を避ける」「敵の攻撃を避ける」ことも同時に考慮しなくてはいけないので,序盤はさほど難しくはないが,エリアが進むと,「ど,どうすれば……!?」と頭を悩ませるステージも出てくる。ある種,パズル的な頭の使い方もする不思議なゲームだ。
ローグヴァニア形式のゲーム全般にいえることでもあるが,そこそこ進んだ後でゲームオーバーになると,また最初のステージからになるため,モチベーションの維持はやや難しい。ボス撃破後に何かが開放されたような表示も出るが,現状だとテキスト表示の日本語化がうまくいっていないようで,結構重要な部分が不明だったりもする。
それでも,ローグヴァニアタイプのゲームの中では比較的取っつきやすい部類なのではないかと思う。長いステージを攻略していくのではなく,1画面固定のステージクリア形式であることや,途中でライフを回復できるハートが出現することもあるので,少なくとも序盤は,初めてプレイする人でもスイスイと進めることだろう。
「ボールを蹴って敵に当てる」ということの難しさを考慮したゲームデザインになっているため,敵の移動や攻撃は比較的激しくはなく,そこまで反射神経を問われるような戦闘ではないのもいい。
とりあえずボールを蹴っておけば,壁の角度によってはうまいこと跳ね返ってのラッキーヒットもあるので,攻撃よりも防御寄りのスタイルで進めたほうが良さそうなゲームだ。ひと味違うローグヴァニアタイプのゲームを遊んでみたい人は,ぜひ触れてみてほしい。
「Footgun: Underground」公式サイト
- 関連タイトル:
Footgun: Underground
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