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  • 発売日:2024/04/26
  • 価格:1200円(税込)
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[プレイレポ]これぞ「青鬼」シリーズ,と納得の怖さ。「最恐 -青鬼-」では,謎を解く快感と,迫りくる青鬼と対峙する緊張感を味わえる
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印刷2024/04/23 12:00

プレイレポート

[プレイレポ]これぞ「青鬼」シリーズ,と納得の怖さ。「最恐 -青鬼-」では,謎を解く快感と,迫りくる青鬼と対峙する緊張感を味わえる

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 LiTMUSは,「青鬼」シリーズの完全新作となる,一人称視点の3Dホラーアクションゲーム最恐 -青鬼-を,2024年4月26日にPC(Steam)向けにリリース予定だ。

 「青鬼」は,2004年にゲーム制作者のnopropsによって制作されたRPGツクール製のフリーホラーゲームで,これまでLiTMUSから配信されているスマホアプリは,シリーズ累計3000万ダウンロードを突破している。加えて,YouTubeでの「青鬼」関連動画の累計再生回数は,現在1億回を超えているとのこと。

 怖いながらもどこかキャッチーな魅力を持った“青鬼”は,小説,映画,舞台,アニメなどさまざまなメディアミックス作品でも展開されており,幅広い層に支持を得ている。他作品とのコラボレーション企画では,可愛くデフォルメされたキャラクターになっていたりもするので,怖さ以上に親しみやすさを感じている人も多いのではないだろうか。

 しかし今回は,“最恐”と銘打たれているだけあってコミカルな要素はなく,あらためて正統派ホラーとしての「青鬼」を楽しめる。

 本稿では,発売より一足お先に本作の恐怖を体験した様子をお届けする。謎解きのヒント,答えがイメージできるような文や画像,序盤以降のスクリーンショットは掲載していないが,一切の予備知識なしにゲームを楽しみたい人は,読むタイミングに注意していただきたい。



青鬼から逃げつつ,姉の痕跡を辿る。
これぞ「青鬼」シリーズ,と納得の怖さ


 プレイヤーは姉を探す妹となって,青鬼が徘徊する洋館を探索する。状況が刻一刻と変わっていく洋館で,アイテムや手がかりを見つけ,謎を解きながら進んでいくのだ。プレイヤーを執拗に追いかけてくる青鬼に捕まってしまうと,ゲームオーバー。これは,シリーズに共通するルールだ。

言葉にすれば単純明快なミッションだが,達成するにはどうしたらいいのか?
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何もない廊下だが,どこかに青鬼が潜んでいると思うと足がすくんでしまう……
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 最初の部屋を出ると,暗くて長い廊下が続いている。ビクビクしながら一歩ずつ歩みを進めていくが,早くも心細さがMAXだ。まず,現時点では屋敷の構造がまったく把握できないし,青鬼の目的や居場所も不明なのである。

 しかも一人称視点なので,主人公の姿もプレイヤーからは見えない。そもそも主人公のことですら,「姉を探す妹である」という以上の詳しいプロフィールは知らされていないのだ。はっきり分かるのは,青鬼に出会ってしまったら追いかけられ,捕まったら食べられてしまうのだろうということだけ……“知らないこと”は,恐怖なのである。

 しかし,攻略のヒントはある。洋館のところどころに姉からのものであろう手紙が置いてあるので,これを元に推理をしつつ進んでいこう。

操作は,キーボード&マウス,コントローラどちらにも対応しており,どちらも慣れてしまえば難しくない。筆者としては,どちらかといえばコントローラ操作が手に馴染んだ
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 さて,青鬼との対面である。屋敷のどこかに……というか,どういうマップであっても,主人公から遠くない場所に青鬼はいるのだ。

遠くの明りの下に,小さく青鬼の顔が見える。主人公に気づいてはいないようだが,圧倒的な存在感を放っている
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 しゃがむ,振り返る,覗き込むなどのステルスアクションを駆使して遮蔽物に隠れたり,別のルートを通ったりすることで青鬼をやり過ごせるので,遠くに姿が見えても焦ることはない。逆に,近くで鉢合わせしてしまったときは,隠れても意味がないので即座に走って逃げるべきだ。

 しゃがんで身を隠し,青鬼の移動に合わせてそばを通り抜けるときなどは,手の汗が止まらないほどのスリルだ。青鬼の行動パターンはある程度決まっているので,どう動いているのかをよく観察しよう。できれば遠くからが望ましいだろう。

 青鬼は,主人公を見つけると一心不乱に追いかけてくる。マップに点在するロッカーに隠れれば追跡をやり過ごせるが,入るところを青鬼に見られていると,ロッカーを開けられ食べられてしまい,ゲームオーバーだ。

 おそらく,主人公はあまり体力がないのだろう。10秒も走らないうちにゼエゼエと息切れしてしまうのだ。走れなくなるわけではないし,彼女の息づかいに青鬼が反応することもないようだが,例えロッカーに逃げ込めたとしても,呼吸の音が青鬼に聞こえてしまうのではないかとドキドキしてしまう。

 一方,青鬼はとくに疲れる様子もなく一定のスピードで追いかけてくる。対峙したら絶対に勝てないだろうということがよく分かる演出だ。「得体が知れないうえに,話も通じそうにない,自分よりも絶対に強い存在から逃げなければいけない」ということに,あらためて恐怖と焦りの気持ちが掻き立てられる。

しまった! 青鬼に見つかってしまった! 見つかったかどうかは,BGMの変化で判断できる
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走って逃げた先に,ロッカーを発見。すぐ後ろには青鬼が迫っている。早く入らないと!
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ロッカーに逃げ込んだ。もしかしたら,入るところを見られたかもしれない……心臓がバクバクする……!
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やっぱり見られていた! ロッカーを開けられ,青鬼と目が合う恐怖……。もちろんゲームオーバーだ
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 1つ謎を解くと,屋敷の姿は大きく変容する。新しい道が開かれるというよりは,構造自体が変わってしまうのだ。これはどういうことなのだろうか。その理由は想像もつかないが,先に進んでいかねばならない。

どこに青鬼が潜んでいるかが分からない状況で,こういった広間に出ていくのは,かなり勇気がいる
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疑心暗鬼になっているので,すべてのオブジェクトに「何か良くない意味や仕掛けがあるのかも」と疑い,空きっぱなしのクローゼットや引き出しには,とくにビクビクしてしまう
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謎を解いて,次々と新しいマップへ。
青鬼,姉,主人公の辿る結末は?
プレイ次第でエンディングも変化


 ガラッと変わるマップの構造や謎の解き方を理解するには,青鬼を回避しながら実際にマップのあちこちを探索し,姉からのものと思われる手紙の内容に符合する点を探して推理を進めるしかない。そして大抵の場合,「ここにいたら嫌だな」というポイントにいるのが青鬼だ。

登場するオブジェクトは少ないが,謎解きはやりがいのある難度だ
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インタラクト可能なオブジェクトには,視点を合わせると黄色の枠が出る
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何をしていても,青鬼からのプレッシャーがついて回る緊張感!
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 青鬼から逃げることは,しっかりと距離を取れてさえいればそこまで難しくはないのだが,新しいマップの構成がまだ頭に入っていないために逃げる場所を見失ったり,焦って机などのオブジェクトに引っかかったりなどで,何回も青鬼に食べられてしまった。

ロッカーの隙間から「どうか開けられませんように」と祈る瞬間
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 食べられてゲームオーバーになると,死ぬ少し前の進行度合いで,ロッカーの中からやり直しとなる……のだが,リトライ直後の主人公はなぜか激しく息切れしているのだ。数回ゲームオーバーになった時点で筆者は,“もしかしたら主人公には,前回死んだときの記憶があるのかも?”と推理したのだが,息切れをしていることだけで,その大きな裏付けになるとは言い切れない気もする。

 そのほかにも,プレイを進めていると「もしかしたらこういうことなのかも」「姉は,こういう状況になっているのかも」など,さまざまな憶測が頭に浮かぶ。真相を知りたいという気持ちが足がすくむ恐怖を上回るので,すごく怖くても先に進みたくなるのだ。

 謎解きの舞台となるマップは,屋敷の中だけに留まらない。刻々と変化していく状況のなか,青鬼の追跡を切り抜けすべての謎を解ききった先には,姉との幸せな未来が待っているのだろうか? プレイの結果によっては,エンディングも分岐する。ぜひ自身の目で,この物語の行方を見届けてほしい。

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 本作で味わえるのは,いきなり驚かされてビックリするタイプの怖さではなく(思わぬところに青鬼がいてびっくりすることはあるが),じわじわと自分に迫る危機に追い詰められる恐怖だ。

 ルールが明快で,謎解きは適度な歯ごたえがあり,青鬼はインパクトのあるキャラクター。この分かりやすさは,ゲーム実況にも向いているタイトルだとあらためて感じる。とくに2人以上のプレイに対応しているわけではないが,誰か1人がコントローラーを握り,複数人で謎の答えを考えながらワイワイ遊ぶのも面白そうだ。


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